ELLの足跡

人は最後は一人だという・・・でも、・・・今は妻が傍にいてくれる・・・

東日本大震災 陸自日誌(12)

2011-06-09 | 雑記
読売新聞で掲載されてる

陸上自衛隊東北方面総監部の須藤彰政策補佐官の日誌を転載してみました・・・



東日本大震災
 陸自日誌(12)
手薄な隊員の心理ケア

4月23日(土)

 本日は仙台駐屯地の医務室の臨床心理士(技官)から話を聞きました。

今回の災害派遣では隊員が遺体を扱うことが多いため、気づいた点を教えて貰いました。


 隊員の中には、毎日遺体を扱うことで胃液がこみ上げてきたり、「うつ」症状に成る人もいる様です。

逆に、遺体を見つけられない為に、ご家族の期待に応えられなかったと元気を無くしてしまう隊員や、

捜索中、少しの手がかりも見落としてはいけないと緊張している為、非番に成っても緊張状態が続いてしまう

「過剰な危険予測」(強迫神経症の一種)になる隊員もいるそうです。


 精神的な問題は、遺体の取り扱いに限りません。

現在、東北方面隊では全員が24時間勤務で、臨床心理士としては、有事の際の職員のストレスにも関心があるとの事です。

 臨床心理士は駐屯地に1人いるだけで、いない駐屯地もあります。

専門教育を受けた「心理幹部」(3佐クラス)を中心にした巡回指導チームが部隊の精神的ケアにあたっていますが、

この心理幹部は陸上自衛隊の五つの方面総監部に1人ずつしかおらず、症状の多様さを考えると手薄です。


 臨床心理士は2年前に採用が始まったばかりですが、今回の災害派遣を通じてかなり知名度が上がってきました。

私の政策補佐官と境遇が似ています。

4月24日(日)

 宮城県東松島市の避難所を訪れると、入り口で中学1年生ぐらいの女の子が携帯電話で楽しそうに話していました。

帰りに見ると、まだ話しています。

その子のおばさんが「両親が津波で流されてしまったんです。もう埋葬もしたんですが、

何度説明しても理解出来ない様で、両親の携帯にずっと電話しています」と小声で話してくれました。

 おそらく、理解出来ないのではなく、理解したくないのでしょう。

携帯の向こうに両親がいると信じることで、何とか心を支えているのかもしれません。





この日誌は、読ませて頂いて本当につらかった・・・心の葛藤が書き綴られています・・・

毎日、不明者の捜索をやってる人・・・被災の当事者の人・・・

すでに復興に向けて歩み始めていますが、私達はこの事実から目を背けないで向き合っていかなければいけないと思います・・・


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