【時事(爺)放論】岳道茶房

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4/16余禄「中国・青海省地震」

2010年04月16日 | コラム
4/16余禄「中国・青海省地震」

 大陸の内陸部の地震で史上最大級なのは1950年8月15日にチベットで起こったマグニチュード(M)8.6という地震である。2日後に当時の本紙は「“世界の屋根”を揺り動かす/西蔵に大地震」という見出しで伝えている。

 もっとも当時は朝鮮戦争のさなかで、中国軍のチベット進駐直前という時代だった。インドからの外電が社会面の小さなベタ記事になっただけで、内容も「震動は数百万トンの岩石がなだれ落ちたかのように数万平方マイルに波及した」と大ざっぱな話しか書かれていない。

 インド亜大陸をのせたインドプレートがユーラシアプレートを圧迫してできたヒマラヤ山脈やチベット高原である。今も動いているプレートによってたまったひずみが地震を多発させてきた。14日、中国青海省の玉樹チベット族自治州を襲った地震はM7.1だった。

 被災したのは標高3700メートル前後のチベット族の居住地で、伝統的信仰や文化が色濃く残る地方という。震源に近い町では日干しれんがの住宅の大半が倒壊し、明け方まだ寝ていた人々ががれきにのみこまれた。生存者たちも氷点下の屋外で救助を求めているそうだ。

 救援への不満がつのれば反政府感情に火がつきかねない被災地である。中国政府は災害対策のレベルを最高に引き上げて救助隊を送り込んだ。一方では被害の実態や被災者の声の報道よりも、当局の救援活動をアピールするメディアの統制も行われているようである。

 上海万博をひかえ政治的危機管理に神経をとがらす中国だが、まず今は被災地救援が第一だ。被災者と国民、世界をつなぐ情報の回路は開いておいてもらいたい。


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