サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【デジタルシングルレビュー】まどろみ/chilldspot

2023-10-30 | デジタルシングル










わたしが縋るのは私だ
前を見上げる










最近出たchilldspotの配信シングル。
クリーントーンを活かした小気味良いソウルの匂いも感じるロックチューンで
アウトロに差し込まれているキーボードの音色も良い味を出してるポップさも内包した楽曲になってます
メロディもみずみずしくて、
特に
「頭がclean」の部分は
ここだけ裏声になるのも含めていきなり曲調が変わる感じがインパクト大で面白いです
文字通り聴いていてハッとするというか覚醒する印象もあってその表現力、アイデアも見事だなと
結構、聴き手を無理矢理殴って起こすようなロック的なアプローチでもあってめちゃくちゃ好きな部分
それと「looking up」のやたらクッキリした発音も聴いてて快感だったり、
サウンドは勿論ボーカル面でも創意工夫が光ってる楽曲だと言える。
比喩根さんの声は、
等身大でありながらどこか色気と巧さがあって個人的に凄く好きな現代のボーカリストの一人です
そんなchilldspotの新鮮かつナチュラルな部分が如実に表現されている会心の新曲ですね。


でも、
管理人的に一番グッと来たのは「私がすがるのは私だ」というフレーズ。
歌詞としては人生面倒臭くなって延々と寝腐ってる様な人が
夢見の心地良さに溺れてる~みたいな。
だけど、
最終的には「ひどく心地の悪い今」の中で「私生きてくわ」と高らかに歌うのが感動的な一曲
「わたしが縋るのは私だ」っていうのは素晴らしい歌詞だと最初から思った
こういう事を歌えるバンドマンは信用出来る。ってのもあるけど笑
 でも、
本当にそうですよね
醜いくらいに他者に依存し過ぎても、
誰かの存在に頼り切って何も出来なくなるのも、
人間としては正直カッコ悪いし自分で自分を素敵だとは決して思えない。
真にすがるべきは自分で、陰鬱な状況も報われない現状も自分自身で切り開いていくべきだから。
そういう意味では若くして昔のバンドがよく掲げていたようなD.I.Y精神が身についているバンドでもある
それと、単純に「私がすがるのは私」って歌われると精神的に気持ちが良いのもあります
それをメッセージとかではなくスタンスとして歌ってるのも粋な新名曲に仕上がってると感じました。
今年の上半期に一度ライブに足を運んだんですがこの曲も是非生で聴いてみたい楽曲の一つです。











そう言えば、
ライブレポでも書いたんですけど
ライブで聴いてそのあまりの音数の少なさに衝撃を受けた「5/7」という曲もよく聴いています
chilldspotは令和のロックバンドにしては良い意味で落ち着いてて成熟してる印象
個人的に凄く可能性を感じているバンドの一つなので今後も応援&注目してゆきます!