古代アジアの青銅器文化と社会

直前ですが、歴博にて標記国際シンポジウムが開催予定。
古代アジアの青銅器文化と社会-起源・年代・系譜・流通・儀礼

平日の1日目は
15:50~16:30 : 北方ユーラシアの青銅器文化 高浜秀(金沢大学)
16:30~17:10 : 長城以北の青銅器 宮本一夫(九州大学)
17:10~17:40 : 小黒石溝遺跡と出土の青銅器―遼西青銅器文化の墓―塔拉(内蒙古文物考古研究所)

と草原者にとってはうれしい内容なのですが、いかんせん参加は無理です(涙)。
北方ユーラシアとは言え、モンゴル高原を中心にした話になるのでしょうか。
万が一にでも北ユーラシア、森林地帯以北の青銅器文化だったりした日には
立ち直れませんが・・・・

2日目に「ロシア沿海地方と周辺の青銅器時代」をはじめ、遼東半島、朝鮮半島、
さらに日本との対比に関する議論などがあるのでこちらは参加してみようかと。
先着順なので今から申し込んでどうか、というのはありますが。

さて、参加の場合は佐倉から関内まで大移動となりますね。
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天台宗の東北利権と摂関家・大陸情勢

歴史評論
2006年12月号



「延暦寺と中世社会」という本があったので手にとって見たのですが、
そこで目に留まったのが上川通夫氏の論文。

延暦寺といえば言うまでもなく天台宗。
天台宗は東北地方への仏教浸透を担った、朝廷の東北経営とも関係の深い
存在ですが、宗教面だけでなく物流や情報の流れを支えるインフラとしての
役割も果たしていたと思われます。

そもそも延暦寺の立地自体が北陸方面から琵琶湖の内水航路を経て京都とを結ぶ、
交易路のターミナルとして重要なポイントとなっています。このことが後に
信長による焼き討ちの要因の一つになっていくのですが、それはさておき。

この天台宗が朝廷によってそのような役割を与えられ東国への教線を拡大
していったのにはどんな理由があったのだろうとずっと疑問に思っていましたが、
その背景となる中世仏教としての天台宗の変容・発展の要因を
呉越国との外交を領導していた摂関家が、呉越国王の依頼により
天台宗を重用するようになったことによる、と主張しているのが上記の上川氏です。

呉越国は杭州を都として五代十国の時代に栄えた国ですが、東シナ海交易圏、
南シナ海交易圏を股にかけた海洋交易国家としての性格の強い存在です。杭州から
北に延びる大運河とそれに接続する長江、黄河、日本に延びる交易網も
考慮すればまさに「アジア世界の十字路、ハブ」と言ってよいでしょう。

当然摂関家はこうした情勢を踏まえて呉越国との外交を行っているわけで、
天台宗支援要請に応じたのも交易という実利が伴ってのことと思われます。
そういえば日本へ延びた海上交易路のターミナル、淀川を遡り巨椋池の東端に
宇治の平等院があることは非常に象徴的です。

呉越国は仏教を奨励し、天台宗開創の地、天台山を抱えていたがために
このような要請を行ったのだとされていますが、往時においては教団こそが
交易活動の主体の一つであったことを考えれば、さらに国家レベルとは別に
仏教僧同士の交流が活発であったことを考えれば、一連の出来事は

多国籍商社の本社(天台山)がグループ企業(延暦寺)に対して東国・東北利権をはじめ
各種の便宜が図られるように政治レベルで呉越国から日本に対して働きかけさせた


という穿った見方もできないではありません(^^;;
今でもよく見る構図ですね(笑)。
突拍子もない単なる思い付きですが。少しは調べてからモノを言え>自分

中世仏教の成立なんて、それだけで一生仕事になりかねないので足を突っ込むのは
ためらわれますが、「交易と仏教と国際環境」ということで非常に面白そうです。

特に昨年の日本史研究会では上川氏も基調報告を行ったシンポジウム
中世仏教の国際環境」が開催されていました。

 上川通夫 日本中世仏教の成立
 横内裕人 自己認識としての顕密体制と「東アジア」
 古松崇志 考古資料・石刻史料よりみた契丹(遼)の仏教


どれも概要を見ているだけで何杯もオカワリいけそうです。
シンポジウムの資料集なり、このへんをテーマにした書籍なりが出てきてくれることを
祈っています。

仏教を軸とした国際環境、ということでは特に渤海や契丹といった東北方面の仏教の
あり方についても知りたいところですね。そういう意味では下記の書籍も欲しいところです。
やっぱり高くて保留状態ですが・・・・
草原の王朝・契丹国〈遼朝〉の遺跡と文物
―内蒙古自治区赤峰市域の契丹遺跡
 ・文物の調査概要報告書2004~2005


勉誠出版

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ということで、上川氏の最新の論文が出ている歴史評論12月号だけ買ってきましたとさ。
これはこれで面白く、特集の「古代東アジアの交流と人・モノ・文化」もさることながら
「宣教師史料から見た日本王権論」が興味深く。
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購入文献、購入希望文献

