MIPPより

MIPPのサイト、今まで気がつきませんでしたが日本語の会社案内のページができています。

日本語会社案内
それなりに重視されるほど日本からの引き合いも多いということでしょうか。

> できる限り広いレンジの旧ソ連の国々で出版した本や定期刊行物を引き渡すという目的を持っています。

ならば是非「ARCHAEOLOGY, ETHNOLOGY & ANTHROPOLOGY OF EURASIA」の購読を
仲介してください(涙)。送金とか手続きがやっかいで未だに実現せず・・・


そんなこんなで、頼んでいた本が五月雨式に届いています。
ある程度オーダーがまとまったら倉庫に探しにいく、という対応だろうなぁと
思わせる反応速度ですが。
MIPP自身じゃなくて契約先の各地の古書店だろうと思うのですが・・・どうかな。

まずはチュコト地方西部の考古学を扱った本。
チュコトカの
石器時代(2004)

ティティル(TyTyl)湖やエルギギトゥギン(Elgygytgyn)湖等西チュコトカを
代表する遺跡についての情報や、この地域に分布していたイムィヤフタフ文化
(の北方バリエーション)とユカギール民族の起源問題との関係を扱っています。

お次は広く北はチュコトカから南はサハリンまで、極東地方の考古学本。
北部極東地域の
新石器時代・初期金属器時代

画像はベーリング海峡沿岸、チュコト半島南東端の遺跡の分布です。
炭素年代でおよそ紀元前5000年代の数字を出しています。

最後に一番期待していた、ヴォルガ=ブルガールと西シベリアの交易を仲介していた
カマ川流域についての考古学。
カマ川流域の交易路
図は10世紀から13世紀頃のカマ川周辺地域です。
一目瞭然ですが、カマ川からはかなりの量のヴォルガ=ブルガールからの
将来品が出土しています。図右側の三角の集中地帯がロモヴァトヴォ文化、
ロダノヴォ文化と発展してコミ=ぺルミャク集団へと続いていきます。
真ん中辺に小規模に集中しているのが後のウドムルト集団。
いずれもその成立にはブルガールとの交易が重要なファクターになっていたようで。

本書は8世紀から13世紀にかけてのこの地域を扱っていますが、
ヴォルガ=ブルガールの影響に加えて、西方からのルーシ、ロシア人の流入、
さらに西方フィン系諸族の流入がこの地域の民族集団形成に大きな影響を
与えたことが記述されています。

今ひとつ実態のさだかでないヴャトカ共和国ですが、これもその流れの中で
図中左のビャトカ川屈曲部に流入してきたロシア人を中心に形成されたもののようです。

ようやくこのあたりの位置関係や時代の流れを把握できそう。


#2月からお客さんのビルに常駐です。
#今まで以上に更新が滞るか、それとももともと滞っているから見た目変わらないのかは謎です(^^;;
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