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オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

このブログについて

はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

γ(ガンマ)計算

2012-07-08 10:40:18 | 循環
γ(ガンマ)計算って知ってる?

「今、ノルアド何ガンマ?」
ICUで働きはじめた一年目の頃はよく先輩に聞かれました。
ここでモタモタ答えて怒られたのをよく覚えています。
現在は電子カルテの導入でいちいち計算しなくてもγ数が分かるので、聞くことも聞かれることもほとんどなくなりました。
使わない知識は廃れて行く。世の常です。
先日、CPR後で循環が全然保てずかなり大量のカテコラミンを使用した患者がいました。
ノルアドレナリン20mgを5%ブドウ糖に希釈しtotal50mlにしたものを8ml/hで投与している。身長163cm、体重は60kg。さて何γでしょう、という話。

まずなぜγ計算が必要なのか。
私たち看護師は、輸液ポンプやシリンジポンプを扱って医師の指示通りに薬剤を投与します。だから、mgで言われるよりもmlで言ってもらった方が分かりやすい。
例えば「ラシックス10ミリいこうか」といった場合、当然10mg(1ml)なのだが新人看護師なんかは10ml(100mg)投与しそうになって危ないことになる。注意が必要です。

さて、話を元に戻してガンマとは何か。
エネルギーステロイドの効きが良かった海坊主は別として、

3kgの子供と60kgの大人で3mg/hで薬剤を投与した時に得られる効果が同じはずがない。
そこで登場するのがガンマ計算です。
ガンマというのはゾンビパウダーの芥火ガンマのことではなく、投与量の単位のことです。

体重1kgあたり1分あたりに何マイクログラム(μg)投与するかというもの。
何のことかさっぱりわかりませんね。
難しくしている要因は3つ。
1分あたり(臨床では時間当たりの投与量で会話している)というところと、
μg(臨床ではmgを使う。ちなみに1μg=1/1000mg)を使っているところ、
スラッシュが3つもあるところではないでしょうか?

いうまでもなく1時間は60分なので1γをいつも使っている形になおすと
1γ=1(μg/kg/min)=0.06×体重(mg/h)
となります。

γ計算の肝はその人にとっての1γは何mg/hかを把握することです。
私は168cm、60kg、(だいぶサバ読みましたが♪)なので私にとっての1γ=0.06×60=3.6(mg/h)となりそうです。
しかし、γ計算で使われる体重は実測体重ではなく標準体重を用います。
標準体重とはBMI(Body Mass Index) = 体重(kg)/身長(m)/身長(m)においてBMI=22であるような体重を指すので、
標準体重 = 22 ×身長(m) ×身長(m)。
私の標準体重=22×1.7×1.7≒62kgなので
1γ=3.73(mg/h)となります。

では最初の質問に戻ります。
この患者さんの身長は163cmだから
標準体重=1.63×1.63×22≒58kgとなり、
1γ=0.06×58=3.48(mg/h)です。
ノルアドレナリン20mgを5%ブドウ糖に希釈しtotal50mlということは1ml=20/50=0.4mg。
これを8ml/hで投与なので0.4×8=3.2mg/hとなります。
つまりこの患者さんにノルアドレナリンを3.2mg/hで投与している時、3.2/3.48=0.92γで投与していることになります。
とんでもない量ですね。

後日談でこの方は一命をとりとめ病棟に帰室出来るまでに回復しました。
良かったですねぇ(*^o^*)

今日は個人的に懐かしいガンマ計算の話でした!

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非侵襲的経皮ペーシング

2012-06-18 17:37:43 | 循環
昨日の夜勤は慌ただしかった。
高度の除脈。脈が伸びる伸びる。アトロピン打っても改善しない。
そんな心電図を見ていたらこっちの心臓が止まっちゃいそう(笑)

急変の際まずやることは人と物を集めること。
ひとりぼっちじゃ戦えない。
昨日は遠くから急変の雰囲気が漂ってきたので、受け持ち患者を他のスタッフにお願いして参戦しました。

明らかにペースメーカーの適応っぽいからテンポラリー(リードを静脈から挿入し、カテ先を右室心尖部に留置する体外式のペーシングカテーテル)を挿入しにいかなきゃまずそう。
でもその前にまずは経皮ペーシングですね。
そんなに使う回数が多いわけでもなく、自分で使ったこともない。
今回は先輩方がたくさんいたので無問題だったけど、この機会にこそっと勉強させていただきます♪


経皮的ペーシング(TCP;Transcutaneous pacing)は、胸部の表皮に電極を貼って、電気刺激を送り、心臓の脈を作りだします。
具体的にウチにあるハートスタートXLくんの使い方を取説みながら整理したいと思います。

まずはこの機器の概要から。


TCPをするためには
除細動パッド(電極)、モニタリング電極を患者に貼り、パッド電極をパッドアダプタケーブルに繋ぎます。

左のエネルギー選択ノブをマニュアルモードに合わせます。
右のペーシング操作用コントローラーのペースメーカキーを押すとペーシング機能が起動されて緑のLEDが点灯し画面にこのようなダイアログ・ボックスが表示されます。
設定出来るのはモード(デマンド(脈拍が設定以下のときにだけ刺激する)or固定)、レート、出力の3つです。

開始を押すとペーシングがスタートします!