久しぶりに出向いた池袋ジュンク堂にてバシキール本を見つけるも高いので一旦保留。
ロシア帝国民族統合史の研究 植民政策とバシキール人」豊川浩一著
税込9,975円也。
Ⅱ ノガイ・オルダ、カザン・ハン国およびシビル・ハン国支配下のバシキーリア
 1 ノガイ・オルダ支配下の南東バシキーリア
 2 カザン・ハン国支配下の西・北西バシキーリア
 3 シビル・ハン国支配下の北東(ウラル以東の)バシキーリア

とか
Ⅰ カザン・ハン国の崩壊
 1 一六世紀モスクワ国家をめぐる国際環境
 2 モスクワ国家とカザン・ハン国
 3 カザン・ハン国崩壊後の沿ヴォルガと南ウラル

辺りが一番興味があるものの、その後の話も是非読みたいところ。

で、結局買ったのは下記2冊。
内陸圏・海域圏交流ネットワークとイスラム

森川哲雄、佐伯弘次編

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ジュンク堂
歴史評論
2006年10月号



「内陸圏~」の方は
 舩田善之「「西安清真寺洪武25年聖旨碑」から見た元明期中国ムスリムの変容とネットワーク」
 高栄盛(小野裕子 訳)「シハーブッディーンと元代の行泉府司」
 陳尚勝(都甲亜沙美 訳)「明前期の海外交通と海外ムスリム商人」

といった、元明両王朝時代を通じて機能していたムスリム商人による交易ネットワークと王朝との関わりについての論文が非常に魅力的。個人的にはこの辺りから歴史の世界に足を踏み入れたので・・・

 服部英雄「博多の海の暗黙知・唐房の消長と在日宋人のアイデンティティ」

これも興味深い。
中世日本における宋人商人の動きというのは是非知りたいところではありますが、
この論文はそうした在日宋人が世代を重ねるごとにどのように
アイデンティティを変容させていったかを考察したもの。
挙げなかったものにも14~16世紀の朝鮮・北九州間の交易活動に
関するものなどがあり、これだけ面白いものばかり集まって2100円というのは
お買い得といえましょう。

「歴史評論」10月号は「平泉・衣川・北奥の遺跡群と北方世界」特集。
 北方世界のなかの平泉・衣川 ―日本史における「北」の可能性― 斉藤利男
 「都市平泉」像の再構築 ―新発見・衣川遺跡群の視点から― 菅野成寛
 「衣川遺跡群」とは何か ―前平泉と平泉の接点― 及川真紀・福島正和
 南北奥羽の居館遺跡と平泉政権 羽柴直人
 北日本における古代末期の北方交易 ―北方交易からみた平泉前史― 鈴木琢也
 北奥の巨大防御性集落と交易・官衙類似遺跡 ―平泉誕生の前史― 三浦圭介

それ程興味の無い方でも是非斉藤氏の概説だけは読んでいただければと。
安いし場所とらないから買っていただくのが一番ですが。

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サーミとイヌイット

「BÁIKI」というサーミに関する英語雑誌があることを今日になって知りました。

「BÁIKI」のサイト
The International Sámi Journal is a major English-language source of information about Sámi arts, literature, history, spirituality, and environmental concerns. It also covers news of North American Sámi community events.

サーミといえばスカンディナビア半島北部からコラ半島にかけて住んでいるものと
ばかり思っていたので、この雑誌の発行地がアラスカであるというのを知って
狐につままれた様な感じでしたが、サイトを読んで納得。

北欧から北米への移民の中にノルウェー人やスウェーデン人という括りで
入植したサーミが大勢いたのですね。全く知りませんでした。
数自体は北米へ流入した全人口からすると微々たるものでしかありませんでしたが、
サーミの人口に占める割合としては、現在5万人とも言われる北欧のサーミに対し、
3万人の子孫が北米で暮らしているというのですからかなりのものです。

イヌイトに対してトナカイの大規模飼養に技術を伝えるという役割を果たし、
今もなおその多くが北の大地アラスカやカナダに住むという彼ら。
同じ環極北地域の東西に最も隔たっていたサーミとイヌイットの意外な
つながりをもっと知りたくなりました。
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業務連絡

ということで、「西夏史への招待」の武藤さんが上京されるのに合わせて
迎撃イベントを企画したいと思います。

12月2日の前夜祭は中華街で関帝廟を見ながら満洲やサハリンにおける関帝信仰について
熱くトークをかましつつ(゜д゜)、酒食にふけりながら満族袍服の裔であるところの
チャイナ服を研究者ばりの鋭い眼光で観察(おいおい)。

翌12月3日は中近東文化センターの企画展「古代ユーラシアの青銅器」を
見に行くという案を提唱しますが特に決まっていません。乞うご提案。
で、夕方からは時代屋に場所を移して茶屋でだべる。ひたすらだべる。
その後呑み屋に移行しつつ、武藤さんをお送りする、というような感じですかね。

