糸我峠を越えて 逆川王子

坂道を下りきり、少しだけ右に曲がったところに逆川王子があります。
ここは地形の関係で、川が海の方ではなく少しだけ山の方に迂回して流れています。



だから古くから逆川と言われてきたのだそうですが、地名としてはあまり縁起がよくないとして、村の名前は吉川になりました。
少し休んだら、方津戸峠を越えて湯浅です。



方津戸峠はなんの風情もない坂道ですが、湯浅の街は素敵なのでよっていってください。
私は帰りを急いでいたので、湯浅駅からすぐに帰りました。



今回歩いたのは初心者向けの道です。気楽にどうぞ。

糸我峠を越えて 夜泣き松

このあたりに昔夜泣き松があったという伝説が残っています。
と言っても、松が泣くのではないのでご安心を。



夜泣きで困っていた赤ちゃんに、この松の皮を燃やした煙をあてると夜泣きがおさまったというお話です。
もうその松はありません。



とても気持ちのいい道です。
吉川の里、逆川王子まではもう少し。

糸我峠を越えて 朝顔

歩く楽しみのひとつは道端の花を愛でること。
名も知らぬ花、なじみの花。



これは野生化して小さなおちょこのようになった朝顔。
最近よく見る宿根の大きな朝顔にくらべて可憐な風情。

糸我峠を越えて 民話の道

峠を下るとしばらくこんな道が続きます。
夜泣きを止めた松の木や、旅人が路銀を埋めた跡。



ここにはたくさんの民話が残っています。
真夏なのに涼しい風が通り抜け気持ちよく歩けます。



糸我峠には昔茶屋があったという話が残っていますが、今ではまったく信じられません。

糸我峠を越えて 湯浅を望む

最後の登り道を登り切ると、あれっと思うほど開けた糸我峠に出ます。
左に進むと雲雀山、右に進むと明恵上人修業の地東白上、西白上、施無畏寺へ、湯浅にはまっすぐです。



少しだけ降りたところに眺めの良いちょっとした空き地があるので、ここでお弁当を食べてもよし、休憩だけにして湯浅でしらす丼を食べてもよし。
さわやかな風が吹きわたっていました。