オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

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はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

プロポフォールのカロリーってどのくらい!?

2012-03-11 11:16:27 | 栄養
痙攣重責でなかなか痙攣のコントロールが出来ない患者。
プロポフォールを大量に投与していた。
経腸栄養もスタートしたけどいつもより投与量が少ない。
何でだろう??

ということで今日は栄養について考える。

まず栄養の基本から。
マンガを見てるとルパンの名作カリオスロの城で銃で撃たれたルパンや、ONE PIECEで瀕死の状態のルフィーなどが体力回復のために食事をするシーンは印象的。

栄養障害が進行すると、組織・臓器の機能不全、創傷治癒遅延、感染症の合併症の発生、原疾患の治癒障害ないしは悪化をもたらす危険がある。
だから急性期ではバイタルの正常化や原疾患の治療に目がいきがちだけど、自分で食事を摂取できない患者に対し医療者が栄養管理をする必要性がある。

三大栄養素は1,炭水化物(糖質)、2,タンパク質(アミノ酸)、3,脂肪(脂質)がある。

プロポフォール (propofol)はICUで人工呼吸時の鎮静によく使う薬である。
プロポフォール自体は水に溶けづらいので販売されているプロポフォール製剤は脂肪製剤を乳化剤としている。
つまり鎮静剤なんだけど脂肪(脂質)が含まれているということ。

脂質は9Kcal/gと糖質の約2倍の単位エネルギーをもつ。また、インスリンの分泌誘導がなく血糖に影響を与えないことや、糖質過剰投与による脂肪肝発生の予防に有効とされている。
脂質の必要量は0.3-1.0g/kg/day程度が望ましい。
とされている。

ではプロポフォールの中にどのくらいの脂質が含まれているか。

添付文書を読むと「本剤1.0mlあたり約0.1gの脂質を含有する」と書かれている。
脂質は9kcal/gだから0.9kcal/mlかとも思うのだが
プロポフォールのカロリーは1%脂肪性剤で乳化させているということで約1.1 kcal/mlとなるらしい!

今回の痙攣重責の患者の例で考えると
この患者の身長は158cm。プロポフォールを20ml/hで投与中。

目標カロリーは理想体重{(身長cm-100)×0.9kg}×25kcal=1305kacl/dayとなる。
プロポフォールのカロリーは20ml×24時間×1.1kcal=528kcal/day
1305-528=777kcalつまり約800kcalを経腸栄養で投与すればいいことになる。
だからハイネ(300ml=300kcal)を4本/dayじゃなく3本/dayで目標カロリーが達成できるということになる。

なるほど、だからいつもより経腸栄養の量が少なかったのか!!

栄養は奥が深そうだ。もっと勉強しなくては(T_T)

ここまで読んでいただきありがとうございます。
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Rapid Response Team

2012-03-06 22:05:53 | ひとりごと
Rapid Response Team (RRT)って知ってます?

去年1年はBLSのインストラクターとしてCPR(心肺蘇生)の普及を行ってきたが、あるアメリカの研究では1992年から2005年で院内の心停止後の生存率はBLS,ACLSは普及したが改善はしていなかった。
成人では蘇生後に退院できる割合は18%でそのうち脳に障害がないのは65%。
衝撃的な事実である。

心臓が止まってからがんばっても予後は悪いしBLSをいくらがんばっても心臓が止まる人を減らせるわけではない(BLSは心臓が止まっている人への対応だから)。
つまり、心停止をさせないことに焦点を当てるべき!!?ってこと。

“心肺停止患者の60%は急変する6~8時間前に何らかのバイタルサインの異常を認めている”らしい。
じゃあ、いきなり止まるんじゃないんならその異常を認めたときに適切な処置をして心停止させないようにしたいね、っていうのが今日のお話。

色々事例をひもとくと病棟でも心停止に至る数時間前には異常に気づいているケースが多い(看護師が)。それをうまく医者に伝えられなかったりすることがよくある。
何かおかしいんだけど、医者は別のところで処置中だし、様子見てていいって言われたし...。そうこうして放置してしまうと心停止に至ってしまうかもしれない。

こんな時に登場するのがRRTというわけ。
RRTは看護師やコメディカルで構成(医師はいない)される。同職種だし呼ぶのも敷居が低い!?かもしれない。
またこんな感じの基準を作っておいて、これを満たしたら呼んじゃいましょう、的なことにすれば迷いが減っていいかもしれない。


今回この内容を書いたのは、うちの病院でもRRTを導入しようという動きがあるようだからだ。
まだまだ導入しているところは少ないと思う。
一番大事なのは患者の安全を第一に考えるコトだと思う。こういう取り組みはどんどん行われるべきではないか。

課題は組織的にシステムを構築することもそうだが、私たち看護師の立場からは

・急変の徴候に気づけること(これがないと始まらない)←基準を作ることでやりやすくなる?
・RRTの質の向上(せっかく異常を早期に教えてもらっても適切な介入が出来なきゃ意味がない!!)

これが出来るようトレーニングする必要があるのでは?

AHAのPEARSやSCCMのFCCSでもこれに近いことはやっている。
看護師はどんどん受講するといいと思う。
もっと言えばわざわざ高いお金を払って受講しなくても、各病院で定期的にそういったシュミレーション教育が受けれる環境が必要かなと。



生意気なことを書いてしまって申し訳ありませんでした。
とりあえず自分に今できることを自分のペースでがんばっていきたいと思います。

ここまで読んでくれた方々ありがとうございました(*^_^*)♪
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