さて。
暗転ののち。
痛々しい顔が大写しになります。
メイクとはいえ、目を覆いたくなる傷。
半開きの口から見える歯。
生きてるの?死んでるの?
・・・・・・生きてるのは分かってます、はい(笑)
身体がゆさゆさ揺れてる理由は、おっさんが必死に靴を脱がそうとしてたからなんだけど。
あれ?茂雄、Tシャツ?上着は?
おっさんが着てる薄汚れたやつ、茂雄の?
え、うそ。
寝転がってるやつから真っ先に上着脱がせたの!?
どうやって???
しかも血で汚れたそれ、よくまあ着られるよね。
などと考えてる間に、
気づく茂雄。
あ。
もうこの時点では茂雄は消えちゃってるわけなので、以降ポチオと呼びますか。
名づけられるのは、もうちょい後だけど。
気づいたポチオは、おっさんに声をかけるでもなく。
しれーっと立ち去るおっさんを見送る、この表情。
もうここに、茂雄の影はなくて。
そこにいるのは、「無」に近いポチオが生まれた瞬間。
この表情。
笑うでもない、怒るでもない、
今ある状況をまんま見つめてるだけの表情ができるコだったんだって。
あらためて知ることになりました。
立ち上がるポチオ。
この猫背加減が、また愛しいんだよねぇ。
こちらを見て、何かをみつめて歩き出す。
片足だけ靴はいた状態で、ひょこひょこと。
血に汚れた顔とTシャツ。
痛々しくて。
この歩き方も、ね。
歩いてるんだけど、歩いてないというか。
何かを探してるようで探してない、あてがないようで行きつく先があるみたいな。
不思議な歩き方。
歩を進めるうちに街灯の影に入って顔が隠れていくのも、
このまま消えてしまいそうにもなる。
でもあれだけの日中から、すっかり日が落ちて暗くなってしまうまで。
あの道路端で、誰にも気づかれることなく転がってたことに驚くんだけど(笑)
お顔洗ってるポチオ。
この時の、Tシャツの袖と腕の細さのバランス!
いいわぁ。好きだわぁ。
顔上げて、「誰、誰や?」って鏡の中の自分に問いかけるポチオ。
自分の顔、触って確かめて。
それでも分からなくて。
余談だけど、
これ見た時。「あ、猫!」って思っちゃいました。
うちのネコにゃが初めて鏡の前に来たときと、動きがなんだか似てたから(笑)
不安そうなのに、なんだかいかにも掴み掛っていきそうな強い瞳。
何を思ってたんだろう。
場面変わって、日中。
蝉の声と、見下ろす二人の子供。
その視線の先には、遊具の下、地面に紙の束を枕に横たわるポチオ。
えー(^_^;)
紙あるなら、敷いたらいいのに。
枕にしてるだけって。
そう思ったのは、何回目だったかなぁ(笑)
目覚めたポチオ。
後ろむいて駆け出す子供。
「生きてたー!」って。
おいおい(笑)
子供同士で確かめに来たんかぃ!
しかも、なんで綿菓子の棒、捨てたの?
ゴミ、捨てたらだめじゃん。
って思ってる矢先、その棒を手に取り匂いをかぐポチオ。
これ、初見の時、食べるんじゃないかと思ってひやひやした(笑)
でも、とりあえず匂ってみるあたりは、やっぱり猫(笑)
どこからか聞こえる音楽に反応するポチオ。
えっと。
Tシャツの血、薄くなってますけど?
洗ったの?ねえ、ポチオ、洗ったの???
顔洗ったあと、それ脱いで洗ったんだとしたら、激カワだけど(笑)
まあ、そんなこともないのは分かってるし。
リアルは追及しちゃいけない、この場合((´∀`*))ヶラヶラ
で。
音の正体、というか。
赤犬さんたちの演奏。
これが妙に。
初めて聞いたにしては、私の耳に馴染んでくるのは、
これが歌謡曲だから?昭和なムード歌謡だから?
しかも、この声、いいわぁ。
歌ってるご仁は、ちょっと私の趣味とはズレるけど(笑)
白昼ではありますが。
このムード歌謡に合わせて、なんとなく手を取り踊ってる風景っつーのが、
昔ねー。そうねー。こうだったわよねー。
懐かしいわ―。よく相手させられたわー。
我が家のカラオケ部屋で(笑)
で、セーラー服の背中。
カスミ、これ、バンドの時のマネージャーの衣装なんだねー
・・・っていうのが分かるのは、全編見終わったあとくらいなんだけど、
カスミは若い、ってのを印象づけるのには十分。
しかも、この脇にいる女の子、いいよね。いるよね、こういう子。
大人が仕事してるのを、とにかく好奇心で見てくる子。
見られてる方は、ちょっと邪魔くさいなって思うけど、
手も出してこないし、ま、いいか。くらいで、そばにいるのを許されてる子供。
←・・・はい、すみません。結構、そういう子供だったかも(笑)
歩いてくるポチオ。
この背中がまた、猫背。
何度もいうけど、猫背。
このあたり、ポチオなのに「すばる」(笑)
いやん・:*:・(*´艸`*)ウットリ・:*:・可愛い、ほんと、可愛い。
背中、汚れてないなー・・・って。
ツッコんじゃダメですよ。
猫ですからね。
身体、舐めなめしてキレイにしたんですからッ!
←・・・猫、を主張してるけども。ポチオって、犬の名前(笑)
音に吸い込まれるように広場の裏手の階段あがって。
そこに広がる人だかり。
じーっと見てるポチオが数歩移動したあたりで、バンドの人がポチオに気づいてるけど。
ポチオはそのまま、ぐるっと一回転して周囲を見渡す。
人々のざわめきと音楽と、場所と、合点がいったのかいってないのか。
←いってないだろうことは分かってますが。
ボーカルからマイクを奪い取るポチオ。
この行動、あまりにも唐突。
んでもって、倒れちゃう?そこ。そんなに乱暴にひったくられたの!?(笑)
意外に力、強いの?ポチオ。←違う(笑)
異変にざわめく会場。
カスミも気づいてテントから出てくる。
異質なものを見る、怪訝そうな目。
マイクを口に、歌いだすポチオ。
映画前に、もう何度も予告で見たし聞いたし知ってるし。
言っちゃえば、来る来る、来る、来る!って身構えたシーン。
なのに。
スクリーンで見たら、ほんと衝撃。
一発で目が離せなくなるし。
ぎゅうううんって心臓に飛び込んでくるし、動けなくなるし、
息すら忘れるくらい。
消えた「茂雄」がした自己主張。
この時の、この歌声は。
あとあと、カスミに「歌え」って言われた時のポチオじゃない、
「茂雄」であることの証明みたいなもの。
で、そのまま意識失って倒れるポチオ。
え、いや、ちょっと。
うわ。
もう、気分はその夏祭りにいる観客と一緒ですわ。
声が消えて、はッ!と我に返って、
倒れたことに驚いて、
「なに、なに、え?え?」な状態(笑)
・・・・・・でも、そこ。
もしかして、まだボーカルのタカアキさんも倒れたままだたり・・・します?
・・・っていうのは、ぼんやり思うところではあります(笑)
んーーーっと。
ここまでで11分過ぎました。
まだいけますか?
飽きてませんか?
シーン変わるんで、いったん切りましょうか。