前回は以下の構文について話をしました。
■[主語]+would rather + [動詞の原形(不定詞)〜] + than + [動詞の原形(不定詞)]〜
(〜するよりも、むしろ〜したい(するようがいい))
以下がその例文でしたね(確認のため…)。
I would rather [listen to music ]than [watch TV].
「僕はテレビを観るよりむしろ音楽を聴く方いいな。」
では今回の表現を見てみると…。
I’d rather we ate at home.
(家で食べる方がいいな。)
「ん?ratherの後は動詞の原形が来るんじゃないの?来てない、しかも、ratherの後は文(節)が来ているし〜…で?その文で使われている主動詞は過去形!わけわからん!」
ですよね〜。同感です!だいたいratherは副詞なわけで、その後に動詞が来なければ正しい文にならないはずですよね。そこで、ratherの役割を辞書等でいろいろ調べてみました。また、二人のネイティブスピーカー(アメリカ人)にも聞いてみました。その結果、辞書にはratherが動詞(他動詞)として使われるとの記述はないのですが、実用的には、節(文章)の前に来るときには動詞の役割をしているようです。つまり、「〜(文が表す意味)の方がいいな」という感じです。文型的には以下のようになります。
主語+rather+(that)+S(主語+動詞+(名詞)+(前置詞句))
*S(entence)の構造は意味により変わります。
このようなratherの使い方って、ちょっとわかりませんよね〜。ただ、ratherがそもそも持っている意味が「〜よりも〜の方を好む(〜の方がいい)」といったものなので、その後に来るのが動詞であれば、それをするのを好むということになり(I would rather listen to music than watch TV.のように)、そして、その後に来るものが文章であれば、その文が意味することを好む、というように理解すればいいと思います。
しかし、ここで注目しなければならないのは、ratherに続く文の主語と動詞です。今回の表現をもう一度見てみましょう。
I’d rather(that)[we ate at home].
(家で食べる方がいいな。)
ratherが導く文の主語は自分(I)ではないですよね。そして、その文の主動詞は過去形になっています。まずこれはなぜか、考えてみましょう!
あ、「早く答えを!」ですよね(苦笑)。まずその主語がI(自分)でない理由は…自分だったら、その内容をわざわざ別の文章で言う必要はないですよね。最初にI would ratherって言っているわけですから、何か付け加えたかったら、I would ratherに続けて言えばいいのでね。なので、ratherの後に来る文章の主語は自分ではない人、あるいは、人たち(つまり他人)になるわけです。
では次の疑問、「動詞が過去形になっているのはなぜ?」ということについて。基本、動詞が過去形である場合は、あること(動詞で表されること)が過去に起きたこと、っていうのは誰でもわかりますよね。でも、過去に起きたことでもないのに、文章に過去形が使われている場合がありますよね。例えば…I wish I were a bird(もし自分が鳥だったらな〜)っていう文章(そう、仮定法の文章ですね)。文全体の時制は現在なのに、その中に入っている文の主動詞が過去形になっている。なぜ過去形を使うのか?それは、その文章自体が実在のものではないことを示したいからです。
もし、前述の文で、I wish I am a bird.と言ったらどうなるのか?I wishって言って、「これから言うことが現実になればいいな」って言いたいのに、その後の言葉(I am a bird)で、「自分は鳥だ!」って断言している。英語での時制(現在と過去)は文の重要な役割を担っているので、それを使う場合は、事実として、あることが現在のことであれば現在形を使い、それが過去のことであれば過去形を使うのが鉄則です!でも、現実でないことも言いたい時がありますよね。そのような時は、動詞を過去形にします。文全体の中心の動詞(主動詞)が現在形なのに、その中にある文の動詞が過去形…不自然ですよね。そう、その不自然さが、その動詞で表されることが実際には起こってないことを聞き手に伝えるわけです(ここ重要です!何度も読んで理解してくださいね!)。
結論。文全体が現在のこと、あるいは、過去ではないこととして話される(書かれる)時、その中に含まれる文の主動詞が過去形になっている場合には、その含まれている文の内容は、仮定のことや想定の話であり、実際に今起きている(実在している)ものではないということです。つまり、そのような文の過去形の動詞は、過去を表す動詞ではなく、「仮定や想定を表す動詞」ということになります。長くなりましたが…分かっていただけましたでしょうか?え、そんなことはもうとっくに分かっているってですか?ならば、長々と恐縮です…(冷汗)。
(気持ちを入れ替えて…)ということを頭に置いて再度今回の英文を見てみると…
I’d rather we ate at home.
