●報道によると、北海道洞爺湖サミットの経済効果が379億円と試算された。
●この試算は、北海道経済連合会が行ったもの。開催時の直接的効果が約118億円、観光客増加など将来的効果約261億円の合計でこれは昨年、日本一の北海道日本ハムファイターズが道内で行った日本シリーズまでの64試合の経済効果約222億円(北海道未来総研試算)を上回るという。
●試算は、2000年の沖縄サミットなどを参考にしており、開催費用を警備費140億円、仮設整備費20億円、外交団接遇費15億円、イベント費10円の計185億円と想定している。報道機関の支出を合わせた最終需要額は約189億円で、このうち道内に直接落ちるお金を約84億円と見積もっている。これに雇用者所得増などによる消費拡大を含めると、生産波及効果は約172億円となるという。
●サミット中は観光客が一時的に減少するとしており、沖縄サミットを参考にすると、道央地域を訪れる観光客が16万4千人、消費額が約27億円減ると想定。このマイナス波及効果約54億円を差し引くと、開催時の直接的効果は約118億円となるとしている。
●また、知名度がアップすることで、将来的な経済効果も期待されており、開催後の5年間で、千人規模の国際会議が年4回(消費額約13億円)、観光客が年平均0・3%(同約116億円)増えると想定し、これら将来的な経済効果が約261億円と試算している。
●報道からは、内訳がよくわからないが、サミットが近づくにつれ、警備が厳しくなり、期間中、一定のエリアは立ち入り禁止くらいの感じになるんだろうね。最近の開催時期を見ると、7月が多く、北海道は観光シーズン。サミットによる規制を嫌って北海道の他の地域の観光にも影響が出る可能性もあるかも。それはなかなか数字では計りにくいと思うけど。
●試算では、知名度アップによる将来的な経済効果を約261億円と見込んでいるが、これは約束されたものではない。サミット開催を生かして、いかに国際会議を誘致するかは、国際会議場や宿泊施設の整備といったハード面やコンベンションビューローの活動やホスピタリティなどのソフト面できちっとした取組を官民で計画的に行わなければ効果は出ないもので、今後の取組が重要となる。特に、これからオール北海道でコンベンションビューローとして活動していくスキームが必要になってくると思う。そして、これは観光客増についても同様と言えると思う。