●秋季全道大会のフィナーレとなる決勝戦。いわば守りと機動力の北海学園札幌×強打の鵡川。対照的な2チームの戦いとなりました。
●先攻は鵡川。こういう緊張しがちな試合は後攻よりも先攻を取って先制する方が最近はいいみたいです。鵡川が勝って先攻を選んだのかどうかが気になるところでしたが、案の定、鍵政投手はツーナッシングからファーボールで始まりあっという間の2失点。これが最後まで重たい2点になりました。
●西藤投手は昨日と打って変わって力のあるボールを投げ込み学園打線をことごとく詰まらせ内野ゴロの山。3回までは3者凡退と完全に押さえ込みます。
●鍵政投手も初回こそ緊張と警戒しすぎで制球が若干乱れましたが、その後は安定した投球。両校ともその後は1点ずつ取り合い3×1。後半は学園札幌も徐々に攻め込みますがファーストライナーで2塁ランナーが飛び出しゲッツーになる不運もあり、9回も先頭打者が出塁するもセカンドゴロでゲッツー。最後は三振でゲームセット。両校ともテンポ良く攻めて守り、中身もありながら試合時間はなんと1時間28分。近年まれに見るスピーディーな好試合、いわゆる「ナイスゲーム!」でした。
●鵡川打線はやっぱり迫力がありましたね。3点目は強力クリーナップを押さえた後に6番に3塁打を打たれた失点で威圧感が生んだ追加点と言えそうです。
●学園札幌は西藤投手の球威に負け最後まで捉えられず得意の機動力も十分発揮できませんでしたが、来年の夏に向け決勝戦を経験できたことは大きな財産でしょう。この大舞台でバントをしっかり決めることができたのも収穫です。守備はしっかりしているので、後は格上の投手のときにいかに力負けしないスイングができるかでしょうね。ワタシ的には鵡川よりも伸びしろがあるチームと感じていますので、一冬越えてどこまで成長しているか楽しみにしたいと思います。
●秋の大会に負けたチームはその日から来年の夏に向けて再スタートが切られます。鵡川に負けた北海、岩駒も夏の新チーム発足が遅かったにもかかわらずここまで来ていますので、来年は更にレベルアップした姿が見られるでしょうね。
●鵡川は、現時点では打力が群を抜いていますし、投手も右の本格派が2枚。神宮大会での活躍を期待します。できれば優勝して神宮枠をゲットしてほしいですね。
●学園札幌には勝ってほしかったけど、2000年以来の決勝進出もまたもや敗退。甲子園への道は近そうで遠いですね。選手個々の力は優勝してもおかしくないところまで来ていると思いますが、やっぱり決勝で勝つための「なにか」が足りないんでしょうね。それをこの冬にみつけてほしいと思います。