(家で食べる方がいいな。)
ratherが導く「we ate at home」は、現実のことではなく、仮定(想定)の話ということになり、話し手は、「私たちが家で食べている」というpicture(絵)を頭に描き、この文章で、そうなればいいのに、その方がいいな〜って言っているわけです。
今回の表現の重要なポイントは以下のとおりです。
「I’d rather(〜を好む、〜の方がいい)の後に来る内容に他人が関わっている場合は、その内容を文章にして、そこで使う主動詞は過去形にすること。」
「ん〜でも、まだ何となくわかりにくい」ですよね。では、そのような文(文型)が入った会話を以下に記しますので、さっと読んで理解してみてください。きっと分かってもらえると思います!あ、ちなみに、BillyとJimmyは兄弟ですよ。では、どうぞ!
Billy: Shall we walk home after the party?
(パーティが終わったら、歩いて帰る?)
Jimmy: I got a message from Mom.
(母さんからメールがあったんだ。)
She’d (would) rather we caught the bus.
(パーティが終わったらバスに乗ってくるようにってさ。)
By the way, what did Mary tell you about me?
(ところでさ〜、メアリーは僕のこと、何て言ってたの?)
Billy: Well, I would rather she told you about that.
(それは…彼女から言ってもらった方がいいな。)
Jimmy: Okay, I’ll ask her tomorrow, then.
(分かった。じゃあ、明日にでも彼女に聞いてみるわ。)
どうでしょうか?今回はちょっとややこしい話だったでしょうかね。でも、言葉は生き物。ちょっとした表現で気持ちの機微を伝えることができますからね。少しずつでもいいので、単語、表現の幅を広げてもらえたらと思い、今回は2回に渡り、(I)’d (would) rather〜の表現を取り上げました。ではまた!See you in the next article, guys! Nao
■[主語]+would rather + [動詞の原形(不定詞)〜] + than + [動詞の原形(不定詞)]〜
(〜するよりも、むしろ〜したい(するようがいい))
以下がその例文でしたね(確認のため…)。
I would rather [listen to music ]than [watch TV].
「僕はテレビを観るよりむしろ音楽を聴く方いいな。」
では今回の表現を見てみると…。
I’d rather we ate at home.
(家で食べる方がいいな。)
「ん?ratherの後は動詞の原形が来るんじゃないの?来てない、しかも、ratherの後は文(節)が来ているし〜…で?その文で使われている主動詞は過去形!わけわからん!」
ですよね〜。同感です!だいたいratherは副詞なわけで、その後に動詞が来なければ正しい文にならないはずですよね。そこで、ratherの役割を辞書等でいろいろ調べてみました。また、二人のネイティブスピーカー(アメリカ人)にも聞いてみました。その結果、辞書にはratherが動詞(他動詞)として使われるとの記述はないのですが、実用的には、節(文章)の前に来るときには動詞の役割をしているようです。つまり、「〜(文が表す意味)の方がいいな」という感じです。文型的には以下のようになります。
主語+rather+(that)+S(主語+動詞+(名詞)+(前置詞句))
*S(entence)の構造は意味により変わります。
このようなratherの使い方って、ちょっとわかりませんよね〜。ただ、ratherがそもそも持っている意味が「〜よりも〜の方を好む(〜の方がいい)」といったものなので、その後に来るのが動詞であれば、それをするのを好むということになり(I would rather listen to music than watch TV.のように)、そして、その後に来るものが文章であれば、その文が意味することを好む、というように理解すればいいと思います。
しかし、ここで注目しなければならないのは、ratherに続く文の主語と動詞です。今回の表現をもう一度見てみましょう。
I’d rather(that)[we ate at home].
(家で食べる方がいいな。)
ratherが導く文の主語は自分(I)ではないですよね。そして、その文の主動詞は過去形になっています。まずこれはなぜか、考えてみましょう!
