オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

このブログについて

はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

効率的な英語の勉強法

2017-05-17 16:14:44 | 倫理
皆さんは英語は得意ですか?

私は、はっきり言って苦手です。
高校現役の時の英語センター試験は、なんと70点でした。
200点満点中70点ですよ、ヤバイですよね(笑)

でも、世の中の論文はほとんど英語です。

専門看護師の役割は、看護協会のホームページ に6つ挙げられています。

1. 個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
2. 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3. 必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4. 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。(倫理調整)
5. 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6. 専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。(研究)

6つの役割の中心となる考え方は、“患者さんに対して最善のケアを提供する”ことに集約されます。
つまり、EBN(Evidence-Based Nursings)です。

EBNという名称のエビデンスという響きから、研究で明らかになっている看護をやっていこう、という考え方だと勘違いされがちですけど、EBNはこの図のように「エビデンス」「患者の意向」「臨床経験」「資源」の4つの要素を総合的に判断して決定されるものです。

Dicenso, A., Cullum, N., Ciliska, D. (1998). Implementing evidence-based nursing: Some misconceptions/ Evidence-Based Nursing, 1, 8
どんなにエビデンスレベルが高い研究があったとしても、患者の意向に沿わなければ、行える環境がなければそれは行うことができません。

しかし、だからと言って、エビデンスを軽んじるわけにもいきません。
卓越した実践をするためにも、相談された場合や教育する際にもエビデンスは重要です。
そして研究する際にも、論文を読んで先行研究を把握する必要があります。
何がどこまで明らかになっているのか把握できなければ、研究をすることはできません。

しかし、残念なことに世の中の論文はほとんど英語で書かれています。
英語が読めないと、専門看護師の役割を果たしていくのに支障が出そうです。。。


というわけで、表題の効率的な英語の勉強法としてスタディーサプリを始めました。
中学英語総復習から始めて、今は高校1年生の英語を勉強しています。
“月額980円で神授業が見放題”というキャッチコピーに嘘はないです。


予備校時代、新聞奨学生として配達をしながら東進ハイスクール津田沼校でビデオテープを見ていましたが。。。
15年で時代は大きく進んだようです。
効果のほどは、また定期的にアップしていきたいと思います。


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ICUにおける身体抑制を考える

2017-04-23 00:11:32 | 倫理
クリティカルケアにおける身体抑制はクリティカルに!


久しぶりの更新です。

本日は身体抑制について考えます。
みなさんは、そしてみなさんの組織では身体抑制についどのように考えていますか?

2000年4月に施行された介護保険法では身体抑制が原則禁止されて、厚労省は「身体拘束ゼロ作戦」の推進を表明し身体拘束ゼロの手引きを出しています。

基本的人権や人間の尊厳を守る観点からも身体抑制は最小限にした方がいいことは言うまでもありません。

しかし、一方で私たちの働くICUなどのクリティカルケア領域では、生命の危機的状況にある患者が多く、安全を守るためにやむを得ず身体抑制を行っている現状があるのも事実です。

2013年にJSEPTIC看護部会が全国94施設のICU/CCUに行ったアンケート調査では、覚醒をしている気管挿管患者に対し、75%以上抑制をしていると答えた施設は約45%であり、ルーティンに抑制が行われている現状があるとしています。

Intensive Care Nursing Review,1:p76,2014


このような、抑制をゼロにしたいという理想と、出来ていない現実のギャップに苦しんでいる看護師は多いのではないでしょうか。

日本集中治療医学会看護部会はこのような身体抑制についてのフローチャート を作成しています。

このフローチャートからも、抑制の必要性を考えることが強調されていると感じます。

大切なことは、患者の側から世界を見る視点を持つことだと考えます。
挿管されている患者が鼻を掻く時、看護師にはどのように見えるか?
きっと、挿管チューブを抜こうとしているように見えるのではないでしょうか。
それを止めようと駆けつける看護師は、患者の目にはどう映るのでしょうか?

想像してイラストを描いてみました。
こんな感じかもしれません。

身体抑制に対しては思考停止することなく、信念を持ってクリティカルに考えることが重要なのではないかと考えます。

今回の内容は看護技術の5月号で事例を交えて執筆させていただきました。

是非、一読していただけると嬉しいです。


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高濃度酸素投与の弊害(~_~;)2

2017-02-19 21:34:08 | 倫理
2012年に自分が書いた記事で 高濃度酸素投与の弊害(~_~;)というのがありました。
あれから早5年。
この前、ICUの抄読会で ICU患者に対する酸素投与についての発表があったので、ここで紹介しますね。

論文はJAMAの2016年10月に発表されたものです。
Effect of Conservative vs Conventional Oxygen Therapy on Mortality Among Patients in an Intensive Care Unit: The Oxygen-ICU Randomized Clinical Trial.

目的は、
“ICU患者において、控えめな酸素投与(SpO2:94~98%)は従来の酸素投与(PaO2≦150mmHgまたはSp2:97%~100%)と比較して、予後を改善するのか”
を明らかにすることです。

介入は

SpO2とPaO2を指標にして、酸素投与を控えめ群と標準群それぞれで調整することです。
RCTで行われています。

結果は、控えめな酸素療法を行った群が生存率を有意に改善するといった内容です。


とても面白い結果だなぁと思いました。
この研究を根拠に必要以上の酸素投与は弊害があることを言ったら説得力はありそうです。
しかし、Editorialにあるように手放しに控えめな酸素療法がいいというわけにもいかないと思います。


