舟川柔道塾 塾長のブログ

舟川柔道塾の塾長である舟川 操が柔道への思いや柔道の極意を綴ります。

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埼玉栄高校女子柔道部の皆さん準優勝おめでとうございます

2019年03月21日 | ブログ
こんにちは、舟川です。
本松先生、小林大輔先生、栄高校の関係者の皆様、保護者の皆様、準優勝おめでとうございます。
優勝が目標だったでしょうから、おめでとうと言ってはいけないのかもしれませんが、お許しください。

本松先生とわたくし舟川の関係は、元警視庁第四機動隊の先輩後輩の他、たくさんあるので話が長くなるのでやめておきます。
とにかく、本当に選手のみなさん、頑張りましたね!
何でこんなに嬉しいかと言えば、舟川柔道塾の道場を栄高校の女子柔道部の皆さんに週2回稽古に使用して頂いているからなのです。
舟川柔道塾の道場にも多少は勝負運が残っているのかな?
いや失礼しました、そう思いたいだけです!
本松先生、そしてあとを受け継ごうとされている小林大輔先生の指導は温かい!そして厚い!
舟川柔道塾の子ども達もお姉さん達のエネルギーを吸収して欲しいと願っています。

23日(土)のテレビ放送楽しみです!



善悪のわかる子に育てたい ②

2019年02月14日 | ブログ
 善と悪がわかる子に育てたいと考えながら、子どもたちの指導にあたっています。
整列をして神棚に礼をして、お互いの礼をして、出席をとってから体操。その後は回転運動をしたり受け身をしたり。どこの道場でもしている当たり前のことをしながら打ち込みをして乱取り稽古。
 その時間のなかで、しっかりと体操をしていない子がいたら「怪我をしないようにしっかり体操をしなさい!」と注意をしたり、「受け身をした側の足をもっと伸ばしなさい!」と声をかけたり。「打ち込みの時に釣り手をもっと上げなくちゃだめだよ!」とアドバイスしたり。
 だいたい同じ子が同じ事を注意されながら何日か経っていきます。
 でもそれは善悪ではなく、人の話や注意を1回で理解して実行できる子とそうでない子の違いだったり、運動の能力に発達の違いがあるだけの事や、相手を上手く投げられないのはどこに原因があるのかに興味がなかったりするだけのことである。
 また、ある子は打ち込みの時におしゃべりがしたくなってしまう。どんな話をしているかはいつも近くにいないとわからない事だが大抵は柔道の技とは関係ない話をしているらしい。ある保護者は「うちの子が言うには6年生の先輩は打ち込みの時にゲームの事を話しかけてきて気が散るんだよ.」と言ってました。「先生、注意して下さい。」
低学年のまだ習い始めの時に、つい仲の良い子と組んで楽しくて少しくらいのおしゃべりは、それほどの悪ではないような気がします。だんだん注意されて、集中してしなくては上手になれないんだ強くなれないんだと高学年になるにつれておしゃべりしなくなっていく。
 しかし高学年になってから入門した子は注意されていないし、指導者もまさか6年生にもなって打ち込み中にゲームの話をするわけがなかろう。そんな子が柔道を高学年になってから習いに来るわけがなかろう、と思っているからかあまり注意されない。しかし、こちらは悪の部類に近いのではないだろうか?なぜなら真剣に稽古しに来ている子の迷惑になる事である。
 また小学2年生くらいまでの子にたまにいるのが、少しでも腹の立つことがあるとお友だちに手が出てしまう子もいます。入門時からそういうふうに手が出てしまう子の大抵は指導者が注意しても直ってくれません。注意したその日は少しおとなしくなるが、次回の稽古の時にはもう忘れて手が出てしまいます。どうしたらそういう子は直るのだろうか?
 結局、善悪として考えたところ私は柔道の指導を通して、この悪と考えられる行動をする子を直せないで卒業させてしまった子も多かったのではと反省しています。
 ではどうしたらと考えたところ、いやしくも私は幼稚園の理事長を勤めているのですが、幼児期の教育を考えてみました。そして幼稚園や保育園の役割にも責任がありますが何よりも大事だと言われているのがやはり家庭での'しつけ'のようなのです。
 道灌山幼稚園の理事長をされていた高橋系吾先生の「マナーのいい子は親次第」という本を読んでいたら目を見張る事に出くわしました。
 親が子育ての長い道を進まれる過程で次のような道に分かれていくというのです。

