太陽光エネルギーを直接電気エネルギーに変える太陽光発電は、電力供給が恒常的ではないという欠点がある。これを補う手法の一つが太陽光による水の分解である(water-solitting)。水素は燃料として貯蔵可能であり、しかも環境にやさしい。以前酸化チタンを触媒として光によって水を酸素と水素に分解する手法について説明した(10/18参照)。
水を分解するもう一つの手法が、光電気化学電池である。この手法では水を半導体と金属の電極で光分解する。半導体電極を負に、金属電極を正にし、半導体電極に光を照射して電子正孔対を作る。半導体電極で作られた電子は外部回路を通って金属電極に移動する。半導体電極に残った正孔が水に作用して水素と酸素に分解する。高価な化合物半導体を用いると20%近い効率が得られている。
ナノ粒子を用いて効率を上げようとする試みがいくつかなされている。半導体電極に多孔性(12/5参照)材料を用いると、表面積が増えたことになり効率が上昇するという。
最近カリフォルニア大学の研究グループは、シリコンナノワイヤーの森(10/25参照)を陽極に用いることを試みた。ナノワイヤーの森を用いることの利点は二つある。一つは光が有効に吸収されること、第二は陽極の表面積が増加することである。この実験では表面積が40万倍になっているという。残念ながら、シリコンは水の分解効率があまり大きくなく、水素発生に関しては明確な結果が得られていない。
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