ブログ、巨人軍。

頑張れ、ジャイアンツ!
頑張れ、日本のプロ野球!

2011年の中日ドラゴンズとの類似。

2014-09-17 23:52:08 | 2014年シーズン

広 島 1-7 巨 人

菅野は初回、逆球が多かった。
失点は制球に苦労する立ち上がりの隙をつかれた。
打線も5回まで、どうにかランナーを出すが二度の併殺とイヤな流れだった。

そんな流れを断ち切ったのも、菅野のピッチングだった。
2回以降、逆転してもらった6回裏の守りまで、菅野が許したランナーは四球で歩かせたエルドレッドひとり。
とくに、6回に点を獲ってもらったあとの守りで、きっちり三者凡退で終わらせているところがいい。
この流れが、次の回からの3イニング連続得点に繫がったように思う。
今季のジャイアンツの戦いは、打線や投手陣に強さがない分、この ”流れ” で勝利を引き込む。
そしてそのプロセスが、これまでのどのシーズンよりも、ハッキリと目に見えて鮮やかだ。

今季、これまで以上に取り上げられることの多い原監督の采配も、
時には ”非情” という言葉と共に語られる。
打線を動かしすぎるといった意見や、選手との信頼関係を危惧する捉え方もあったりで、
否定的な見方をする解説者も少なくない。

チームバッティングを重視するような向きは、何も特定のチームに限った考え方でもなく、
今やそれもひとつの支流になっているといえるだろうが、
例えば3、4、5番打者のクリーンナップにも逆方向への流し打ちを求めたり、
あるいは原監督が時折見せる3番、4番打者にもバントのサインを出すという采配などは、
もっとも評価の分かれるところだ。
そんな野球は面白くない、王道ではない、そういった批判的な意見も見聞きする。

先日、ジャイアンツのOBでもあり、ヤクルトや西武などでも監督を務めた球界の重鎮、広岡達朗さんが、
これらの原采配について、「信念が見えない」 と痛烈に批判していて、
「優勝の資格もない」 とまで言い切る断罪ぶり。

ただ、今季の原監督は徹底してこれらの采配を貫いてきた。
広岡さんだけでなく、打順をコロコロ変えてブレていると発言する評論家の声も其処此処から聞こえてはくるが、
ある時期から原監督は腹を括って ”今季はこれでいく” という信念のもとに決断を下している。
「本意ではないが、今季のジャイアンツ打線はこれでいくしかない。」
そんなニュアンスのことを言葉に出してしっかり宣言しているのだ。
そこの信念については、ある意味、まったくブレていない。

物事、どちらの方向から見るかで見え方は変わってくるから、
どっちがどうだは簡単な話でなくなってしまうのでこれ以上はやめておくが、
いずれにせよ、どちらの方向から語ったとしても、
最終的に目指す場所が "勝利" という到達点であることに変わりはない。

原監督が振るう采配への評価も、最終的に結果がどう出るかで変わってくるだろうし、
あるいは結果はどうあれ、雇われ監督である以上、裁定を下す上層部がどう判断するかでまた、
評価の意味も違ってくるだろう。


ここでふと思い出すのは、2011年中日ドラゴンズの落合監督退任劇である。
2011年のドラゴンズは故障者続出でペナント中盤過ぎの時点でBクラスだったが、
後半に向けて怒涛の追い上げを見せ、最終的には2年連続のリーグ優勝を果たした。
もちろん、そのときチームを率いていた落合監督の手腕は評価されるところだが、
そのシーズンは落合監督何年契約だかの最終年にあたり、
球団はチームが苦境にいるリーグ戦中盤の真っ只中、落合監督の任期満了による退団を発表した。

表向きは任期満了と発表されたが、
落合監督の勝利至上主義の采配がたびたびマスコミでも取り上げられ、
勝つこと優先で面白さ度外視と揶揄されるなど、
年々減少しているナゴヤドームの観客動員数の問題や、人気の低迷といったことまで、
あたかも落合采配が関係しているかのように報じられ、
球団内の意見も落合降ろしに向いているとスポーツ紙などは書きたてた。

当時球団も、人気回復や、観客動員数の増加を意識したコメントをたびたび出しており、
落合監督に代わる次期監督選出も、人気のある生え抜きのOBと大々的にぶち上げていたが、
そうそうに発表されたのは、高木守道氏の17年ぶりの監督復帰だった。

似ているというほどでもないが、
落合監督が2年連続リーグ優勝という成績で退任したそのシーズンのチーム成績と、
今季ジャイアンツのチーム成績に思いのほか通じるところがある。
成績というよりは、傾向といったほうが正しいかもしれない。
先ほども記したとおり、2011年のドラゴンズは故障者や不調に陥る選手が多かった。
後半の凄まじい巻き返しで、優勝を決めたのは142試合目というまさに大詰めだった。
そんな選手たちの状況もあって、チーム打率.228、得点数419得点は共にリーグワースト。
この両部門がワーストでリーグ優勝を果たしたのはプロ野球史上初のことらしい。

今シーズン、まだペナントの行方が決まっていない状況で比べるのは勇み足ではあるが、
とりあえず今の現状で見比べてみると、数字的にはそこまで低くはないものの、
ジャイアンツのチーム打率はリーグ最下位、得点数も5位と限りなくワーストに近い数字。
ちなみに投手成績を比較しても、その年のチーム防御率1位はドラゴンズ。
現在、セントラルのチーム防御率1位はジャイアンツである。

勝ち上がり方などに違いが有るから、よく似ているというのも語弊はあるが、
チームのタイプは近いかもしれない。


結局、高木監督は契約満了というカタチで2年で退任。
ベンチ内でのゴタゴタばかりが取りざたされていた印象だが、
そのあと谷繁兼任監督への流れは承知の通り。
落合氏も2年間のブランクを経てGMという肩書きのもと、再びドラゴンズに戻ってきた。

そういえば原監督も第1次監督期は1年目、日本一、
2年目、3位という成績だったにもかかわらず、2年で辞任に追い込まれた。
そしてそのあとを引き継いだ堀内氏が2年間、迷走を続け、
その後、再び、2年のブランクを経た原辰徳が監督の座に返り咲いた。

チームを勝利に導くために、監督は何が最善かを考えて采配をふるう。
投手がガンガン投げて勝ち星がうなぎのぼり。打者がガンガン打ちまくっていつでも大量得点。
そんなんだったら監督なんて必要ないだろう。
投手がなかなか勝てなかったり、打者がなかなか打てなかったり、
そんな状況の中でどうすれば勝てるのかを考え策を興じるのが監督の腕の見せ所である。

今季のジャイアンツの野球は、たしかに王道野球ではない。
それでも、必勝パターンをどうにか作り出し、
派手さはないけれど、プロフェッショナルな野球を随所で見せてくれる。

王道野球でなくても、スリリングな展開に持ち込み勝利をもぎ取る。
どんな野球だって懸命に勝ちにいっていれば充分に面白い。




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