ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

除染・廃棄物シンポジウム参加報告(1)

2013-10-29 13:08:54 | イベント

福島市飯坂温泉で開かれた、企業による「除染・廃棄物技術協議会シンポジウム」に参加してきました。

除染と廃棄物焼却のための予算はH25年度末までで1兆5千億円とされています。この日見たものは、復興の美名の下、巨額予算に群がる一大除染ビジネスの実態でした。

その前に、昨日こんな報道がありました。

東電 除染費負担を全面拒否 「賠償と二重払い」主張 東京新聞2013.10.28

東京電力が、数兆円に上ると想定される福島第一原発事故による放射能汚染の除染費用を全面的に返済しない方針 を政府に伝えていることが分かった。費用は政府が復興予算から立て替え払いし、東電が後に返済することが法律で定められている。しかし、東電は「家や土地 に対する損害賠償に加え、除染費用まで払えない」などと主張。このまま返済が滞れば、復興予算に穴があく事態もあり得る。 (桐山純平)

 東電は政府が四回にわたって請求した除染費用四百三億円のうち六十七億円しか払っていない。残る支払いが遅れている理由を「書類を精査しているため」と説明してきた。・・・

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除染・廃棄物処理は総額5兆円にも上るとされ、東電が負担できる金額ではありません。汚染水対策だけ見ても明らかなように無能・無責任な犯罪企業が費用弁済に責任など持つわけがないと誰もが思っているでしょう。

支払い拒否と言いながら、関連企業が除染や廃棄物処理でしっかり儲けているのです。

このシンポジウムを主催する「除染・廃棄物技術協議会」の構成をご覧下さい。

「除染・廃棄物技術協議会」の会員企業等

代表幹事: 鹿島建設株式会社
幹事:
(五十音順)
株式会社アトックス
大成建設株式会社
東京パワーテクノロジー株式会社
DOWAエコシステム株式会社
日本ガイシ株式会社
一般会員: 88社 (2013年10月15日現在)
発起人: 東京電力株式会社
協議会事務局: 株式会社三菱総合研究所

【設立趣旨】

「除染・廃棄物技術協議会」は、2011年11月に、放射能汚染という未曾有の国難に対する企業の社会的責任の一環として、産業界が除染や廃棄物の処理・ 処分において主体的な役割を果たし、一連の除染活動の円滑な遂行にも積極的に貢献していくことを目的として設立しました。・・・

 

この日10月22日(火)、第二回目のシンポジウムでした。会場をざっと見渡すと一般参加者は4,5人いるかどうかという感じでした。一般公開されているものの広報はされず、環境省HPの除染メルマガで知ったのは5日前。「復興のため、帰還のため」と言いながら周知しないのはおかしい。もっときちんと広報して下さい。

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2013.10.22 除染・廃棄物技術協議会】

第二回シンポジウム

(午前の部) 音声のみ

http://youtu.be/zvE_5X_t0ME

【開会挨拶】 第二期代表幹事 (鹿島建設)

・・・最後に、ご講演をお願いしました環境再生事務所 関谷毅史様をはじめとする皆様方には大変お忙しい中ご快諾をいただきまして厚く御礼申し上げます。除染なくして福島の復興はありえません。協議会としましても微力ながら除染および中間貯蔵施設の建設においてもお役にたてるよう活動して参ります。一日も早い復興を祈念しております。  
ご清聴ありがとうございました。

講演1 「福島県における除染・廃棄物処理の進捗と課題-総点検を踏まえて-」

     環境省 福島環境再生事務所 所長 関谷毅史氏

 行政関係者は記章をつけて登壇    

・・・企業の皆様には責任感を持って取り組んで頂いていると思います。私どもとしても一層取りくみを加速化して行かなければならないと思います。
協議会の活動についても活発に行って頂くことで一刻も早く復興を、そのために除染、廃棄物処理に尽力していかなければならないという決意を新たにしたところです。

福島県においては依然として11の市町村において避難指示が出されている。この地域は国が直轄で除染を行っている。
町ごとに除染実施計画を作りそれに基づいて進めている。このうち7つにおいて本格除染が実施。田村市は(国直轄部分が)終了、川内村は住宅、道路、富岡、浪江はそれぞれ準備、事業者選定の最終段階。
直轄除染これまで進捗が良くないと言われているがたしかにまだこれからの努力が必要。実施計画にあわせ除去土壌の仮置き場確保、除染についての関係人の同意書、地道に取り組んでいくことで本格除染につながる。
今行っているのは避難指示区域全部ではなく3つの区域、避難指示解除準備、居住制限区域のみ。帰還困難区域については一部のモデル除染のみ。
生活圏中心、宅地、野家、森林生活圏周り20メートルで行っている。宅地だけでもかなりの量になるし農地は市町村によって手法が変わっている。一部は刈り取り、除染作業自体時間がかかる。

