11/8余録 ハンカチ王子
「まだまだ野球選手として、人間として未熟だと思っています。大学の4年間を通じて成長していけたらいい」。夏の甲子園優勝投手、早稲田実業の斎藤佑樹投手が大学進学を表明したのは4年前の秋だった。
高校の講堂で行われた記者会見。「ハンカチ王子」として甲子園でさわやかな印象を振りまいた斎藤投手は会見終了後、自分のイスばかりか同席した校長や野球部監督のイスも元通り並べ直した。自然に出た、さりげない仕草が斎藤投手の好感度をより高めた。
早大1年の春から開幕投手を任され、昨年11月には野球部第100代の主将に選ばれた。東京六大学リーグ戦は通算31勝15敗。4度のリーグ優勝に貢献し、期待通りの実績を残した。先月28日のドラフト会議で日本ハムの1位指名を受け、いよいよプロ野球に挑む。
ファンの注目は高校3年の夏の甲子園決勝、再試合までもつれた駒大苫小牧の田中将大投手との対戦だ。一足早くプロ入りし、この4年間で楽天のエース格に成長した田中投手と、今度はプロの舞台で勝負する。果たして大学での4年間が「回り道」だったのかどうか。
田中投手だけではない。今年、沢村賞を獲得した広島の若きエース、前田健太投手や巨人の坂本勇人選手ら同学年の選手たちもプロの世界で中心選手としての地位を築いている。高校では頂点に立った斎藤投手を、「ハンカチ世代」の先輩プロたちが手ぐすねを引いて待つ。
就職氷河期に、いまも就活に駆け回る大学4年生は少なくない。同世代の若者たちに勇気と元気を与えることができるか。選手として、人間として成長した斎藤投手を早く見てみたい。
「まだまだ野球選手として、人間として未熟だと思っています。大学の4年間を通じて成長していけたらいい」。夏の甲子園優勝投手、早稲田実業の斎藤佑樹投手が大学進学を表明したのは4年前の秋だった。
高校の講堂で行われた記者会見。「ハンカチ王子」として甲子園でさわやかな印象を振りまいた斎藤投手は会見終了後、自分のイスばかりか同席した校長や野球部監督のイスも元通り並べ直した。自然に出た、さりげない仕草が斎藤投手の好感度をより高めた。
早大1年の春から開幕投手を任され、昨年11月には野球部第100代の主将に選ばれた。東京六大学リーグ戦は通算31勝15敗。4度のリーグ優勝に貢献し、期待通りの実績を残した。先月28日のドラフト会議で日本ハムの1位指名を受け、いよいよプロ野球に挑む。
ファンの注目は高校3年の夏の甲子園決勝、再試合までもつれた駒大苫小牧の田中将大投手との対戦だ。一足早くプロ入りし、この4年間で楽天のエース格に成長した田中投手と、今度はプロの舞台で勝負する。果たして大学での4年間が「回り道」だったのかどうか。
田中投手だけではない。今年、沢村賞を獲得した広島の若きエース、前田健太投手や巨人の坂本勇人選手ら同学年の選手たちもプロの世界で中心選手としての地位を築いている。高校では頂点に立った斎藤投手を、「ハンカチ世代」の先輩プロたちが手ぐすねを引いて待つ。
就職氷河期に、いまも就活に駆け回る大学4年生は少なくない。同世代の若者たちに勇気と元気を与えることができるか。選手として、人間として成長した斎藤投手を早く見てみたい。