【時事(爺)放論】岳道茶房

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11/7余録

2010年11月07日 | コラム
11/7余録 民主主義

 民主主義について、チャーチル英元首相が「最悪の政治形態」としたうえで「これまでに試みられてきた、他のあらゆる政治形態を除けば」と演説したのは、1947年11月だった。

 衆愚に陥るなど欠陥もあるが、人類が獲得した政治形態としてはベストである、というあまりにも有名な逆説だ。今、しみじみこの金言をかみしめているのは、中間選挙で大敗したオバマ米大統領ではないか。

 「チェンジ」を合言葉に2年間、経済危機を乗り切り、医療保険改革、核不拡散などいくつもの公約に粘り強く取り組んできた。それでも米国民からは「ノー」を突き付けられた。不況、雇用不安を解決できなかった、というのである。

 この選挙結果は、今後のオバマ政治を縛るだろう。核不拡散、温暖化防止など協調型政策は棚上げされ、経済政策も自由がきかなくなる。勝利した共和党に代替策があるとも思えないが、これが民主主義の宿命だ。オバマ氏も「われわれは2年間成果を上げてきたが、多くの国民がそれを実感できないと表明した」として責任を認めている。

 民意はかくも厳しい。ロシア大統領の北方領土訪問の背景には、2年後の選挙に向けた強さの演出があるというし、共産党独裁の中国ですら首脳が「もろい民意」に神経をとがらせているようだ。

 翻って我が国はどうか。1年前の民意に政治がちゃんと答えを出しているのか。オバマ氏を持ち出すまでもなく、現時点では「ノー」だ。ここは、チャーチルのもう一つの名言で行くのが賢明だ。「悲観主義者はすべての好機の中に困難をみつけるが、楽観主義者はすべての困難の中に好機を見いだす」


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