除染は24、25年度で行う予定で始まった。
この夏に総点検して、スケジュール見直しに着手。実際市町村ごとの状況は異なる、進捗に差が生じている。
2か年で行うとしていたが、市町村と連携して復興の動きとともに取り組んでいくので一律期限を設けるのは改める。除染の加速化円滑化を図って実行計画に対応して行く。

田村市においては、国の直轄部分は終了、楢葉、川内、大熊、については今年度の除染終了を目指す。

南相馬市、飯舘村、川俣町、葛尾村、浪江町、富岡町については除染実施計画ができており、本格除染や準備を実施しているが今後市町村と調整して実施計画を変えていこうという形で固めていきたい。

双葉町については実施計画ができていない。区域の96%が帰還困難のため、町全体の復興の道筋をどうやっていくのか調整を行っていく。

25年度までに終わる予定が26年度以降まで一部継続したが、あわせて除染の加速化もあわせてやっていかなければならない。

除染は復興の前提、インフラの復旧整備が不可欠。
道路、圃場の整備は除染と密接に関連した工事が必要。環境省以外の関係機関とも一体的に取り組んでいく必要がある。県の皆様ともよく相談連携し、また入札、積算基準の見直しも適宜行いたい。
減容化、リサイクル推進のための取組、情報公開、 さまざまな有用事例の展開など
環境省の体制整備は勿論大きな労力を要する同意取得については民間のお力も使っていく必要がある。

除染作業は、未経験の方を含めて広大な現場なので、安全管理が必要。事故が起こると対応のみならず除染作業にも影響を与えるのでしっかり対応しなければ。
また再除染をするのかしないのかが非常に大きな論点になっている。
除染実施計画に基づく事業後のフォローアップについて。事後モニタリングを行い、除染の効果が維持されているか確認 結果新たに汚染が特定された場合取り残しが判明した場合フォローアップ除染していく。 
帰還に向けて線量水準に応じて防護措置も重要になるので原子力規制委員会において議論が行われているのでリスクコミュニケ含めて対応して行きたい。

河川湖沼のモニタリング、防火水槽の除染も非常に要望が多い、一定の判断基準を設けて汚泥除去していきたい。
森林除染も大きな課題 生活圏から20mだが、効果が出ない場合は追加的に落ち葉のくずを除去する。
線量の高い谷間などの場合は例外的に20mより遠い場所も可能にする。
奥地の森林 生活圏へ森林から流出飛散しないため実態把握調査を林野庁と連携して行う。

帰還困難区域については高線量モデル除染結果を年内に取りまとめる。
市町村除染については県外も含め100市町村対象、現在94計画 作業が実施されている
県では5年計画、それ以外は2、3年。 

田村市の事例 今後の課題について―

20圏内外 都路の一部が国の直轄除染
昨年7月から今年6月にかけて実施。121世帯
対象部位ごとに手法選定 除染の全行程 農地含め 復興に向けてきれいになったことを実感していただけるような作業が行われた。

事後モニタリング 宅地 120世帯弱のデータ 直後37% 平均下がっている
効果が維持されている。
ただあくまで平均ですのでそれぞれの測定ポイントにはばらつきがある。場合によっては
若干上昇も見られる。よく分析をして線量変化の解明、フォローアップしていくための作業をしていく。

帰還困難区域除染について 
モデル事業であり高線量がかなり含まれている。
効果的な方法作業員の安全確保 知見集積をしたい。10月から双葉、浪江で実施している。
結果は年内に取りまとめて検討にいかしたい。

広域インフラ除染
常磐道除染工事が終了、モニタリング実施中
未対策区間含め路面掘削、舗装がなされる。 線量低減が当初通り見込める。
20~50mは20m以下、50m以上は50以下にする。
今後ネクスコのほうで作業をへて順次共用が開始される

