【時事(爺)放論】岳道茶房

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11/9編集手帳

2010年11月09日 | コラム
11/9編集手帳

 何年か前、第一生命保険『サラリーマン川柳』の優秀作に感心した覚えがある。〈喜ぶな上司と野球にゃ裏がある〉。一昨日、一句をかみしめた。上司ではなくて、野球のほうである。

 あと3人を料理すればロッテに歓喜の胴上げが待つ九回裏、中日がそれを許してくれない。和田一浩選手の三塁打が出て同点、延長戦へ。前夜も延長十五回を引き分けている。テレビ桟敷にいて疲れたのだから、選手たちは心身くたくただったろう。

 “死闘”が誇張に聞こえなかった今年のプロ野球・日本シリーズ、最後はロッテが延長十二回で決着をつけ、日本一に輝いた。

 格別のスター選手がいたわけではない。ベテランも若手も高校球児のように目の色を変え、実況アナウンサーの言葉を借りれば「誰を褒めたらいいのか分からない」総力戦の面白さであっただろう。息の詰まる上司ならぬ、息詰まる一投一打こそがプロ野球の醍醐味(だいごみ)と改めて知る。

 開幕前は「リーグ3位のチームが日本一になっても、なんだかなあ…」と、幾らかモヤモヤした気持ちがあったことを白状しておこう。威風堂々、文句なしの日本一である。


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