先月の25日に下北沢で吉野寿と向井秀徳の弾き語りツーマンを観ました。
この組み合わせは、
2年くらい前にお互いバンド形態で観ました
NUMBER GIRL×eastern youth「FAN CLUB」@日比谷野外大音楽堂 22.5.8
うむ、
正に素晴らしき対バンだった訳ですが、
それからまたこの組み合わせで観れるって事で…
今回はボーカリスト同士のソロですけどね。
運良くチケットも取れた事もあり行かない訳には行きませんでした
両名とも自分の音楽的趣向や生き方に多大なる影響を与えた方々なので・・・
特に、
叫ぶ様に歌唱するスタイルは本当多くのフォロワーを生んだと思いますね
憧れと憧れが対峙する様は非常に尊いものでした。
それと、
この日は下北沢CLUB Queの30周年イベントの一環でもありました
ライブを観ていてふと気付いたんですが、実は15周年の時にも来てるんですよね
前のブログ観返したらその時はセカイイチとLOST IN TIMEの対バンだった。
と、
言う事は
単純計算でハコの歴史の半分の時代は通ってるって事か。
まあそんなしょっちゅう来ている訳では無いけど、
それ考えると15周年も30周年も客として来られてるってのは奇跡にも感じたり。
あれからまだ元気で生きてライブも楽しんでると思うとしみじみしますね〜
自分の歴史の中にも勿論Queが刻まれてるんだなぁ、と。
● 吉野寿
1. ドッコイ生キテル街ノ中
2.裸足で行かざるを得ない
3.まともな世界
4.走る自画像
5.アバヨ、風の残像
6.ワンチーム
7.夜明けの歌
8.夏の日の午後
何気に、
吉野さん弾き語りで観るの初めてかもしんない。
吉野さんは弾き語りでもエレキギターなんですよね
ぶっ放すスタイルはソロでも変わらず。
ちなみにこの10日前に渋谷クアトロでeastern youthのライブを観たので、
1ヶ月に2回も吉野さんのステージを観れる〜っていうファン冥利に尽きる一日でした。
まず、
缶ビール飲んでからスタート。
ジャリンジャリン鳴るエレキに乗せて、
「無価値な時間が無価値に燃えている」という歌詞が突き刺さる「ドッコイ生キテル街ノ中」
個人的に仕事してる時の自分なんかを想起しつつ…
弾き語りとは言え、
勇ましいエレキの音にハッとする「裸足で行かざるを得ない」
ただ、「そぼ降る雨」ってフレーズは弾き語りらしい哀愁が滲んでて好きでしたね
MCでは、
親に食わせてもらって何がパンクだ!と17歳の頃に家を出た話をしていました
それからはその日暮しだと・・・そんなエピソードの後に個人的に大好きな「まともな世界」!
管理人的に「歩幅と太陽」ってアルバムは大のお気に入りで思い出深いので、
あのアルバムから披露されただけでテンション上がってしまう。
何かに立ち向かうかのように、
懸命に「くそ食らえだ!」と叫ぶ吉野さん
そんな姿はとっても勇ましく見えたし
「ここからは今日も夕焼けが見えるよ
それよりもっとスゲェ事があるのかよ」って歌詞は胸に来た
お前らのまともと俺のまともは違ぇ〜んだよ。という方向性自体が既にパンク。
「Yeah」という咆哮も飛び出した「走る自画像」
更に、
名盤「感受性応答セヨ」から、
あまりライブで披露されてる印象が無い「アバヨ、風の残像」!
そうそう、
ソロだとそういう曲も演ってくれるイメージで。
以前、ぼんやり他人のセトリ眺めていて「脱走兵の歌」とか演ってて
「ソロだとこの曲演ってんだ!」って思った記憶がある
そう考えると、
outside yoshinoももっと観たいなぁ、と。
雄々しさ溢れるサビの歌詞と熱唱に浸っていました。
歌詞と言えば、
「ヤレヤレまいったな」というフレーズの後で「マジで!」とアドリブで付け足したり
それもとっても沁みて良かったですね 弾き語りだと自由度が増すから良いですよね。
ただ、
最終的に(ここも歌詞を変えて)
「そろそろ行くぜ!」と歌っていたのにも聴いてて熱くなった
葛藤や苦悩の後に、それでも。と行く心境が一曲になっている様は感動的でした。
ライブも、後半戦。
吉野さん「向井くんはアーハの「Take on Me」で調子を整えています。」
「あの曲で調整する人初めて見た笑」とかうろ覚えですが語っていました
もう少し向井さんを語る吉野さん
「彼はとても素朴で・・・あと、誰に対してもディスイズ向井秀徳なんですよね」と
上機嫌で話していました。
そして、
コロナ禍の事を歌ったシリアスな「ワンチーム」という曲
これがまた時代の異常性を切り取った胸に肉薄するような曲になってて
とても皮肉が効いた凄まじい一曲にも感じられました。
アイスモナカとか、
日常に根差した言葉の使い方が生々しくて好きでした。
バンドでやるよりももっとしみじみしたブルース然として鳴っていた「夜明けの歌」
そしてメロの良さが際立って聴こえた「夏の日の午後」で吉野さんのステージは終了。
「ご退屈さま
時間です!