大型ダム復旧 
管理棟などの除染昨年実施している

廃棄物
直轄11市町村 国が行う
災害廃棄物津波瓦礫がかなり多く残されている沿岸市町村にまずは仮置き場に搬入するのが重要課題

楢葉町災害廃棄物搬入完了その他一部始まったばかり。仮置き場の確保 復興の基調になるように
仮設焼却施設はそれぞれ市町村で調整中。富岡町では先日用地確保が出来たので発注した。今後建設が進む。
その他市町村、飯舘村でも行う。 
南相馬市がれき撤去、楢葉片付けゴミ仮置き場写真です。

指定廃棄物
8000ベクレル/kg超えて国が指定したものは国が行う 処理施設順次造り処理を進めている
下水処理については福島市内堀河乾燥処理を実施。承知の通り事故で止まっているが 鮫川村において稲わら焼却実証事業を実施。
郡山市県中浄化センター下水汚泥焼却を行っている。
飯舘村蕨平 村内片付けごみ 除染廃棄物 それ以外の市町村農林業系ごみ、下水汚泥も飯舘村で燃やして頂く。
施設を国がつくらせていただくことを村のご了解をいただいた。H25年度末までに着手、
3年程度で処理完了を目指す。
飯舘村にはおたがいさまということで村民が避難でお世話になっている市町村のものを受けいれて頂くことでご理解いただいた。

○中間貯蔵施設 
H27年1月共用、搬入開始することを めざして努力中
県のご指導をいただき双葉郡3つの町で調査をさせていただいている。
双葉、楢葉、大熊町で踏査結果ボーリング、関係者との意見交換を続けていく。
施設は非常に大きな容量のものになる。搬入は県内での除去土壌、除染廃棄物のうち10万ベクレルを超えるもの。
容量としては東京ドームの12~23倍
受け入れる為の分別施設、減容化、モニタリング、研究、情報公開などの施設も併設。

専門家委員会2013年6~9月
安全対策 設置運営環境影響評価検討委員会検討結果をHPで公開した。
土壌8000ベクレル/kgを境にどういった地形地質に適応するかなどに応じて結果をとりまとめている。遮へい効果も考え建屋、容器についてさらに詰めていきたい。


昨日までIAEAの除染ミッションが来日していた。
政府の取り組み、自治体の取り組み等ご覧頂いて結果をまとめた報告書が公表され報道された。国際的なミッションの提言を踏まえ課題に取り組んでいく。

皆様の協議会の方で様々なワーキンググループに取り組んで頂いている。
成果をおきかせいただきながら一刻も早く福島の復興に進んでいく努力をしたい。

(つづく)

 

 


除染・廃棄物技術協議会 第2回シンポジウム

2013-10-17 09:39:42 | イベント

 

【緊急・拡散下さい】

10/22福島市飯坂で除染・廃棄物シンポジウムが開催されます。

対象者が「除染に取り組む企業を歓迎」とありますが、一般でも勿論入れます。

ちなみに去年9月に開催された第一回目の一般参加者は5人程度だったとのことです。

平成25年度までの国の除染関連費用は1兆5351億円、

本シンポジウムを開催する同協議会発起人は東京電力、会員企業は名だたる96社が名を連ねています。

除染ではご存知のように数多くの不正、また暴力事件や死亡事故まで起きています。その先にあるのが今私達が苦しめられている廃棄物処理です。

ぜひ多くの皆様にご参加、ご周知いただきたくお願い申し上げます。

 

除染・廃棄物技術協議会では、第2回のシンポジウムを、20131022日、福島市の

パルセいいざかで開催いたします。

 

本シンポジウムでは、「除染の加速と復興への取り組み」と題して、福島県生活環境部から除染及び復興に関する取り組みをご紹介いただくとともに、南相馬市、川内村、環境省福島環境再生事務所、日本原子力研究開発機構からの講演を予定しています。また、当協議会有志企業による各ワーキンググループの検討成果についても報告いたします。協議会会員企業による技術紹介のポスター展示もございます。

参加を希望される方は、下記申込方法のとおり、事前にお申し込み下さい。みなさまのご参加、お待ち申し上げております。

日時:20131022日(火)10:0017:30

場所:パルセいいざか(福島市飯坂温泉観光会館)

     福島県福島市飯坂町字筑前27番地の1

主催:除染・廃棄物技術協議会

参加費:無料

内容:

【開会ご挨拶】 10:0010:10

【講演】除染の加速と復興への取り組み(1 10:1012:10

講演1 (未定)