昨日は上手く経皮ペーシングでペーシングが出来たので、とりあえずテンポラリー入れて何とか落ち着いたけど不整脈ってやっぱりこわい。
座学も大事だけどシミュレーション学習は実践で不可欠!

大変だったけど、とても勉強になった夜勤でしたm(_ _)m♪
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気管内挿管

2012-06-11 13:29:20 | 循環
約3ヶ月ぶりにブログ再開です。
新年度に入り妻の仕事復帰、それにともなう家事育児への参加、病棟リーダーのオリエンテーション、看護研究…と、てんこ盛りでブログの存在すーっかり忘れてました。
6月に入り生活にもようやくゆとりが出てきたので、張り切ってブログ再開します♪

先日リーダーをやっている時、挿管が必要な患者がいました。
受け持ちに挿管になることを伝えると、「介助についたことがありません…」と言われてしまいました。
ICUで働いていれば緊急で挿管が必要になる場合はあるわけで、1年以上ICUに居るのにはっきり介助につけないと断言されちゃうと困っちゃいます(~_~;)
ということで、今回は気管挿管について復習します。

気管挿管の目的や適応、挿管困難が予想される場合や合併症は知識として看護師も持っておいた方がいいので押さえておきましょう。


では実際の場面をイメージしていきたいと思います。

挿管をすると会話は出来ないし、鎮痛・鎮静も必要になり、治療のためとはいえ家族がショックを受けることがしばしばあります。
「昨日はあんなに元気そうだったのに…。」などなど。
緊急でなければ本人はもちろん、家族にもきちんと説明をし同意を得てから行う必要があります。

次に物品を準備しましょう。
私の勤務先ではこんな感じです。
・喉頭鏡
・ブレード
・挿管チューブ
・スタイレット
・ジャクソンリース
・ジャクソンリースに付けるマスク
・カフ用シリンジ
・固定用チューブ
・キシロカインスプレー
・キシロカインジェル
・救急カート
・聴診器
・薬剤(フェンタニル、プロポフォール、マスキュラックスorエスラックス、ネオシネジン)

挿管チューブは事前にカフリークが無いようにチェック。(挿管後リークがあったら大変!!)
キシロカインスプレーを挿管チューブ内に噴射しスタイレットをセッティング。(スタイレットはチューブから飛び出しちゃダメ。スプレーの噴射はチューブが劣化するって噂はあるけど、滑りが悪いとスタイレットを抜く時にてこずる)
ブレードと喉頭鏡はセッティングして電気がつくことを確認しておく(いざ挿管って時に電池切れてたりすると最悪)
さぁ、これで準備は完了です。いよいよ挿管の手順に行きましょう。

まず、体位を整えます。
仰臥位にし少し高めのまくらを入れてsniffing position(スニッフィングポジション)をとらせます。
これは匂いを嗅ぐときのよう鼻を突き出した姿勢で、喉頭展開した時に声門部が見えやすくなります。

次は前酸素化(preoxygenation)です。
ジャクソンリースを用いて十分な酸素化を図ります。(これを前酸素化(peroxygenation)という)
これを行いつつ必要に応じ薬剤投与(鎮静・筋弛緩薬)します。
血圧が下がりすぎちゃう時にはネオシネジンなど使います。
バイタルサインには常に気を配りましょう。

クロスフィンガー法にて開口し、左手に喉頭鏡を持って患者の右口角にブレードを入れます。
舌はブレードで左側によけます。
喉頭展開は喉頭鏡のハンドルを上方前側に力を加えるようにします。(歯をテコの支点にしない。折れてしまう。)
大事なことは声門を確認すること!
唾液などの分泌物が邪魔なら吸引の必要がある。声門部が見にくい時はBURP法を試すと見やすくなります。(輪状軟骨をBackward;後方、Upward;頭側、Rightward;右側にPressure;押す方法のこと)


声門が確認できたら挿管チューブを進めていきます。
目を離すと声門を見失ってしまうから介助者が施行者の右手にチューブを渡してあげます。(向きにも注意!)
声門を通過したら施行者の「スタイレット抜いて」を合図に介助者がスタイレットを抜きます。
この時せっかく入れたチューブごと抜かないように、しっかりとチューブを持っておきましょう。
体深さは女性で21cm、男性で23cmが目安です。
最後にカフにエアーを入れて完了です。