ありがとうございました。」とサッとステージを後にする仕草がまた格好良かった。
大好きな曲がいっぱい聴けて素直に嬉しかったですね!
● 向井秀徳
1.6本の狂ったハガネの振動
2.ポテトサラダ
3.鉄風 鋭くなって
4.YOUNG GIRL 17 SEXUAL KNOWING
5.透明少女
6.ブッカツ帰りのハイスクールボーイ
7.クソまみれで踊る
8.性的少女
9.公園には誰もいない
10.永遠少女
11.はあとぶれいく
向井秀徳を弾き語りで観るのは久々。
どれくらい久々かと言うと、
14年半ぶり(!)だった。
2010年の九段会館でのワンマンだったなぁ。なんか、ソロでも度々やってるのに
こんなに久々に観るのって不思議ですね
いかにバンドばっかり観に行ってたかがよく分かるなぁ〜。
それに、
向井さんをあんな近距離で観るのも中々無いよね
武道館じゃ豆粒だろうし・・・
中学生時代から向井さんの存在に憧れてたので、
少し目が合うだけで「キャー!」みたいな心境。管理人は男なのにね・・・笑
「MATSURI STUDIOからやって来ましたTHIS IS 向井秀徳です。」という
いつもの決まり文句を放って「6本の狂ったハガネの振動」からライブはスタート。
この日は、
ザゼン/ナンバガ/ソロとキャリアを網羅するようなセトリだった
これがまた良い。アコギでも、良い。
向井さんの音は
アコギでも存在感あるな〜というか、張り詰めたカンジが良く出ていた。
そして涼やかな感じがした。
名曲「ポテトサラダ」は、
アコギだとバリンバリン掻き鳴らす様にギター弾いてて、
バンドのアレンジよりも攻撃的だったのが印象的だった
もう、
前のめりでポテサラに向かってるカンジ… 意味不明なレポかもしれないけど笑
兎角、その変化が凄く楽しかった。
掻き鳴らし過ぎたのか、ギターの三弦が切れたみたいで
目の前で弦の張り替えしてるトコも見れました
慣れた手つきで・・・
終わった後、拍手起きてましたね笑
「殺人的な暑さから
鉄の様に鋭い風が…」と前口上の後に「鉄風 鋭くなって」
中学生の頃、
この良い意味で支離滅裂で、
尚且つ叙情的な歌詞が大好きだったのを思い出しながら聴いていた
この曲のとき、こっち見ながらスマイルしてくれた感じがして一人勝手にときめいていた笑
あと、アコギで聴くとバンドよりも切ないカンジが増すなぁ、と思った。それも良かったですね。
しんみりとして、
BARで聴いてるかの様な趣きも感じた「YOUNG GIRL 17 SEXUAL KNOWING」
そして、
この曲はアコギでも印象変わらず
チャリンチャリンと掻き鳴らし歌唱していた名曲「透明少女」
そのみずみずしいアコギの音色にウットリしつつ、
アウトロのドラマチックなギターサウンドにも酔い痴れていました。
そして、
ここで「ブッカツ帰りのハイスクールボーイ」!
この曲、レコ発の福島公演に行った時聴けなかったので、
というか新譜の中で唯一生で聴いたことが無かったので
正直かなり嬉しかったなぁ・・・
人それぞれでしょうけど、
自分はニューアルバムが出たら全曲聴きたいタイプなので。
思わぬところで回収出来たな〜と笑
そんで、
これが無茶苦茶良かった。
改めて聴いてると、
凄く詩的というか
情景描写として生々しくて冴えてるというか。
特に「冷めたからあげ」の歌唱が素晴らしかった。
確かに人生の記憶を辿るとやっぱりその時食べてたものが結構先んじて出てくるから。
それが最高の食事かそうでないかは関係なく。(間接的に)人生を過ごすのって味のある事なのかもな…とか
そういう事を思ったりもした。
なんだかんだ食事を楽しんでたあの時は幸福だったのかも、とか
歌唱が印象に残り過ぎて勝手に自分の中でイメージが膨らんで仕方無かったですね。
そういう意味では今風に書くと意外と"エモい"仕上がりだった様に感じた
この曲を生で聴けたのは本当有意義な事でしたね。
ライブも後半戦。
ソロの曲だと思われる「クソまみれで踊る」
タイトルとは裏腹に牧歌的なアレンジで優しい歌だった
そして、
メロディが良かった。
このタイトル自体が人生を過ごす姿勢の参考になるなと思った。
ジャカジャカとギターを鳴らし渋めの雰囲気で聴かせた「性的少女」
「性的少女の見た夢は真っ赤な烏を食らう夢」ってフレーズが
弾き語りで聴いてるのもありかなりインパクト大だった
そして、
「忘れてしまえば 楽勝よ」という歌詞も聴いてて印象に残りました。
振り返ってみると向井さんの歌詞はポンッと重要な事が歌われてる事も多い気がする。
これも凄く良かった「公園には誰もいない」
「別れ話に花咲かせ
恋人たちは涙顔
黙りこくったスズメたち」ってフレーズは不思議だけど息を呑む様な迫力があった
哀愁たっぷりのシックな雰囲気が良かったですね
名曲「永遠少女」
サビの熱唱に感情を揺さぶられつつ、
最後は「はあとぶれいく」で締め。
ザゼンのライブでもよく演ってる定番曲だけど、
なんかアレンジが明るくてギターポップ風に感じられた
原曲のアレンジはもっとムーディで哀愁が漂う印象なので、
こんなにも爽やかな「はあとぶれいく」は初めてで正直笑った
でも、
不思議と似合っていて
「(いつまでたっても)やめられないのね〜」と勇ましく歌う様は
悲しみに酔う事すら織り込み済みで人生を楽しんでるみたいな風にも思えて
また新しい「はあとぶれいく」が聴けた…という手応えがありました。
ここまでの記述を見て分かる通り、
かなり受け取るものが多く
弾き語りでじっくり聴くと改めて向井さんって詩人だなぁ。と深く感じたりして、大満足のステージでした!