    環境省 福島環境再生事務所 所長 関谷毅史氏

講演2 「福島県の除染対策について」

    福島県 生活環境部 除染対策課 課長 遠藤浩三氏

講演3 「南相馬市の除染の状況について」

    南相馬市 復興企画部 除染対策課 課長 羽山時夫氏

(講演順は変更となる可能性があります。)

【昼食休憩】 12:1013:00

【講演】除染の加速と復興への取り組み(2 13:0015:00

講演4 「原発事故に伴う全村避難から帰村のための除染と線量管理」

    川内村 復興対策課除染係 係長 横田正義氏

講演5 (未定:福島県環境創造センターについて)

    福島県 生活環境部 環境創造センター整備推進室 室長

     片寄久巳氏

講演6 「福島県の環境回復推進に向けて」

    日本原子力研究開発機構 福島技術本部 福島環境安全センター

    環境回復推進グループ グループリーダー 浅妻新一郎氏

(講演順は変更となる可能性があります。)

【コーヒーブレーク、ポスターセッション】 15:0015:30

【協議会活動報告】 15:3017:30

【ポスターセッション】

(昼食休憩 12:1013:00、コーヒーブレーク 15:0015:30、終了後17:3018:00)

●協議会会員企業による技術紹介ポスター(18:00まで掲示)

プログラム(会場地図付)

シンポジウム参加申込の方法はこちら。

  →参加申込方法(Wordファイル)

お問合せ先:除染・廃棄物技術協議会事務局

      (株式会社三菱総合研究所 科学・安全政策研究本部内)

      電話 :03-6705-6041

      メール:tacrwm2013mri.co.jp

 

*近くに飲食店がないため、お弁当を申し込むか持参の必要あり。

*申し込まなくても入れないことはないそうです。

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一回目は20129月に開催(会員企業96社)


 

 


放射性ゴミを考える学習会開催のお知らせ

2013-10-02 19:41:28 | イベント

本日、とうとう広野町溶融炉の一部入札が始まりました。1,500℃以上もの高温で燃焼させることから、資源浪費型かつ大量の有害物質を放出する上、全国的に爆発事故が多発している極めて問題の多いプラントです。

・入札公告:平成25年度東日本大震災により生じた対策地域内 廃棄物の国代行処理業務(広野町)における仮設減容化処理施設 敷地造成(伐採)工事(~20131025日)

一昨日は、何と沖縄米軍基地から出たPCBの処理を、いわき市にあるクレハ環境が落札したとのニュース。

すぐ近くにあるいわき勿来インターは常磐道から福島に入る玄関口にあたり、この近くでドラム缶1794本分のPCBが焼却処理されるというのです。鮫川村焼却炉から30分くらいのところです。

福島は汚染されたのだから、厄介なゴミをどんどん持ち込んでしまえというつもりなのでしょうか。

沖縄の廃棄物 福島に  米軍PCB処分へ  しんぶん赤旗

 

こうしてはいられません。とにかく知ること、知らせることです。

ということで、企画しました。

「減容化?ちょっと待った!放射性ゴミを考える学習会」

避難中の方々、汚染地にお住いの皆様、ぜひお誘いあわせの上ご来場ください。

国の言うことを丸ごと信じる人はもはや殆どいないはず。そうであれば、国の説明だけを聞いて判断することはできません。

私たちの選択が子供たちの未来を左右します。できるだけ多くの情報に触れることで選択肢を増やし、未来世代にとって何が一番良い方法なのかを一緒に考えていきましょう。

ご参加をお待ちしています。

 


福島原発告訴団 告訴受理1周年の集いに参加

2013-08-05 14:38:20 | イベント

 8月4日(日)晴れ

福島原発告訴団の告訴受理一周年集会「強制捜査はまだか!告訴受理から1周年を迎えて」に参加しました。

全国各地から300人をかるく超える人々が集いました。会場で鮫川村のリーフレットを配布させて頂いたところ、場所がいわき市だったため焼却炉のことをご存知の方が多く、皆さん口々に

「ああ、鮫川村ね!本当にヒドイ話だよね~!!」と仰っていました。

IWJさんから動画が配信されていますのでぜひご覧ください。

2013/08/04 【福島】強制捜査はまだか!! 告訴受理から1年を迎えて~福島原発告訴団による、集会とデモ

•ゲストスピーチ 広瀬隆氏
•弁護団スピーチ 河合弘之氏/保田行雄氏/海渡雄一氏
•告訴団スピーチ 福島県民から
•講談 神田香織氏/ミニコンサート 李政美氏
•デモ いわき市文化センター → いわき駅前

