オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

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はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

高濃度酸素投与の弊害(~_~;)

2012-09-19 06:35:45 | 呼吸
後輩の仮眠休憩中に交代していた患者をみると酸素濃度が80%とかなり上げてあった。
一時的にSpO2が低下(吸引とか?)したため濃度を上げ、それを戻すのを忘れていたようだ。
戻ってきた後輩にこれを指摘すると、うっかりという感じで酸素下げればいいじゃん的な...。

高濃度酸素の弊害について考えてみた。

吸収性無気肺、CO2ナルコーシス、活性酸素による肺障害、未熟児網膜症が思いつく。
後輩に尋ねると吸収性無気肺と活性酸素による肺障害にはピンときていない様子だった。

空気は大部分が窒素(約78%)で酸素は約21%程度。

呼吸すると肺胞内の酸素は血管に取り込まれるけど、窒素は取り込まれないので肺胞に残る。
高濃度の酸素投与では窒素の割合が減ってしまい、肺胞に気体が残らないことになるため肺胞が虚脱しやすくなる。これが吸収性無気肺。
この患者はただでさえ無気肺で困っていたので、不必要な酸素は良くない。

呼吸調節はPaCO2の変化に非常に鋭敏だが、PaO2の変化に対しては、ある程度分圧が低下するまではほとんど変化しない。
しかし、長期間の低換気状態により高炭酸ガス血症がある患者は、呼吸中枢がPaCO2ではなく、低酸素による刺激で維持されている。このような患者に対して高濃度の酸素が投与されると、低酸素による換気刺激がなくなり換気抑制が起こり、PaCO2が上昇し、意識障害などの精神神経症状が出現する。これがCO2ナルコーシス(ナルコーシス=昏睡)。
ちなみにこの患者は二型呼吸不全、不必要な酸素は良くない。

高濃度酸素(60%以上)の長時間の投与は活性酸素(フリーラジカルの一種)の産生が多くなり、気道粘膜や肺胞が障害され,重篤な場合は呼吸不全に陥る。80%の酸素は高濃度であり、酸素化も悪くないので不必要。

以上のことから、実はこの患者にとってうっかりやってしまったことは、君思っている以上に不利益を及ぼす可能性があることを指摘しました。
もちろん優しく(笑)

酸素バーとか昔に流行して、何となく酸素って身体に良さそうだけど、実は酸素って知らないと怖いですね(; ̄O ̄)


それにしてもマンガから学ぶことって正確性は別として頭に残ります(笑)♪


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