【時事(爺)放論】岳道茶房

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11/8編集手帳

2010年11月08日 | コラム
11/8編集手帳

 ある国が急成長すると、周囲から警戒の目で見られるのが歴史の常なのかもしれない。20世紀初頭の西欧では、勢いを増す米国やドイツが異質な国と見られていた。

 20年前のバブル時代には、世界を席巻するジャパン・マネーが脅威と受け止められ、日本異質論が喧伝(けんでん)された。しかし、世界には多様な文化があり、国や民族にはそれぞれの個性がある。特定の国を安易に「異質」と決めつける議論は慎むべきだろう。

 とは言え、最近の中国はどうか。尖閣諸島沖の漁船衝突事件に対する手荒な報復措置などに「理解を超えた国」という印象を抱いた人も多かったことだろう。日中共同世論調査で、中国を信頼できないと答えた日本人は87%に上った。

 「論語」には「貧しくても諂(へつら)わず、豊かでも驕(おご)らないのはいかがでしょう」と孔子に弟子が問うくだりがある。「どちらもよろしい。だが、貧しくても道義を楽しみ、豊かでも礼儀を好む方が上だよ」と孔子は答える。

 そんな礼節を重んじる文化に日本人は敬意を抱いてきた。ところが、国が豊かになるや無理難題を押しつけてきた。その豹変(ひょうへん)ぶりに驚きを禁じ得ない。


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