いかがでしょうか。
参加ご希望の方はご連絡ください。
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中央ユーラシアの青銅器時代

#始まってからだいぶ時間が経っていますが・・・

中近東文化センターで下記の催しが開催中です。

企画展:古代ユーラシアの青銅器
本展覧会では、中国青銅器63点、中国北方の青銅器12点、中央ユーラシアの青銅器4点、インドの青銅器5点、イランの青銅器83点、メソポタミアの青銅器9点、レヴァントの青銅器9点、アナトリアの青銅器10点、総数195点の青銅器を展示

ということで中近東の青銅器は当然として、もう一つは中国の青銅器が中心。

古代ユーラシアの青銅器」と言うからには中央ユーラシアの青銅器が
もう一桁多くあってもよさそうなものですが、そもそも中近東文化センターなのですから
これでも望外の喜びとすべきでしょう。
むしろ「ユーラシア」をその名に関する「横浜ユーラシア文化館」がその辺り
がんばって欲しいところですが、どうなんでしょう・・・

といいつつ、実は一番期待しているのは併催する講演会の中のこの日の題目。

第9回 2月4日(日)
 中央ユーラシア中部の青銅器 
    畠山禎(横浜ユーラシア文化館学芸員)


その前の回の川又先生のも聞いてみたいところですが正直内容がはっきりしない。
その点、「中央ユーラシア中部」ですからね。
これはもうアンドロノヴォ文化をテーマに話してくださるのではないかと
勝手に期待値が高まるばかりです。
セイマ=トゥルビノ文化も出てこないかと密かに期待しています・・・
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神保町うろうろ+歴史サロンのお誘い

いい加減時期を逸していますが、先々週末は神保町の古本祭りに行ってまいりました。
以下、今回の戦利品。しょぼい。
予算も無いのと既存の未読本に専念しないと、というのもあり。〆て3400円也。
ウラルアルタイ民族の人類学的考察

審美社


世界の先住民族7
北米


明石書店

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国立歴史民族博物館研究報告第40集


国立歴史民族博物館研究報告第44集




ウラルアルタイ民族の人類学的考察は「ツラン民族圏」の今岡十一郎氏の手による訳本。
中身よりも、新本で400円という安さに衝動買い。

興味の対象はエスキモーまで、と線を引いているのですが、隣接地域の情報は概論的な
ものであれば欲しいなぁと思っていたところに世界の先住民族7 北米が半額セールに。
迷いましたが一回りしてめぼしい本がなかったので購入。2400円。

あとは歴博の研究報告が一冊300円で投売りだったので興味深いところをつまみ食い。
この分厚さで300円はお買い得・・・・とはいえ、ものは10年程前のものですが。
40集には「サケをめぐる宗教的世界」と「長江と黄河 -中国初期農耕文化の比較研究-」が収録され、44集は「東国における古墳の終末」特集。上毛野氏関連の論文も収録。手持ちの「東日本における古墳の出現」と対にして読むかな。

巻き狩り後、「突厥が好きっっっ!」の雪豹さんと落ち合って「ひもの屋」で呑んだのですが、
問題は神保町から移動する途中で見つけたこの本屋さん。

歴史時代書房 時代屋

いくら「ニッチでも成り立つ街・東京」といえど、よくもまぁ歴史関係の書籍だけの
本屋さんを作ったものです。古書店ならそういうのもあるでしょうが、
ここで扱うのは主に一般向けの歴史書籍。ずらりと並ぶ時代小説に歴史漫画、
やや専門書的なものも含めて歴史書の品揃えも充実しています。
もちろんジュンク堂池袋店の歴史書コーナーなんかには及びませんが、
それでもヨドバシアキハバラの上にある有隣堂と八重洲ブックセンターの
間位の品揃えです(微妙な喩えを・・・)。

日本ではじめて、『歴史時代書房』と銘打った専門書店。いわゆる『専門』と銘打っている堅苦しい書店ではなく、ゲームあり、遊びあり、茶屋もありのエンターテイメント型の書店です。時代・歴史マニアはもちろん、そうでない方でも楽しめる新しいタイプの専門書店です。

とあるように様々な関連グッズやDVD・CDも扱っていて、店全体の品揃えからすると
有明の某イベントの歴史サークル参加者向け」と表現するのが一番
ぴったりとくるように思えます。店員のお姉さんも茶屋を意識した和服ですし。

その意気やよし、とばかりに挨拶代わりに「ちょんまげ天国」を購入。

前振りはここまでにして(!?)、実はこの時代屋さん2階に茶屋がありまして、サイトに
歴史・時代を語り合う、サロンとしてのご利用はいかがですか?事前の予約を頂ければ、お席のご予約や貸し切りを承っています。
とあるようにちょっとした集まりに使えそうな感じです。

ということで今度ちょっと歴史廃人の集まりでも開いてだべりませんか、とか
そういうお誘いだったりします。今回の本題は。
いかがなもんですかね?
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落選通知

が届きました。いやはや。抽選漏れだそうです。
しばりはなくなりましたが、原稿は続けようかと。

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