あぁ、やっぱり弾き語りも良いな。と感じたので今度は14年半ぶりとかにならない様にしたいな、と。
アンコールも敢行、
しかも
お互いソロでカバー曲2曲
更に一緒に歌う曲1曲…と計3曲の大盤振る舞いでした!
セトリはこう
1.飾りじゃないのよ涙は(向井秀徳)
2.たとえばぼくが死んだら(吉野寿)
3.細やかな願い(二人)
向井さんが「outside yoshino!」と紹介し、
吉野さんが「むかいひでのりくん!」と紹介する
そして、
向井さん「下北沢CLUB Queありがとう」
「30周年おめでとうございます。」と語っていました
この時の二人のやりとりがまた面白くて、
向井さんが始めようとしたら
「ちょ、待てって!」
「(ワンカップの蓋が)かてーんだよ!」と
始める前にお酒飲もうとして上手く飲めなかったので止めたりしてました
その様子が和気藹々としてて良かった…笑
向井さんもお客さんに「余興なんだから厳しい事言うなよ!」とか言ってました
その発言もなんか可愛いくて良かったな笑
その流れで、
まず向井さんが「飾りじゃないのよ涙は」のカバーを披露
言わずもがな中森明菜の名曲ですよね
吉野さんも「参加すんだ!」と漢気を見せてエレキ伴奏で加わっていました。
向井さんはともかく、
吉野さんはあんまりメジャーな曲をカバーするイメージは無かったんですが、
向井さんのノリノリの歌唱に合わせてハモったり、歌詞に合わせた感情的なギター弾いたり…
えらい良かったですね
吉野さんとヒット曲、意外と相性良いじゃない!とか思いました
そのグルーヴに感銘を受けつつ
カバー曲ならなんでも良いって事で
吉野さんはイースタンでも演ってる「たとえばぼくが死んだら」を披露
ガンガン鳴らすエレキギターの音像はバンドにも負けず劣らずのロック感があって気持ち良かった
また、
この曲を一部分向井さんも歌唱
「たとえば俺が死んだら」と一人称を俺にするトコがとっても向井さんらしかった
そしてユニゾンで歌うとこもキモチ良かった・・・!
最後の最後は、
eastern youthの「細やかな願い」を二人で熱唱して終了
吉野さん曰くものすごい久々に歌ったみたいでしたが、
これがまたラストの曲としては相応しい歌詞で
祈りの篭ったフレーズの数々が非常にドラマチックで胸に沁みました
ああ、
歌って素敵だな。と、
そう素直に感じつつ、吉野さんの感情爆発なギターソロにもまたヤラれました
晴れ晴れとしたエンディングに主演の二人も笑顔で最後は「乾杯!」と盃を交わして締めでした
文章量が語る通り物凄くトピックスや感じるものが多くて胸いっぱいになった一夜でした。
大人になっても青春のバンドマンを追い掛けてられるのってただただ幸福ですよね…..
期待以上に素晴らしかったです!!
ありがとうございました!!
改めて下北沢CLUB Que30周年おめでとうございます
ここで様々な思い出を15年前から頂いています
これからもよろしくお願いします。
さて、
実は年内にまたお二方を観にゆきます
まずはZAZEN BOYSの武道館公演!既にソールドアウトという事でめでたい
NUMBER GIRLでも大きいステージあったけどアリーナだったんで、
向井さんを武道館で観るの初めてだから楽しみだ〜
勿論バンドそのものも。
eastern youthは冬の東京ワンマンを観に行く
eastern youthを聴いて負けん気を育んで来たし、
NUMBER GIRLを聴いて聴く音楽の幅が広がった感覚がある
吉野さんも向井さんも自分の人生に於いて影響を与えてくれた方々なので、
これからもずっとリスナーであり続けたいですね。素敵な夜に感謝!です。