オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

このブログについて

はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

小児の吸引チューブのサイズ選び

2014-04-17 17:22:29 | 呼吸
私の働くICUには術直後の小児が入室してきます。
病院の構造上、PICU(Pediatric Intensive Care Unit)は手術室からかなり遠くて、術直後の不安定な状態での移送は危険なのでICUに数日滞在して、状態が安定してからPICUに行くわけです。
小児集中治療室であるPICUがあるのに、一番不安定な時期を私たちICUのスタッフが看ることはかなりの負担です。
「小児は小さな大人ではない」とよく言われますが、不慣れな、しかも生まれたばかりや術直後の小児を看るのはそれなりの勉強と覚悟が必要です。
でも、ウダウダ言っててもしょうがないので、頑張って関わっていくわけです。

少しグチりましたが、挿管管理中の子どもの気道トラブルはとにかく怖い。
看護師の腕の見せ所です。
よく、後輩に「なんFrの吸引チューブ使ってやればいいですか?」と聞かれることがあります。どのくらいがいいか逆に聞き返すと、何となく適当なサイズで答えてくる人がとても多いなと感じます。
ちょっと考えれば分かりそうなもんですが。
吸引チューブが太すぎると肺胞が虚脱してしまう可能性が高くなります。逆に細すぎると吸引するのに時間を要します。
じゃあ、どれくらいの太さがいいか?
気管チューブの内径の1/2以下のサイズでかつ太いものとなるわけです。
具体的にいうと、挿管チューブはmmで表示されていると思います。
吸引チューブはFrで表示されています。
mm×3=Frなのでまず単位を合わせちゃいます。
そしてそれの1/2以下であればいいので、
適切な吸引チューブの太さは=挿管チューブの内径×3/2(Fr)となるわけです。
たとえば、4mmの挿管チューブであれば4×3×1/2=6Frの吸引チューブを使ってみよう!となるわけです。
小児の挿管チューブのサイズや深さの目安についてとても分かりやすい論文がネット上にあったのでのっけときます。

私がごどもの心臓を勉強するのに鉄板だった本はこれです。

子供の入室をとるたびにチェックする、とてもありがたい本です。
あと、最近こんな本も出ました。

看護のツボがわかりやすく書いてあって必見です。
願わくば看護師も執筆者に加えてあったらなお良さそうですが。

日々、仕事と大学院で病院にいて大変ですが楽しい毎日です。
いつまで続くやら...。
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患者さんとの関係を考える

2014-04-06 10:00:12 | 看護
新年度を迎えました。
7年目のICUナースとして役割を発揮していきたいと思いつつ、10人を超える新人をどう育てていくかと不安もあります。
そして、プライベートでは大学院生活が始まりました。
働きながらの院生活はどーなるのかまだ予測できません。
ま、なんとかなるでしょ♪
せっかく学ぶので、その中で印象に残ったこととかもここで整理していこうと思います。

ナイチンゲールは「Nursing the sick, not nursing sickness」つまり、看護は病気を看るのではなく、病人を診るのです。といったそうです。
ナイチンゲールについて概要を理解するのにとてもいい本が最近出ました。
たまたま、私のマンションに医学書院の編集をしている人がいてオススメしてくれたので買ってみましたが、マンガでとても読みやすく一日で読めます。
4月から入学した看護学生は「看護覚え書き」を読むと思いますが、読みにくければ一度こちらの本を読んでもらえれば入りやすいと思います。


かつては患者さんとの関係は序列的でパターナリスティックな関係でした。
つまり、私たち専門職は最善の策を知っていて、意思決定する権限を持ち患者さんの健康に責任を持つ。そして患者さんは専門家の決定に従う(親対こども)、というような感じです。
それに対し、患者さんと恊働的パートナーシップを築くことの大切さが考えられています。
つまり、患者と専門家が対等の地位と権限を持ち、成人対成人の人間関係です。
この関係ではお互いの専門知識と技術を伝え合うことが大切です。
看護師の専門性は理解できるけど、患者さんの専門性っていったいなんだろう??

「患者さんは、その人についての生活者としての専門家である。!!」

なるほど。
つまり、同じ専門家同士として1つのテーブルにのること、1つの目的に向かって力を寄せ合わせる関係が恊働的パートナーシップといえそうです。
これは患者さんの意思決定でも大切なことです。
例えば、治療方針を患者さんと考えるときにするインフォーム・ドコンセント(informed consent;情報に基づく同意)という言葉は、Aをするけどいい?よければここにサインして!
という、従来の序列的なパターナリスティックな意味合いが強く、最近はインフォームド・チョイス(informed choice;自己選択・自己決定)という言葉、AもBもCあるけどどれにする?という感じです。
インフォームドコンセントは傲慢な印象があるし、インフォームドチョイスは無責任な気もします。
そこで恊働的パートナーシップの概念を含んだシェアード・ディシジョン・メイキング (shared decision making;意思決定プロセスの共有)という言葉が出てきました。
生活者としての専門家である患者さんと医療者が話し合い、同じ目的に向かうための意思決定といった感じだと思います。
ちなみに「恊働」と「共同」は同じ読み方ですが意味が大きく異なります。
「恊働」は目的を達成するためにそれぞれの力を寄せ集めて力を合わせることで、それぞれが違うことをしてもOKです。
「共同」は共同募金のイメージで目的が分かろうが分かるまいが関係なく、みんなが同じことをすることという意味合いがあります。
これだけ色々なことが多用している時代に「みんな同じこと」は無理がある。1つの目的を達成するためにそれぞれの得意なことやできる範囲の力を合わせる、なんか素敵!

ダラダラ書きましたが、患者さんとの関係を考えようとする時、まず患者さんの話を聞くことが大切なのかなと感じました。

娘が二人いるので、よく「将来、金髪で超チャラい彼氏を連れてきたらどーする?」的な質問を友達にされます。
今までは、「会わない」とか「はったおす」などと言っていた私ですが、とりあえず「まず話を聞いてみる」と言えるパパになりたいなと(笑)
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