●今日の北海道新聞の報道によると、道は、夕張市に対し、赤字全額にあたる360億円を低利融資することで、総務省と調整に入ったとのこと。市場金利との差額は道が負担するらしい。
●夕張市の目論みは、毎年18億円を減らし20年程度で赤字を返済する考えだったが、前に指摘したように、金利が2%であれば、年間の金利返済だけで、7億2千万円。実質11億8千万円しか減らない勘定で、金利動向によってはほぼ永遠に赤字が減らない可能性があった。
●その意味では、今回の措置に係る予算案が道議会で議決されれば、夕張市にとっては大きな前進となる。しかし、このようなスキームは、いわば借金の切り離し措置で、このように緊急避難的に行うのではなく本来、国の責任で法律で制度として行うべきもの。破綻法制でもいわゆる債務調整、つまり債権放棄についてはまったく踏み込まずがっかりしたけど、すべて地方の責任でやれということにはならないはず。
●今回の措置も新聞報道では、0.5%程度で融資するということで、市場金利との差額は1%であれば、1億8千万円、2%なら2億7千万円が道の負担となる。財政再建中の道が全額をかぶるというのは許されないだろうと思う。