[自立](一般的)→自立心、社会性、意欲、我慢、→我慢できる子、根気が良い子、自分でやる気になる子、明るい子

[放任](多子家庭、多忙の家庭)→無関心、無方針、放任→乱暴になる、いじめる子、きかない子、悪い言葉→少年問題、暴走族、集団暴力、いじめ、退学

[過保護](少子家庭、大人の多い家庭)→過期待、過干渉、過保護→わがまま、泣きやすい、孤独、依頼心→少年問題、登校拒否、いじめられ、家庭内暴力

 びっくりしました。だいたいあっていると思いませんか?
 各ご家庭にはいろいろな事情があるので、放任ぎみでも過保護ぎみになっていてもそれが悪いことではありません。この本にもありましたが、昔は家庭に祖父母がいて、長い育児の経験から助言を受けられたのです。
事実、私ども夫婦も共働きで、祖父母も高齢でしたから、子育てがうまくできたとは思っていません。
 ただこの本には幼児期にしつけが不十分なら、10才くらいまでは根気よく親が他人に対してのマナーを子どもの前で実行することによって子どもも自立の方向に軌道修正されるとありました。
 道場だけでは善悪のわかる子には育てることができません。是非ご家庭でも気をつけていただかなければと思います。
 善悪のわかる子に育つ→柔道の稽古を頑張ってするようになる→柔道が強くなる、強くなるだけではなく社会の役に立つ子に育つ、柔道以外の道に進んでも何事にも頑張れるようになる、のではないでしょうか?



 
 
 
マナーのいい子は親次第―しつけの第一歩は家庭から始まる
高橋 系吾
PHP研究所


 



善悪のわかる子に育てたい ①

2019年02月12日 | ブログ
嘉納師範は、柔道修行の目的は、攻撃・防御の練習によって身体を鍛練して強健にし、精神の修養につとめて人格の完成をはかり、社会に貢献することであると示されています。
柔道の目的を簡潔にまとめられていて、柔道を志す人や特に指導者でこの言葉を知らない人はいないでしょう。
昔、中学生の時に初段の筆記試験があり、文字のいくつかが空欄になっていて、文字をいれるような問題になっていたような記憶があります。
もちろん道場を19年前に創立するときは、嘉納先生のこのお言葉を胸に、「精力善用」「自他共栄」を旧大宮市の教育長だった町田先生に筆を執って頂き、道場の額に入れて現在も掲げさせて頂いています。
しかし何かそれだけでは足りないような気がしています。
いや、「精力善用」「自他共栄」を全て実践できていないような気がしてきています。
前回のブログで採り上げさせていただいた中里剛大君のような子も卒塾生には何人もいますが、そうではない子もいるからです。
以前、卒塾生が進学した中学の先生から、「〇〇くんて舟川柔道塾の出身だってねぇー!さすが舟川柔道塾の子だね。」と言われたと思えば、同じ先生が数年後に、「△△くんだけどね、中学であーでもこーでもないらしいよ!先生のとこ出た子だったよね!」と言われた事もあります。おそらく現在指導している先生が大変な思いをされ責任を取らされているからでしょうか。

昨今のニュースに、コンビニや飲食店でアルバイト店員などによる酷いことを動画に撮影してのSNSへの投稿。
みなさんはどんな気持ちでご覧になっていますか?
私は最低でも道場で教えた子には、あんな子にはなって欲しくないと思っています。
そしてできれば、道場で柔道を習っている子たちが善悪のわかる子に育ち、同じクラスの子に酷いことをして笑いをとるようなクラスメートに対して凜として注意ができる子になってほしいと思います。
でも、そのためにはどんな稽古をすればいいのでしょうか?そうですよね、乱取り稽古をたくさんしたからといって身につくわけがありません。稽古最後の黙想後の整列の時?いやいや全日本柔道連盟で以前購入した講話集「柔道への想い」という本を一日1ページ読み聞かせをして、その後に書かれている意味はこうだよな!と説明をいれていた頃もあります。それなりに効果もあったようですが、まったく聞いてない子もたくさんいましたね。
そうだ、善と悪がわかる子にしなくてはと今日思いました。


さいたま市民柔道大会でのこと

2018年11月16日 | 舟川柔道塾自宅道場
こんにちは、舟川です。
11月3日(土・祝)は、さいたま市民柔道大会でした。
4年前までは旧大宮市と旧岩槻市の道場の大会で「さいたま市民青少年北部地区柔道大会」という名称でしたが、3年前よりこれに浦和区や桜区など旧浦和市の道場も加わり、とても盛大に行われるようになりました。
いつものように悠汰先生と朝食をコンビニで買い込み、早めに8時前くらいには駐車場に着きました。
大宮武道館の裏側の指定の舗装されていない駐車場にはまだ数台しか停まっていなかったので、案内の高校生らしき生徒と監督らしき先生が案内をされていましたが、勝手がわかっていたので会釈程度ですぐに進入して停めました。

すると駐車場の立札を持った高校生が車に近づいて来るではないか!
もしかしてここはだめ?向きも民家に排ガスが行かない向きだし。なに!
しかしながら笑顔でやってくる!?

