EVERBLUE,EVERGREEN~YU-KIのブログ~

僕の日々の出来事や飼い猫の近況、お気に入りの作品など…徒然なるままに綴るページです。ただ、思いの丈を他が為に伝えます。

ノスタルジー

2012-04-30 20:27:20 | Weblog

                


ずっとひとりで生活していると、これでいいのか分からなくなることがある。
たとえば休日の過ごし方とか。
年々疲れやすくなってきて、休日などは家で眠っているか、読書や録画していたドラマを見る時間に費やすことが多い。
人と会うのは仕事の日だけ・・・
こんなことを繰り返していたらダメ人間まっしぐらなのだろうか。


久しぶりに旧友が遊びに来て、そんな他愛ないことをずっと喋っていた。
友人の場合は、休日、ただひたすら釣りをしていることで気分がリセットされて「明日からまた仕事がんばろう」ってなるらしい。
要はいかに休日で一週間分の疲れとかストレスが解消できるかが大事かってことで、
その方法は人それぞれだから、外出するもしないも、人と会うも会わないも自由でいいんだ。

誰かに「大丈夫」って言われるだけでこんなにも安心するもんなんだと実感した。
人に会わないと、ネットの住人の意見を参考にしてばかりだから、余計、生身の人間の言葉の力とか説得力みたいなものが大きく感じるのかもしれない。



さて、この春からまた新しい職場で働き始めた。
知らない土地・知らない人たちの中で生きていくということで何かが変われるんじゃないだろうか・・・って、いつも淡い期待を抱いているけれど、
始まってみるとやっぱりそうでもないなあと思う。
結局、自分は自分のままなんだから、そう簡単には変わらないんだということを嫌なほど思い知らされる。
同じようなことを考えて過ごしていく日々がずっと続いていくんだ。
こんなはずじゃなかったと思う現状を変えるためには努力するか、はたまたその現状を受け入れて淡々とこなしていくしかないのか。

 

つい、過去の自分がつけた日記を読み返してしまう。
ちょっとしたタイムスリップが味わえるから楽しい。
夢を観ている時間と似ている。
ノートにはいろんな出来事とともに人と話したことが綴られていて、そこでも今と変わらずいろいろ悩んだり考えたりして過ごしていたけれど、
あの頃、傍にいた人たちとの充実していたと感じる時間が今はもう二度と手の届かないところにあるのだと思うと寂しくなる。

 

掃除をしていたら、懐かしいビデオが出てきたので十数年ぶりに観返した。
「おもひでぽろぽろ」だ。
「さなぎの季節が再び巡ってきた」と思い耽る27歳の主人公タエ子が「好き嫌いが多く、分数の割り算にこだわってしまう」小学5年生の自分を連れて
「故郷だと感じる田舎」へ農作業に赴くお話。


案外、ずっと記憶の片隅に残っているシーンがあったことを知る。
「雨の日と曇りの日と晴れ、どれが一番好き?」「曇り」「おんなじだ」という同級生とのやりとりや、
悪ぶった転校生の真似をして「カ~ッペッ」とポケットに手を突っ込んで唾を吐く仕草をするところや、

「ふ~ふ~」っていう仕草をしながら「図工の時間、吹き絵をして頭が痛くなって…」と、テストが出来なかった理由を答えるシーンなど。
そのどれもが小学5年生のタエ子のシーンだった。


でも、今なら27歳のタエ子の心にも寄り添うことができる。
小さい頃には分からなかった、ノスタルジーってやつだろうか。
朝日や夕日に映える紅花畑とか車窓越しに広がる田園や星空とか、田舎の景色のひとつひとつがまた息を飲むほど美しい。
何で人は生まれ育ったことのない田舎の地を故郷だと感じてしまうのかも分かった。
今観て、ふたりのタエ子とその周囲の人たちの輪郭線がはっきりし、ようやくひとつの物語がつながったような気がする。


こんな大人のジブリ作品、もっと観たいなあと思う。