久しぶりにブログを更新します。
長いようであっという間だった大学院生活も、もうすぐおしまい。
今週、ようやく修士論文をまとめ上げて提出!
あとは、口頭試問を経て、修正し、最終提出を残すのみ...。
仕事しながらの大学院生活は、眠れない日々の格闘でしたが、妻や娘、職場の皆様、そして、戦友である修士の同期のメンバーに支えられ何とかここまできました![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_naki.gif)
修士論文では修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチという手法を用いて質的な研究を行いました。
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一般的に研究っていうと量的な研究を思い浮かべる人が多いと思います。
これは、大量の情報を統計処理などを行い圧縮して、そこから有意味な情報を見出せるっていうことに大きなメリットがあります。
例えば、先行研究ですでに分かっていることを確認する「仮説検証型」や、「比較検討」「実態調査」「事実確認」などの研究は、量的研究は向いていると言えます。
逆に、質的な研究はこれらの研究に向いていないと言われています。
質的研究というのは簡単に言うと「仮説生成型」の研究に向いています。
仮説っていうと、何か難しいものに聞こえるけど、、、
例えば修士同期のメンバーで、「午前中の研究ゼミは教授がカリカリしている」という仮説を立てた者がいました。
確かに、午前中にゼミをするのと午後にゼミをするのとでは、午後の方がソフトで研究の進みがいい印象がありました。
こんな日常の些細なことも仮説です。
しかし、ある時、午前中のゼミでもソフトの時とカリカリの時があることに気づきました。
そこで新たに、「午前中かつ、赤ら顔をしている時はカリカリしている。」という仮説を立て直した結果、朝の10秒程度の挨拶の瞬間に、その日1日の機嫌を把握し、ゼミの進行をその場で調整できるというまでに、この仮説は生かされました。
つまり、日常生活の中でも常に、広い意味では仮説を作ったり、検証したり、反証したり、修正したりってことをやっているということです。
ただし、勝手に作った仮説は使えるかどうかは保証されていません。
仮説を作っても、現象をうまく言い当てていなければ使えないし、予測がよく外れるようでは、そのうちその仮説は淘汰されてしまします。
使える仮説を作るための方法の一つが、質的研究方といってもいいかもしれません。
つまり、質的研究というのは、科学的手法に基づいて、自分なりの仮説を発明していくということでもあるのです。
よく、質的研究は、そんな少ない対象から一般化できるのか?という批判を受けます。
しかし、質的研究は一般化を目的とした研究手法ではないのです。
100人を対象とした研究だって仮説が間違ってたらダメだし、たった一人を対象にした研究だって、そこから生まれた仮説が妥当なものでさえあればいいので、数が少ないものは全部ダメなんて批判は成り立たないのです。
少数事例の場合は、極めて特殊な事例を扱う場合にその価値は増します。
例えば、優れたバッティング技術のコツを調べようと思って、その辺を歩いている100人を集めて平均的な打ち方を抽出しても徒労に終わります。
それならば、イチロー選手一人に焦点化して、その仮説を探究したほうがはるかに現象を言い当てることができるはずです。
普通の人が何をやっているのかに関心があるのなら普通の人を調べたほうがいいけど、何かのコツをつかみたいなら、もうすでにうまくやっている人を調べたほうがいいです。
それでも、天才というのは、最初から自然にできちゃうから、全く自覚なくやってしまうところもあるし、言語化できていない部分もあるから、それを研究者が取り出していく必要があります。
天才に「どうやってるんですか?」って聞いても、「当たり前のことを当たり前にやっているだけです」とかっていうことになったら、何の参考にもなりません(笑)。
だから、研究者が参加観察したり、インタビューをしたりする中で、その意味を取り出していく必要があるわけです。
それでは、「意味」とは何か?
質的研究は、体験者の「内的視点」を重視し、「意味」は体験者の文脈の中から解釈するほかありません。
これがかなり難しい。
例によって、漫画を使って言いたいことを説明します。
ドラゴン桜で、国語の芥山先生がとてもわかりやすい解説をしてくれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/3a/a2b2437549d59ef7c041786d43d221b6.png)
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三田 紀房.ドラゴン桜 (5).モーニングKC,講談社,p84-92
つまり、ただ単に言葉を拾って、「嬉しい」とか「悲しい」とかって言っててもそれは反対の意味だったりもするし、体験者の「内的視点」ではもっと深い意味があります。
それは、文脈の中で解釈されなければならないわけです。
コンテンツではなく、コンテクストを重視して、丁寧に解釈し、意味を見出していき、最終的に仮説を生成するという感じで論文を書きました。
まぁ、大変。
一人じゃ絶対無理。
だからこそ、教授のスーパーバイズを受けたり仲間のグループチェッキングが必須になるわけですね。
研究で大事なことは、その領域の知見を一つでも進めることができるかどうかです。
修論を論文化して学会投稿し、少しでも今回得られた知見が役に立てばいいなと思います。
そのためにももう一踏ん張り...![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
一応、ひと段落ついたので、毎週ブログは更新していきたいと思います![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kirakira.gif)
応援よろしくお願いします![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
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一般的に研究っていうと量的な研究を思い浮かべる人が多いと思います。
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例えば、先行研究ですでに分かっていることを確認する「仮説検証型」や、「比較検討」「実態調査」「事実確認」などの研究は、量的研究は向いていると言えます。
逆に、質的な研究はこれらの研究に向いていないと言われています。
質的研究というのは簡単に言うと「仮説生成型」の研究に向いています。
仮説っていうと、何か難しいものに聞こえるけど、、、
例えば修士同期のメンバーで、「午前中の研究ゼミは教授がカリカリしている」という仮説を立てた者がいました。
確かに、午前中にゼミをするのと午後にゼミをするのとでは、午後の方がソフトで研究の進みがいい印象がありました。
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