ここまでで挿管は終了なんですけど、ちゃんとチューブが入っているか確認しなきゃいけません。
確認はまず、しっかりと胸郭が上がっているかみます。
次に聴診器で5点聴診(左右の前胸部、左右の側胸部、心窩部)をします。
片肺挿管になっていないか(左右差がある。解剖学的に右に入りやすい。)、食道挿管になってないか(心窩部でゴボゴボとした水泡音)をチェックです。
当ICUではEtCO2のモニタリングを出すのでこれで気管に入っているか確認できます。
チューブのくもりもみましょう。
大丈夫そうならテープで固定し、胸部レントゲン撮影をして最終確認です。(チューブの先端が気管分岐部の2~3cm上。気管分岐部は第4、5胸椎の高さで、前面では胸骨角(第2肋骨付着部)の高さ)
もし、ダメなら慌てずにチューブを抜いて前酸素化からやり直しましょう。



以上が大まかな手順です。
施設によっては違いがあるかと思うので先輩に確認しましょう。
何事もそうだと思いますが、成功の秘訣は準備をしっかりと行うことだと思います。

はじめでも述べましたが、挿管の適応や合併症などは押えときましょう。


久しぶりのブログは大変ですね。張り切りすぎずに細く長く継続して行きたいと思うので、応援よろしくお願いしますm(_ _)m
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BLS

2012-02-28 23:33:15 | 循環
今日はBLSについて。
去年はAHAのBLSインストラクターとして、自分の職場でインストをやらせてもらったんで軽く整理しておく。

BLSはBasic Life Support、つまり一次救命処置のことで、医療者と名のつく人は新人だろうが定年間近だろうが出来なきゃダメってやつである。
また、大切な家族を守りたいと願う一般の方も是非知って欲しい内容。

まずこの図を見て欲しい

あまり厳密ではないが
「心臓が止まってから」、「呼吸が止まってから」、または「多量出血」の状態から、時間の経過による死亡率を示したもので
心臓停止後約3分
呼吸停止後約10分
多量出血後約30分
を経過すると、50%が死亡してしまうことを意味している。

例えば突然の心停止。救急車呼んであたふたしてたらあっという間に5分経過→もう助からないとなってしまう。
こうならないためにも早期の介入が不可欠。

前置きが長くなってしまったが今日はBLSについて。

①まず人が倒れてたら安全を確認する。
 安全が確保されていないところでの救命活動は二次被害予防のためにも大事。

②意識と呼吸の確認(5秒以上10秒以内)
「大丈夫ですか」と両肩をたたいて確認←麻痺があると悪いから。
 呼吸してないか、死戦期呼吸か(あえぎ呼吸)をcheck!
 10秒以内に分からないようなら呼吸してないって事で助けを呼ぶ

③助けを呼ぶ。119番、AED持ってきて~!!
 一人じゃ戦えない。とにかく人を集める。チームで協力して蘇生する。
 いくら胸骨圧迫してても不整脈が治る訳じゃない。あくまで胸骨圧迫は時間稼ぎ。AEDを早くかけることが大事。

④頸動脈の触知(医療関係者じゃなきゃこれは見なくても良い)5秒以上10秒以内
 これも分からなかったら10秒以上時間をかけないで胸骨圧迫スタート

⑤胸骨圧迫開始。胸骨圧迫と人工呼吸の割合は30:2。
 胸骨圧迫のポイントは速さ(100回以上/分)、深さ(5cm以上)、手の位置(胸骨の下半分)、押したらしっかりと戻す(Chest Recoil)、中断は10秒以内
 とにかく強く早く押す。胸骨がメリメリってなるくらい押す。そのくらい押しても普段の心臓の一回拍出量にはかなわない...。
 
⑥AEDが来たらショックをかける
 まずAEDがあれば(到着したら)電源を入れる。そうするとAEDが次に何をすればいいか教えてくれるからその通りに動く。
 ショックが必要なのはVF,Pulseless VTの2つ。Asystole,PEAはショック不要。AEDが判断してくれる。
 2分おきに勝手に解析してくれるからそのときに胸骨圧迫する人を交代する。疲れる前に交代するのがポイント(疲れを感じた時点で有効な胸骨圧迫が出来ていない!)
 解析の時とショックをかけるときは傷病者に触っちゃダメ。電源も切っちゃダメ。

⑦ショックをかけたら直ちに胸骨圧迫を再開。


と、BLSの流れはこんな感じ。
どんな名医でも最初の5分に出来ることは大きく違わない!?
まずは人を集めること、そして胸骨圧迫。いかにAEDを早くかけるか。

さて、胸骨圧迫をやり始めたはいいけどいつまで続けるべきか。
勝手にやめてはいけない。
やめていいのは2つだけ。
1つは傷病者の意識が戻る(痛ったいなぁ~的な)。もう一つは救急隊やACLSチームが来たとき。
これまでは頑張って続ける。




とざっくり重要だと思うことに関してまとめてみました。
やっぱり心肺停止は時間との勝負でスペシャリストが到着するのを待ってたら到底助からないのが現状です。
近くに居合わせた人がその場で動けるか動けないかが何よりも大事ってことで、是非周りの大切な人を助けられる人でいたいと思います。

今日のは大人に関してのものですが他にも小児、乳児に関する内容や窒息に対する対応なども網羅しているコースなので受けていない方には是非オススメです♪

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