塾長「なぁーんだ、コウタか!」

塾長「おはよう。元気そうだね。駐車場係やってんだ、ご苦労さん。」

コウタ「おはようございます。まだあちらの舗装されている駐車場が空いているので、〇〇先生(駐車場係の先生)が舟川先生はあちらにどうぞとおっしゃってます。」

塾長「いいのかな?いつもはだめなはずだけど、コウタが言うなら言うこと聞かないとね。」

そういつもは役員以外はだめです、審判もだめだと言われた時が多かったので、申し訳なく思いながら移動しました。
車の中で朝食を食べていると、先ほどのコウタが行ったり来たりして駐車場係を一生懸命にしてました。
コウタは中里剛大です。
小学生時代に舟川柔道塾を5月5日に行われる全国少年柔道大会(団体戦)で3位に導いてくれた凄い奴らの中の一人です。現在は埼玉県でも名門の大宮工業高校柔道部で頑張っています。
柔道のセンスは抜群で、切れのある技はスピードとバネがあり、道場内でも光っていました。
私の職場の「のはら幼稚園」の卒園生でもあります。
少しトッポイところもあるのですが、後輩にはやさしく、先輩には素直な性格でした。幼稚園の目標である'主体性にあふれる心身共に健全で明るい子どもになってほしい'という目標どおりに育ってるよな。
剛大の試合や一緒に行った合宿の思い出を浮かべながら黙想状態で車の中にいました。

開会式が始まる時間になってきたので、そろそろ会場に行かなくてはと用意をしていると、駐車場係の学生達と先生も引き上げるようだ。
そして感動のシーンを見ました!!

剛大が駐車場係の荷物を一人で両手一杯にかかえ、その周りを笑顔の同級生か先輩達に囲まれながら剛大も笑顔で何か話しながら試合場に帰る姿を。
まるで向日葵(ひまわり)の周りに昆虫たちが集まっているような、美しい姿に見えたのです。


あんなに柔道が強いのに、ああいう雑用を苦ともせず、あんなにみんなに取り囲まれながら歩んで行く剛大。りっぱに育っているなぁと感動し、また涙が出てしまいました。



柔道の先生になりたいです!

2018年04月26日 | 舟川柔道塾自宅道場
タイトルは、おわかりかと思いますが、将来の夢ですね。
わたくし塾長が卑しくも理事長を務めている「のはら幼稚園」では、卒園式の証書を渡すときに、子供たちの将来の夢か、幼稚園で遊んだ時の一番楽しかった時のことをCDに録音しておいて発表するというのがあります。
わたくしが幼稚園に就職したのは34歳ですが、当時は野球もまだ盛んで、徐々にサッカーも人気が出てきた頃でした。
ですから当然に当時の男の子たちは、「野球の選手になりたいです!」
「警察官になりたいです!」とか、「パイロットになりたいです!」という具合でした。
女の子は、「お花屋さんになりたいです。」とか「「看護婦さんになりたいです。」とか。
だんだん時代が変わり、
男の子は「サッカー選手になりたいです。」「大工さんになりたいです。」
女の子は「パティシエになりたいです。」「ケーキ屋さんになりたいです。」
ドラマの影響が高いのですかねー!

そして本題です。
2年前の卒園生に、久しぶりに、本当に超、久しぶりに、
「柔道の先生になりたいです!」と言った子でS君がいるのです。
悠汰先生とウソだろー!と言い合いました。
でも本当にゴメン。だれに憧れてそう言ったのか、、、。
本当に許して欲しい。
だって、稽古はほとんどしないで脇で見ているだけだったし、稽古で相手を投げたのをあまり見た事がないし。

それが今年になり、新年度に年長の子や年中の子が入り、指導者たちすらあまり小さ過ぎてどこまでやらしたらいいか考えあぐねていたとき、小2になったSくんが受けてあげたり、教えてあけたり!
塾長、実は涙をこらえながら、昨日は稽古を見てました。
夢は叶う!S君、柔道の先生になれるよ!
いや将来、悠汰先生が手伝いをお願いするかもね。
その時はよろしくお願いします。

その子が教えている写真はまだないので、愛猫の小さな頃に下の子の面倒を見てるような写真を探しました。