【時事(爺)放論】岳道茶房

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11/7編集手帳

2010年11月07日 | コラム
11/7編集手帳

 尾崎行雄は、政治の節目節目で心境を短歌に残している。1936年(昭和11年)に詠んだ一首。〈めでたかる此(こ)の議事堂にふさわしき議員を得るはいつの代ならん〉

 その年のきょう11月7日に現在の国会議事堂が落成した。白亜の殿堂を埋め尽くしたであろう祝賀ムードの中で独り、皮肉かつ冷徹な眼(め)を失っていない。さすがに憲政の神様と称(たた)えられる人だ。

 国会は約4年をかけて議事堂外壁の洗浄を進めてきた。その化粧直しが終わろうとしている。あとは中央塔を残すのみ。最近まで塔を覆っていたシートも徐々にはずされつつあり、議事堂全体が創建当時の美しさを取り戻す日も近い。

 外側はきれいになったとして、問題は内側だ。近隣諸国に対してあたふたするばかりの政府、疑惑を持たれた所属議員に国会での説明すらさせられない与党――。この際、中身も丸洗いしてくれよ、と思う人は少なくなかろう。

 第1回帝国議会の召集から数えると、今月は120年の節目でもある。咢堂(がくどう)翁に一首所望したい所だが多分、同じ歌を繰り返すしかないだろう。さて、ふさわしき議員を得るはいつの代ならん。


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