思考の踏み込み

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寿司7

2014-02-16 00:15:45 | グルメ
健康食ブームで和食は今、世界で人気を集めているがそれもまた和食の持つ完成度の高さの要素の一つであろう。

医食同源というが、本当に美味しいモノは身体に良いものであるべきだ。
フォアグラなどとても食べ続けられるものではない。

食べるという行為の要素の本質は、多くの場合において栄養の補給であるよりも自己の内的エネルギーの鬱散、燃焼であることの方が多い。この事はなかなか気付きにくい。
(おそらくこの "燃焼" と食における副交感神経優位への移行は関連性を持っているのだと思う… )



燃焼を促進する食べものを美味しいと感じているうちは従って本当の味には触れていないものだ。

この意味で最も燃焼を促し、しかも急速である点で砂糖の糖分は特殊なものといえる。
( 麹などが産み出すブドウ糖といった自然な甘みとは別である。)

それ故に疲労した時ほど甘いモノを身体は欲するのだが、摂取し過ぎれば有害な燃えカスが多く出やすい。甘いモノ好きはこの感覚がわかりにくいらしい。




体力の余った者が脂っこいものを好むのも、女性や子供が甘いモノを好むことも以上の意味で無理からぬことだが、それは生理的心理的要求の面が強く、"味わう" という本質からは遠い。

「真味淡白」という。
その通りであろう。

そして伝統的な和食はこの感覚 ー 真味の追求であった。
和食が健康食として注目される素地はこの辺りにある。

"和食" が群を抜いて素晴らしいといえる理由もまたここにあると私は考えている。

ミシュランガイドという怪しげなランク付けがあるが、その是非はともかく一つの基準としてミシュランの星の数だけみても世界で一番多い都市が東京であるということはある意味当然なことと言えるだろう。

これは日本人の性質に帰結すると思う。つまりホンモノ志向と日本人の器用さである。
一流のイタリア料理を作る日本人がいても、イタリア人の一流寿司職人など聞いたことがない。

だからといって飽食するべきだというわけではない。それだけの高い食文化圏に我々がいることを認識し、その背景にあるものが何なのかを考える事が大切である。

それは何を近代日本人が見失ってきたか、そして何を取り戻し何を守ってゆくべきかということまで教えてくれるだろう。

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