そして、The ANZICS Clinical Trial GroupからのPilot studyでは、控えめな酸素療法に関して、本研究と異なる結果が示されています。
Conservative versus Liberal Oxygenation Targets for Mechanically Ventilated Patients. A Pilot Multicenter Randomized Controlled Trial.
人工呼吸器管理を必要とする患者で、制限のない酸素療法と比較して控えめな酸素療法の実現可能性を検討することを目的に多施設RCTを行っています。
方法は、控えめな酸素療法(SpO2:88~92%)群と制限のない酸素療法(SpO2:96%以上)群での比較です。

そして結果は、

控えめな酸素療法は生存率に改善効果はありませんでした。

この二つの研究では、有意差があった最初の研究はPaO2が控えめと従来群で(87 vs 102 mmHg)に対して、有意差がなかった後の研究は(70 vs 92 mmHg)という違いはありますが、この結果を踏まえると一概に“控えめな酸素療法を行った群が生存率を有意に改善する”と言い切るのは危険な気もします。

個人的に思うこととしては、酸素は過剰でも不足でも良くなさそうなので、ベットサイドの看護師には細やかな観察と、患者に適した酸素を提案していくことが求められるのではないかと思います。

先月、後輩の看護師が呼吸療法認定士 に受かりましたと嬉しい報告をしてくれました。

この本は本当に1日で面白く読める本なのでオススメですよー
受かった後輩も絶賛しておりました(^-^)

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ECMOの回路をクランプするときは脱血側?送血側?

2017-02-14 15:03:16 | 倫理
ICUには「人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療」を行うことができるECMO(エクモ)という装置があります。

ちょうど今日、ECMO装着中の患者さんを受け持つトレーニングを始めた後輩看護師からこんな質問を受けました。

「ECMOの回路をクランプするときは脱血側ですか?それとも送血側ですか?」

疑問をそのまま放置しないことはとてもいいことだと思います。
聞いてもらえる存在であることは嬉しいですね!

答えを伝えつつ、考え方や問題解決の方法を一緒に考えてみました。

まず、脱血管と送血管内の圧力がどうなっているか考えると答えは導き出されそうです。
ECMOは遠心ポンプによる揚程で動脈圧に負けない圧力を作り出します。
揚程とはポンプが駆出できる圧力の事です。
人工心肺の業界ではポンプの吐出圧≒揚程と考えて良いそうです。

ECMOをウィーニングしていくときに、回転数を落としていく際は、遠心ポンプの揚程が動脈圧に負けないようにすることは大切なポイントです。
じゃないと、動脈圧に負けてしまいます。
回路内は逆流を防止する弁などはないので、遠心ポンプが止まってしまった場合は、逆流が起きシャントとなってしまうので、鉗子で遮断しないといけないわけです。

話を戻します。


脱血管は陰圧、送血管は陽圧です。

脱血管で注意すべきことは、回路内に空気が混入しないようにすることです


陰圧である脱血管がキンク(折れ)やクランプするとキャビテーションによる空気が発生します。
キャビテーション とは、「液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象(By ウィキペディア先生)」です。


逆に送血側は強い陽圧となっているので、出血に注意です。


ということで、最初の後輩の質問です。
「ECMOの回路をクランプするときは脱血側ですか?それとも送血側ですか?」

答えは『送血側』ですね。

ウィーニングの際に鉗子を使う際は間違っても脱血側をクランプしないようにしましょうね。

今回のスライドはうちのスパーCEが勉強会で使ったものを一部紹介しました。
ネットでも観れるので興味がある方はそちらをご覧ください。

オススメの本も載せておきます。


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...今回は間に合わなくってすみません。。。

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** おだんごナース(クリティカル・ICU編)

コミュニケーションについて真剣に考えてみる

2017-02-05 23:50:52 | 倫理
この本は、以前に紹介したクリティカルケア領域で働く看護師の入門書であり、道に迷った時の拠り所にもなる大変オススメの本です。


この本のサブタイトルに『“声にならない訴え”を理解する』とあります。
本文を一部抜粋すると、
”クリティカルケア領域において、多くの患者は意識障害、鎮静下にあり、適切に自身の症状の変化を訴えることができません。私たちはその訴えを、声ではなく、様々なモニター、生理学的変化から察知しなければなりません。耳を傾けるのではなく、積極的に訴えを察知するのです。この訴えを察知する能力こそ、クリティカルケア領域の看護師に必要な、特徴のある能力だと思います。”(クリティカルケア看護入門P28)

つまり私なりの意訳をさせていただくと、ICUの看護師は見聞色の覇気を身につけるべきだということになります。

ONE PIECE 61 (ジャンプコミックス)
見聞色の覇気とは、週刊少年ジャンプで連載中のONE PIECEという世界一売れている漫画に出てくる能力のことです。
海賊王ゴール・D・ロジャーは万物の声を聞くことができたそうです。
ぜひうちのICUに来ていただき、ご教授していただきたいところです。

しかし、覇気を身につけるのはなかなか難しいわけで…。

そこで、ICUでのコミュニケーションについての論文を読む機会があったので紹介します。

ICUでのコミュニケーションの大半は、Yes/Noシグナルが一番多いようです。
いろんなツールがありますが、あまり使われていないようです。

今回、Critical Careの Communicating with conscious and mechanically ventilated critically ill patients: a systematic reviewという論文でこのようなアルゴリズムが紹介されていました。

確かに、ペンと紙があれば書ける患者に対し、Yes/Noや口パクで対応している光景はよく見ます。
このアルゴリズムだと、うちのICUでは設備として持っていないことが多いので、コミュニケーションツールとしての引き出しを増やしていく取り組もはしていった方が良さそうだと感じます。
とりあえず、ICUで電気式人工喉頭(EL)は簡単に試せそうなのでトライしてみます。

今回紹介したアルゴリズムの論文を 抄読会で紹介したので、興味がある方は是非見ていただいてご意見いただければ幸いです。

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