注目すべきは、冒頭の広瀬隆さんのご報告です。

大熊町の原発より2キロほどの場所で測定した線量が何と320μ㏜を記録。(19分52秒ごろから)こんなところに除染して帰還させるなど正気の沙汰ではありません。

スピーチの最後に広瀬さんが鮫川村のことにも言及して下さいました。

弁護団の方々のスピーチも素晴らしかったのですが、今回初めて聞いた神田香織さんの講談が印象に残りました。中でも紹介された相馬から大津市に避難されているアオタケイコさんの2つの詩。(2/4の21分ごろから)福島訛りの神田節が腹に(じゃなくて胸に)ずずーんっ!と響きました。神田さん「失望せず、あきらめず、しつこくやっていこう!」 (おおう!)

閉会の辞:佐藤和良さん(いわき市議)

「すごい勢いで事故の風化が進んでいる。・・・しかしあきらめるわけにはいかない。」

 

終了後のデモ

ブログ 風下の会 福島さんより 左より いわき市議・佐藤和良さん、告訴団長・武藤類子さん、弁護士・海渡雄一さん、弁護士・河合弘之さん

ブログ 風下の会 福島さんより


2013東京ZENKOに参加

2013-07-29 21:11:41 | イベント

7月27日、28日と2013東京ZENKOに参加させて頂きました。(長文ご容赦下さい)

皆さんのエネルギーに圧倒されたエキサイティングな2日間でした。イラク、アメリカ、韓国、フィリピンからも権力と闘う人々が集まり、人間の尊厳を取り戻す国境を超えた闘いをたたえ、励まし合いました。このような貴重な場面に同席させて頂いたことを光栄に思います。

26日は参加できませんでしたが、環境省記者クラブでの会見、東電前デモなどがありました。貴重な映像ですので是非ご覧ください。

20130726 UPLANカネより命! 99%が手をむすび世界を変える 緊急記者会見・交流集会・要請行動 http://www.youtube.com/watch?v=coZRh70u0xg

 

28日の分科会で、避難の権利、食の安全、健康診断、放射性廃棄物の集中管理、教育現場の放射能副読本をテーマに6名から報告があり、このうち放射性廃棄物について、鮫川問題を報告させて頂きました。

<分科会での報告>
和田央子(鮫川村焼却炉について)
施設は秘密裏に建設されてきたこと、これがすべてを表しており、試験焼却の一般公開に副大臣が視察に来たりして、さも正当なことをやっているように取り繕っても、あちこちにボロが出ている。住所非公開、公道から見えないように建設、アセス逃れの脱法的なやり口というのがそもそもの事業の実態なのだ。
 
焼却事業の目的は3つある。
①ゴミマフィアとよばれる大手ゼネコンへの利益誘導
②市町村における焼却処理と焼却灰の埋め立て(国の引き取り責任放棄)
③汚染の再拡散による高汚染地帯との格差縮小(健康被害の損害賠償請求棄却のため)

広域がれき処理に反対されている方々も多く参加されており、鮫川村の問題に強い危機感を共有して下さいました。がれき処理は100㏃以下だったけれど、鮫川村は8,000㏃以上のものを燃やすということに衝撃を受けた、がれきは核のゴミ処理のほんの入り口に過ぎなかったのだという認識で一致していました。

そして、放射能ゴミの拡散を阻止するため、全国的にシンポジウムを開催していこうという決議がなされました。

内容全てお伝えしたいのですが、時間的スペース的制約があるため、特にふくしまのお母さんや井戸川さんのご報告をご紹介したいと思います。(会場配布資料も参考にしています)

野口時子さん(郡山市在住 3a!安全・安心・アクションin郡山 代表)

甲状腺検査は小6、小1の子供のどちらもA2のう胞判定だった。しかし2年後まで何もしなくていいとそっけなく書かれた紙切れ1枚渡されただけで、心配が消えることなどありえない。高い費用を支払って自主検査に走り回る日々が続いた。

原発事故前は、県内に原発があることすら知らなかった。この悔しさが今の原動力となっている。同じ不安や悩みを抱えた子育て中の母親が集まり3a!を作り、行政への要望や署名活動、保養プログラムなどさまざまな取り組みを行っている。しかし2年が過ぎ、地元で放射能への不安を口にすることがはばかられるような雰囲気になってきた。放射能があることをすでに忘れたような空気の中で活動する息苦しさに、仲間が身を引いていく。自分は闘い続けなければならないと自分自身を励ます日々である。

井戸川克隆さん(前双葉町長)

県民は取り返しのつかない被害者である。県医大の検査は信用ならない、だから双葉町は町独自の費用で検査を行っている。誰かに訴えれば何とかなるだろうなどと考えてはダメだ。自分の命は自分で守らなければ。皆さんは次の事故が起きた場合の避難先を確保していますか?

