思考の踏み込み

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祝 一周年

2014-10-25 08:00:19 | グルメ
過ぐる九月十四日 (だいぶ過ぎてしまったが…。)、この日はカスクドールの開店一周年。
粗品を持って顔を出してきた。



何が凄いかといって、この一年間、マスターが盆も正月も、雪の日も台風の日も、一日も休まずに営業されたということだろう。

古き良きオーセンティックバーでは、お客さんがいつ来ても開いている、というスタイルを作るために、年中無休のお店はよくあったとはいえ、それも今は昔。

ましてお一人の営業で、しかもけして20代30代の若い年代でないカスクドールのマスターが、一年間その事を実行したという事はまったく頭が下がる話である。

だが本当に凄いのはそんなことではなくて、マスターの伊藤さんがそんな気配を微塵も感じさせない所にある。

何かのスタイルを貫こうとすると、普通、人は思想的になったり悲壮感を表したり、必死になったりしてムリをするものだが、マスターにはまったくそういうそぶりは無い。
ごくごく自然体で、少なくともカウンターの中ではいつも普段通りである。

この日もちょうど、カウンターの隣の席のお客が、そういう話をしていた。
このお店はお休みいつですか?
と問う女性客にマスターは「年中無休です。」
え、お一人で営業されてるんですよね?
そう言って驚く女性にマスターは、自分の店なので当たり前ことですよ。と、サラッと答えていた。



愚痴も弱音も、それに類する感情すらその態度からは匂ってこない。
まして自慢や誇ってみせるような気配があろうはずもない。

これは中々できることではあるまい。

もちろん休みなしで働くということが、簡単なことであるはずがない。
見えないところで、それを乗り越える為の人知れぬ日々の作業は相当に為されているだろう。

だがひとたびカウンターに立てば、そうした部分は毛ほども人に見せない。

"プロフェッショナル" とはこういう人の事をいうのではないだろうか。

普通の店の一周年とはそういう意味でちょっと違う。私がカスクドールが大好きな理由も、お酒のポテンシャルとかクオリティだとか、そんなことよりも以前に、このマスターの人間性が何より一番大きい。

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