あ、「早く答えを!」ですよね(苦笑)。まずその主語がI(自分)でない理由は…自分だったら、その内容をわざわざ別の文章で言う必要はないですよね。最初にI would ratherって言っているわけですから、何か付け加えたかったら、I would ratherに続けて言えばいいのでね。なので、ratherの後に来る文章の主語は自分ではない人、あるいは、人たち(つまり他人)になるわけです。
では次の疑問、「動詞が過去形になっているのはなぜ?」ということについて。基本、動詞が過去形である場合は、あること(動詞で表されること)が過去に起きたこと、っていうのは誰でもわかりますよね。でも、過去に起きたことでもないのに、文章に過去形が使われている場合がありますよね。例えば…I wish I were a bird(もし自分が鳥だったらな〜)っていう文章(そう、仮定法の文章ですね)。文全体の時制は現在なのに、その中に入っている文の主動詞が過去形になっている。なぜ過去形を使うのか?それは、その文章自体が実在のものではないことを示したいからです。
もし、前述の文で、I wish I am a bird.と言ったらどうなるのか?I wishって言って、「これから言うことが現実になればいいな」って言いたいのに、その後の言葉(I am a bird)で、「自分は鳥だ!」って断言している。英語での時制(現在と過去)は文の重要な役割を担っているので、それを使う場合は、事実として、あることが現在のことであれば現在形を使い、それが過去のことであれば過去形を使うのが鉄則です!でも、現実でないことも言いたい時がありますよね。そのような時は、動詞を過去形にします。文全体の中心の動詞(主動詞)が現在形なのに、その中にある文の動詞が過去形…不自然ですよね。そう、その不自然さが、その動詞で表されることが実際には起こってないことを聞き手に伝えるわけです(ここ重要です!何度も読んで理解してくださいね!)。
結論。文全体が現在のこと、あるいは、過去ではないこととして話される(書かれる)時、その中に含まれる文の主動詞が過去形になっている場合には、その含まれている文の内容は、仮定のことや想定の話であり、実際に今起きている(実在している)ものではないということです。つまり、そのような文の過去形の動詞は、過去を表す動詞ではなく、「仮定や想定を表す動詞」ということになります。長くなりましたが…分かっていただけましたでしょうか?え、そんなことはもうとっくに分かっているってですか?ならば、長々と恐縮です…(冷汗)。
(気持ちを入れ替えて…)ということを頭に置いて再度今回の英文を見てみると…
I’d rather we ate at home.
(家で食べる方がいいな。)
ratherが導く「we ate at home」は、現実のことではなく、仮定(想定)の話ということになり、話し手は、「私たちが家で食べている」というpicture(絵)を頭に描き、この文章で、そうなればいいのに、その方がいいな〜って言っているわけです。
今回の表現の重要なポイントは以下のとおりです。
「I’d rather(〜を好む、〜の方がいい)の後に来る内容に他人が関わっている場合は、その内容を文章にして、そこで使う主動詞は過去形にすること。」
「ん〜でも、まだ何となくわかりにくい」ですよね。では、そのような文(文型)が入った会話を以下に記しますので、さっと読んで理解してみてください。きっと分かってもらえると思います!あ、ちなみに、BillyとJimmyは兄弟ですよ。では、どうぞ!
Billy: Shall we walk home after the party?
(パーティが終わったら、歩いて帰る?)
Jimmy: I got a message from Mom.
(母さんからメールがあったんだ。)
She’d (would) rather we caught the bus.
(パーティが終わったらバスに乗ってくるようにってさ。)
By the way, what did Mary tell you about me?
(ところでさ〜、メアリーは僕のこと、何て言ってたの?)
Billy: Well, I would rather she told you about that.
(それは…彼女から言ってもらった方がいいな。)
Jimmy: Okay, I’ll ask her tomorrow, then.
(分かった。じゃあ、明日にでも彼女に聞いてみるわ。)
どうでしょうか?今回はちょっとややこしい話だったでしょうかね。でも、言葉は生き物。ちょっとした表現で気持ちの機微を伝えることができますからね。少しずつでもいいので、単語、表現の幅を広げてもらえたらと思い、今回は2回に渡り、(I)’d (would) rather〜の表現を取り上げました。ではまた!See you in the next article, guys! Nao