国には「災害救助法」の適用をしないよう訴えてきた。これは自然災害ではなく事故なんだ。したがって税金で補償することは無駄遣いである。環境省は「除染は公共事業だ」などと言っているが、そうではない。東電が確信的に起こした事故ではないか?彼らを被告席に座らせなければならない。

開会前、鮫川村のリーフレットを手渡すと「あなた鮫川の人?」と声を掛けて下さいました。「塙町です」「塙町は菊池(町長)さんだね?自分は同学年なんだよ。大楽(鮫川村長)さんも、菅野(飯舘村長)さんもだ。同い年だから、よく話をする間柄だった。みんなおかしくなっちゃって、どうしたんだよ。大楽さんなんか、ものを考えて行動する人だと思っていたのになあ。菊池さんも(バイオマス発電なんか受け入れて)どうするんだ。彼にそんな権限はないはずだ。その(建設した)おかげで線量が少しでも上がったら全責任を取れるのか。そういう契約を結びなさい。リコールよりそっちが先だよ。いついつ行くから押印しろと申し入れればいい。」

「いや、話をするつもりはないそうです」

「そんなことは通用しない。地方自治法でどんな責任が書かれているか、それを迫ればいい。井戸川が考え直せと言っていたと伝えて下さい。」

井戸川さんのぶれない主張に共感するところは多い。終了後のフェアウェルパーティでの挨拶も素晴らしくて、拍手喝采でした。

二瓶和子さん(福島市から練馬区に母子避難)

3.11後まもなく息子の鼻血や下痢が止まらない日が続いた。血液検査の結果白血球が減少していることが分かった。練馬区では健康診断も受けられず自費で甲状腺検査や人間ドックを受けた。自分の検査でヘモグロビン値が減少していたが、もともと貧血があったわけではない。また5年ぶりに持病の神経痛がぶり返し、今日も薬で抑えながらこの会場にようやく来ている状態だ。

練馬区では、「避難区域ではない」福島市から避難しているということで避難者扱いしてもらえなかった。このため何の情報も与えられず、避難者がどのくらい区内にいるかすら分からない。意を決して広報紙に自分達避難者がいることを掲載してもらえるように依頼し、自らも公表したお蔭で少しずつ避難者のつながりができていった。これを機に「語り部になろう」と決意した。現在、避難者でつくる「snow drop」という会で手作り雑貨の販売等を行っている。

萩原ゆきみさん(郡山市から京都府に母子避難) 紹介ブログ

萩原さんのブログ「福島から京都に避難して」より
 
私は夏頃から疲れやすく、風邪をひきやすくなりました。一ヶ月位で治っ たかと思ったら一日か二日で、また風邪をひいてしまいました。
始めは、環境が変わり、疲れているせいだと思いました。しか し、それからも、首を傾げる事が起き続けます。
2011年12月頃には虫歯が沢山出来て、歯に詰めてあった金属がたった一週間足らずの間に6個取れました。足の親指の爪も根元から ポロッと取れてしまいました。私も子供達も蚊に刺されたなどの些細な傷が半年、一年以上経っ ても治りませんでした。それから、事故前に治っていたアトピーが私も子供も再発しました。・・・(衝撃の報告です。続きはブログをご覧下さい)
 
最初から最後まで、涙、涙の報告でした。
 

 

別の分科会の中から動画がアップされているものをご紹介します。

◆20130728 UPLAN ZENKO 原発再稼働阻止!すべての原発を廃炉へ

http://www.youtube.com/watch?v=vir6Fsg5B9Q

斎藤征二さん(元敦賀原発下請け労働者)、藤原節男さん(元三菱重工技術者/著書「原子力ドンキホーテ」)、脱原発滋賀アクションの皆さん

 

◆20130728 UPLAN 2013東京ZENKO 決議採択・全体集会・閉会式

http://www.youtube.com/watch?v=CeeW1kSUyFE