EVERBLUE,EVERGREEN~YU-KIのブログ~

僕の日々の出来事や飼い猫の近況、お気に入りの作品など…徒然なるままに綴るページです。ただ、思いの丈を他が為に伝えます。

笑顔

2012-02-21 22:35:10 | Weblog


享年93歳。
死因に溜飲が下がらない部分はあるけれど、世間一般的にはたぶん大往生とも言える歳なのでしょう。
祖父が亡くなってから早2週間が経とうとしています。
今朝は、笑顔の祖父が夢に出てきました。
 

告別式の時、棺に納められた祖父の冷たい両頬と額に触りました。
皮肉なことに、たぶんこれが初めて祖父の肌に触れた時です。
何故なら祖父は、喪主の叔父さんの言葉を借りると「頑固一徹で、いつも眉間に皺を寄せて、殆ど笑わない人」だったから。


幼少の頃、よく祖父母宅に遊びに行っていました。
しかし、箸の持ち方ひとつにしても厳しく注意され、お腹をくだした日には「情けない、もっと体を鍛えろ!」と怒られ、拳骨を食らったことも何度かあります。
これは一方的な先入観かもしれないけれど、孫の話を聞くよりも自分の話をするほうが好きそうな人だったので、
自然と距離を作ってしまい、楽しく会話したり一緒に遊んだ思い出があまりありません。


なのに、もう会えないと思うと、しーんとした気持ちになります。
別に会いたいとか話したいとか思わなくても、どこかで元気に生きているだけでいいというような存在感。
圧倒的な存在感だったのかなあと、思います。


これ以上入りきらないというほどの鮮やかな花々に埋め尽くされた祖父は、一人、想像もできないほどの熱さの中へ。


この世に生きてきた証みたいなものが消えてしまうと思うからでしょうか…
どうしても火葬場に行ってしまうご遺体を、可哀想というか心細いだろうな…なんて感じます。
そして、骨。
その変わり果てた姿にいつもショックを受けます。
係りの人が事務的な口調で「ここがどこそこの部分で…」なんて説明しても、どこか違和感を覚えるのです。



さて、式が滞りなく終えるまで、遺影の祖父はずっと白い歯を見せて笑っていました。
3年前の米寿のお祝いの時の写真です。
「歳を重ねると人は丸くなる」とはよく言ったもので、そういえば祖父も昔より笑顔を見せることが多くなっていたような気がします。


あの世では、おばあちゃんと一緒に笑っているのでしょうか。
僕は、年々笑顔が少なくなっています。
幼少の頃には殆どする必要のなかった
愛想笑いはすぐにできるのに。



 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