サブカルチャーマシンガン

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今日も生きたね/THE NOVEMBERS

2014-09-15 | シングル感想









誰にも見つかる事の無い離島で 咲く花にも美がある
ただそれを思い浮かべられないだけ

それだけのことなんだよ
それだけのことなんだけど   (今日も生きたね)













今年の5月にリリースされたTHE NOVEMBERS2枚目のシングル「今日も生きたね」
前回のシングルはシングルと言っても別にタイトルが付いてましたし曲数も4曲入り約30分とほぼミニアルバムに近い形のシングルでした
それと比べると今回は2曲入り約11分と割とシングルのフォーマットらしいシングルに仕上がっているなあ、という感覚ですね。
 ただ、シェアCDという1枚1080円の中に2枚同内容の音源が入っていて他の人とシェアしたり贈る事が出来るという
多分それやってもお金には結びつかないでしょ、っていう物凄い大胆な規格のシングルにもなってます
別にだからといって「なんて純粋なんだ、お金じゃないんだな」と思うというよりは
自主でしかやれない表現の選択の一つなんだな、と個人的に感じました
単純に素敵な企画だと思いますし、
もしノベンバが好きな知人友人がいたなら是非シェアしてこのシングルを一緒に味わってみて欲しいですね。
2曲ともとても静かで穏やかで、それでいて残酷で凄惨な作中観でもって鳴らされているような楽曲で個人的な満足度は高かったですね。


まず、「今日も生きたね」の方なんですが
ここ最近のノベンバの“穏やかサイド”の極みのような楽曲で
淡々と鳴らされるメロディ、純朴な印象のボーカル、静謐なアレンジと
一切の盛り上がりを排除したミドルバラッドに仕上がっています
過去の曲と比べても相当穏やかな一曲ですが歌詞の方は相変わらずの美しさと醜さを掛け合わせたものになっていて
その作中観に触れてるだけでも個人的には心に沁みた楽曲かなあ・・・って素直に感じました
聴けば聴くほど何もかもが沁み入るような曲で凄く気に入っています。

理屈では納得出来る様々な出来事、仕組み
だけど理屈だけじゃ物悲しくもある出来事や仕組み
それに対するメッセージや投げかけでも何でもない
ただの感嘆、
だけどただの感嘆“だからこそ”聴いててカタルシスを受けられるような楽曲に仕上がっていて
その上で「今日も生きたね」と聴き手に囁くように歌うその塩梅が個人的にはグッと来るなあ、と
この世に満ちている小さな悲しみだったり拭い切れないやるせなさにそっと花を添えるような
そんな風にこの楽曲を味わう事が出来ました
これまでの穏やかで優しく、儚いタイプの曲が好きならばきっと気に入ってくれるかなと。

後半には壮大なコーラスも飛び出しある種のアンセム的雰囲気が出来上がるのにとても感動します。
一曲の中で印象が変わっていく、少し気持ち助けられた気分にもなれるのが素敵な曲ですね。
「それだけのことなんだよ」って歌詞の後に
「それだけのことなんだけど」って言葉が付随するのが一番好きです。



カップリングの「ブルックリン最終出口」はポップスにも近い印象のたおやかな一曲
物凄く爽やかなアレンジと慈しみ溢れる歌声に心癒される楽曲になってますが、
歌詞の方はやっぱりギリギリの精神状態を歌うものだったり、
でも、だからこそ、前述の優しげな歌とメロディが切なく響く楽曲にもなってますね

そもそもこの曲は昔からライブでは結構な頻度で演奏してた曲でコンピレーションアルバムにも提供された初期の名曲の一つです
それが今回改めてシングルのカップリングに収められる、という事で新音源はどんなもんだろうって思ってたんですが
多分今まで聴いてた人にも特に違和感のない、どころか想像より上の「ブルックリン最終出口」だったかと
聴き手を救済するような歌声とメロディ、そしてアンサンブルとの調和は正に名曲という形容が相応しい楽曲になってるんじゃないかと思う

ある意味ポップスファンにも受け入れられそうなメロディラインを考えるにこっちのが表題曲向け、って気もしなくもないですが
コンセプト的には「今日も生きたね」のが表題曲には合ってたんでしょうね。その流れで聴くには2曲目のがベストかな、って気もします。
壮大さ加減では「今日も生きたね」の方が上ですし色々と新鮮でもある曲ですからね。
何にせよ、往年のファンなら是非持っていてもらいたい一枚です。大切な言葉がめいっぱい詰まった好シングルですね。



ここではもう優しくなれなくて
それでもきっとどこでも同じなら
彼はもう   (ブルックリン最終出口)


ちょっと(精神的に)追い詰められた時に聴いて欲しい楽曲です。















聖歌のようでもあり、その真逆の歌でもあるように感じられる
絶妙なシングルだと個人的には感じました。
そんなTHE NOVEMBERSは、
早くも次のアルバムとツアーが決まっていてそっちの方もまた楽しみですね本気で。
今のTHE NOVEMBERSは何やっても間違いない、外さない気がします。それがまた格好良い。


なんて美しい日々だろう
なんて美しい日々なんだろう
君を待つ日々は
なんて美しい世界なんだろう   (今日も生きたね)





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