きみが生まれ変わるしかないくらい
美はきみを叩き壊し 焼き尽くす
最後の曲です。
この曲は、ズバリ名曲です。
名盤のラストを飾るにはこれ以上ないくらいに相応しい、
ただきれいにまとめるだけではなく“その先”まで思い描かせる力のある確かな一曲に仕上がっています
浮遊感のあるメロディとアレンジ、その多幸感に酔い痴れつつ、終盤には爆音の渦が押し寄せ、
まるで飛行機のフライトのように聴き手に前を向かせる効力のある楽曲だと思ってます
何より、その気持ち良いくらいのシンプルな爆音のぶつかり合いによるカタルシスが大好きな一曲ですね
ライブで聴いても純粋なノーベンバーズの格好良さに痺れる事が出来る最新のアンセムだと思う。
まあ、結果的にこの後「TODAY」が出て最新ではなくなってしまったんですけど(笑
それでもあからさまに「未来」を感じさせるこの音飾は素晴らしいな、と。
結局のところ、
これまでの自分を壊すのは自分でしかなくて、
退屈な風景や満たされない現状を打ち砕くのは自身の手や足でしかない
それに気付けるかどうか、
或いは、
気付いた上で感じた絶望を堪えて、
それでも前に進めるかどうか・・・が大事なんじゃないか、って思います
待ってても動かない
期待しても救われない
だったら、
少しずつでも手前の足で進んで「何か」に向かうのが一番泥臭くて美しい行為なんじゃないか、と。
この曲を聴いていると、そんな事を痛感しますし、シンプルな「行こうよ。」というメッセージ(に似た何か)が、
素直に心に響いて聴き手の背中を押してくれる・・・そういう確かな力がある名曲に仕上がってると感じます。
同じ場所で
じっとするのに
今日も忙しい
あまりに退屈な
長い旅行
「諦めるな」「頑張れ」「負けるな」とかも直接的かつ小細工の無いフレーズで嫌いではないですが、
こういう風に直接的ではなく間接的に聴き手に頑張らせるような効力を含んだ練り込まれたフレーズも大好きです
自分を楽しくするのも、自分を満たしていくのも、自分の人生を変えて行くのも全て自分次第。
分かっちゃいるけど、中々実行出来ないお間抜けな自分を叩いて目を醒まさせるような痛快な一曲、
それと同時に、
傷付かない安全な場所にずっと留まっていると、
そこから一歩動くのですら難しくなってしまう・・・という、
ある種の皮肉と教訓が効いてるのも聴いてて面白い楽曲だと思います。
何かを変えるのなんて、
本当は大したことでも何でもなくて、
そこから一歩動くだけ、
そこから石ころを投げこんでみるだけ・・・で、
いつだってそれが(人にとって)変化するチャンスなんだと感じますね
そんな気持ちを高揚感に満ち溢れた爆音で彩って送り出す渾身のロックアンセム、
最後に子供たちの楽しそうな声で終わるのも「あの頃の純粋さを思い出してみれば?」という問いかけのようにも思える、
そんな捻られた演出も光っているのもノーベンバーズらしい“粋”があって大好きな曲ですね。
正にロックバンド然としたスケールのデカさが堂々と響いてるのが最高です。
以上で、
ノーベンバーズの最新の最高傑作である「Hallelujah」の全曲レビューを終了します
ここまで読んでくれた人が居ましたら本当にありがとうございました。
既に来春、新譜が出る事はアナウンスされておりますので、
また新しい作中観に触れるのも楽しみです。
その前に、ライブにも行きたい!