ちゅう年マンデーフライデー

ライク・ア・ローリングストーンなブログマガジン「マンフラ」

エリック・リード聴いた。ロン&アルが支えて目立っていた。

2007年02月17日 | 音楽
 最近なぜかピアノ・トリオのジャズばかり聴いている。いまの精神状態にフィットするのだ。といっても、昔買ったレコードに比べりゃCDはそんなにあるわけではない。なんせ一時期ピアノ・トリオに飽きていたのだと思う。

 聴いていないから偉そうなことはいえないが、一発聴いてあの人とわかるのも少ないし、最近やたら多い女性ピアニスト、ヨーロッパ系ピアニストも試聴してみると、イントロが長くてメロディが出てくるまでに時間がかかるとか、スタンダードだけれど何の曲だか分からないとか、きれいすぎてジャズっぽくないとか、あまりひきつけられるものがなかったのだ。

 それなら、ビル・エヴァンスの晩年ものとか、ウィントン・ケリー「Full View」、このあたりがちょうどよかった。「フル・ヴュー」は、昔のレコード評では酷評されていたけど、「縁は異なもの」1曲ですばらしい。なかなか心にしみる演奏だ。ヘルゲ・リエントリオはいかにもヨーロッパ系のクリスタル感だが、「アマポーラ」がお気に入り。

 でも、ほかになんかないか、というわけで寺島靖国(すごい名前だよね)著「JAZZピアノ・トリオ名盤500」なんて本まで買ってみたが、知らない人が多い。で、ご推薦のエリック・リードを買ってみた。

「クレオパトラの夢」、ベースはロン・カーター、ドラムはアル・フォスターという強力布陣。これは3人が対等にインプロヴィゼーションで会話するというトリオではない。ロン&アルの二人が若い親分をしっかりサポートしながら、それでいて目立っている、うたっているという不思議な一体感のあるアルバムなのだ。

 タイトル曲もそうだけれど、「ジャンゴ」「ワルツ・フォー・デビー」「ラウンド・ミッドナイト」などかつてのピアニストの名曲を取り上げているところに、並々ならぬ意欲を感じるが、まだ、エリック・リードその人の個性がよく分からない。小粋なジャズワルツ「テディズ・チューン」、ラテン調の「アイ・ラヴ・ユー・ポギー」、終わりのテーマ演奏でエヴァンス風の和音を使う「ワルツ・フォー・デビー」もみんな悪くない。でも、やっぱりロン&アルが前でバックアップしている感じがするのだった。
コメント
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