サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【シングルレビュー】君の隣にいたいから/SHISHAMO

2019-10-20 | シングル感想
                             







1.君の隣にいたいから
2.またね
3.君の大事にしてるもの






君のやつほど立派じゃない羽
精一杯広げて
自分の空を探すよ(君の隣にいたいから)








半年ぶりのニュー・シングル
また、ベストアルバム発売後初となるシングルなので、
そういう意味合いでも「次」に向けて繋がるシングルになると思ってるんですが・・・
アレンジ的には非常にポップ、かつ、流麗なギターリフが兎角気持ち良い爽やかな楽曲に仕上がっています
思い切り大空を駆け上がるような曲調、丁寧に紡がれるメロディ、メッセージ性の強い歌詞。。
そのどれもがしっかりと作り込まれていて流石シシャモ、と言える盤石の一曲だと思う
それと同時に、
ちょっと新しい扉開いたかな、っていうか、
より一般層にも伝わりやすいキャッチーさがこの曲には含まれてる気がして、
そういう意味合いでもシシャモの変化及び進化を感じやすい新曲になっている、と感じました
その上で、根底にある、元々持っている後ろ向きな感情の吐露も忘れてない塩梅がまた見事な楽曲ですね。

なんでしょうね、
結局、
「君のやつほど立派じゃない」って表現は、
ともすれば卑屈と捉えられてもおかしくない表現だと思いますけど、
曲調やアレンジが爽やかなのでそんなに女々しくないというか、
むしろ、
そんな自分を認めつつ、
自分なりに精一杯やるんだ・・・!っていう転がるような想いを感じるんですよね
そこがこの曲の一番好きなところ、肝っていうか、現実的っていうか、シシャモ的っていうか(笑

要するに、それってコンプレックスだと思うんですよね
自分より他人の方が優れてる気がする
自分より他人の方が器用にやってる気がする
自分より他人の方が持ってる気がする。
正直な話、
俺自身それらの感情を全部(それも強固に)抱えてたりするので、
それもあってこのフレーズが聴いてて心に響いた・・・というか単純に好みなのかもしれません
もっと言えば、卑屈なら卑屈でもそれでいい、それすらモチベーションに変えて進む、
そういう必死さと力強さがこの曲にはあって、
ある意味「OH!」にも通ずる、
表現としては曲調とかは違えど地続きだな~と素直に思えたのも良かったです
また、兎に角ギターリフが凄い美しくて聴く度に夢中になってしまうクオリティでもあるので、
そういう単純に楽曲の美しさに惹かれて聴き込むにも適したシングルになっている、とも思います



君を馬鹿にする奴がもしもいるなら
そんな奴気にすることはない
そんな奴の言葉に
律義に傷ついてあげることはない(君の隣にいたいから)




また、このフレーズもいいですよね・・・
「律義に傷ついてあげることはない」、なるほど、と思いますし
その後に「自分の空を探すよ」と歌っているので、
ああ、
そうか、
自分は自分の道を往けばいいんだ。って素直に感じられますし、
爽やかな曲調とは裏腹に根底には相当の反骨精神が眠っている、
ポップでありながら精神的には強いロック魂を感じる、そういう曲だと思います
ライブで聴くとまた更に気持ちが良かったりするので、是非冬のツアーでも聴きたい一曲ですね。






表題曲だけで長くなってしまいましたが、
カップリングの「またね」「君が大事にしてるもの」も名曲です
「またね」は、自分がこんなに好きなのに、その気持ちが一方通行である事に空しさを感じて、
別れを決意する・・・っていう個人的にはかなりその心情がよく分かる一曲
ストレートなピアノロックでミドルテンポのバラッドに仕上がってます

でも、そういう気持ちってある種普遍的でもありますよね
普遍的だけど、みんなあんまり口に出さないだけで、
そういう心情を歌にするのがシシャモの良さであり、
繊細さを売りにしている丁寧な楽曲だと思います

「君の大事にしてるもの」は、ゴリゴリのロックナンバー、かつ
ちょっと病んでる女性が主人公の楽曲で朝子さんのセクシーな歌声も加味してとても面白い曲になってます
この曲は、かなり尖ってるというか、異色な楽曲だと思いますけど、正直聴いてて何故か気持ちが良い・・・という
不思議な楽曲でもあると思います 物に固執する男と自分を見て欲しい女のストーリー、
多少行き過ぎな狂った愛情を描きつつ、その切実な想いは分かる部分もあるし、
分からない部分もあるし、無性に切なさを感じる部分もあるし・・・
何とも言えない良さがあるこれはこれで名曲だなあ、って思います
ある意味漫画的な歌詞なのが面白味の理由ですかね。








最近、
もうずっと最近SHISHAMOの音楽にハマってて、
それは多分きっとSHISHAMOの音楽が過剰さとか分かりやすい興奮を求めてるものじゃなくて、
人が感じる普遍的だけどどうしようもない心情・・・を拾い上げてくれている
また、それをきちんと落とし込める表現力が主な理由な気がして、
このシングルにはそういうのが沢山詰まってて、
それが個人的には嬉しかったですね。
とても、大切なシングルです。




最新の画像もっと見る