西京極 紫の館

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帰れる場所と「おかえり」と言ってくれる人

2021年10月29日 19時18分40秒 | 日々の雑感
NHK朝のテレビ小説おかえりモネ最終週。
ドラマチックな事件が起こる事もなく、
淡々と日常を描きつつ、
それでいて登場人物たちそれぞれの小さな苦悩が癒されていく  そんなドラマでした。

舞台は宮城県気仙沼と登米、そして東京。
それぞれの土地の美しさを存分に盛り込んだ映像が素晴らしかった。
このところのNHK朝ドラは地方を舞台にしておきながら、
あまり「綺麗だな、行ってみたいな」と思わせる様なシーンがなかったけど、
『おかえりモネ』は本当に気仙沼と登米の自然を感じられた。
東京の景色さえも美しく清々しく見えた。演出すごい。

お話もベースに東日本大震災があるけれど、
過度な悲壮感を前面に出さない事で逆にリアリティがあった。
みんな震災で心に傷を負いつつも、
ある者はそれから目を背け、
ある者はそれに囚われ続けている。
それは自力でどうにか出来るものではなく、
誰かに“赦し”を求める事で癒されていく。

主人公・百音を演じた清原果耶ちゃん。
等身大のどこにでもいる女の子を自然体で演じた。
百音を支える若き医師・菅波を演じた坂口健太郎くん。
コミュ障っぽくも誰もが共感する人物像でした。

モネの父(内野聖陽)も母(鈴木京香)や家族たち、
モネの友人たちもみんなイイ人だけどどこかに影がある。
みんな何かで傷を負って、それから逃げて、やがて戻って来る。
戻って来て、誰かに、何かに赦される。

不寛容な世界になってしまった現代社会。
タイトルに込められた
相手に心から「おかえり」と言って迎え入れてあげる寛容さ
それこそが本当の意味のダイバーシティではないのか?

帰れる場所があれば、
自分を待っていてくれる人がいれば、
人は前を向いて強く生きていける。


そんなことをこのドラマは教えてくれた気がします。


次週からは3人ヒロイン制で大正・昭和・平成・令和の4つの時代を描く
『カムカムエヴリバディ』。