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人それぞれの「普通」― KAITO「青のフラッグ」 2巻

2017-08-04 | 青のフラッグ
                            
                            2巻出たでぇ。












世の中には「普通」という言葉がありますけど、
正直何をもって「普通」になるのかが良く分からないんですよね
例えば、街に出て適当にフラフラ遊びたいなー。って考えが「普通」と言えばそれは違う
休日はずっと家にこもってゲームしたり飲んだりという行為が「普通」な人々もいる
自分にとっての「普通」と
他人にとっての「普通」は違くて、
結局はその分母に拠る多数決な気がするのもまた(個人的な)本音なんですよね
男が女にドキドキするのが「普通」
女が男にときめくのが「普通」
いや、それはそうじゃない
たまたまその人たちがそうだっただけで、
幾つかある中の1パターンに過ぎない・・・というのが個人的な見解です
伊達さんの「普通」とみんなの「普通」は違うけれど、伊達さんにとっては同性、、、っていうか、
二葉にときめくのが「普通」なんだっていう、ただそれだけの話なんですよね。

当たり前のように連呼される「普通」
しかしその実態は分母の数で矯正を図る単なる多数決の一種に過ぎなくて、
セクシャルマイノリティを認めるだけの器がこの国には無い。という事実を描いている漫画だと言えます

ただ、太一にとっての「普通」はそうじゃない。
太一にとっての「普通」は、臆病だけど誰よりも女の子らしい二葉にドキドキするのが「普通」で
それもまた揺ぎ無い事実、それはそれで「普通」であり正しい行為だとも思うんですよね
要するに人それぞれに「普通」がある、
ただそれだけの話なんですよ
それが通じるか/通じないかは別として、
多数決の輪に入れなかった人間はその分苦しんだり悩んだりするしかない・・・
そういう事「も」描いている漫画なので、これは確かにネット掲載にした方が良かったかと思われます。


徐々に徐々に絆を深めていく太一と二葉の青春模様も見どころなんですが、
その青春模様の中にも色々と複雑な感情が去来していて
ただスマートにはいかない、
良い意味でウジウジしている半ば生々しいキャラクターの反応が魅力的な作品でもあります
少年誌のヒーローたちはどいつもこいつも器用にスマートに勇気を振り絞って頑張れたりしますが、
この漫画はそんな風に器用にもスマートにも振る舞えない弱くて臆病な人たちの懸命な物語だと思う
つい余計な自己嫌悪や迷いや卑下が胸の中を支配してしまう相様は少年誌のキャラとはかけ離れているんですけど、
だからこそKAITOさんにしか描けないアンニュイでセンチメンタルな作品になってるなあ、と感じるんです
「クロス・マネジ」は名作、、、というか、ある種最高傑作だと今でも思ってますが、
この漫画を読んでいるとやっぱり少年誌向けの作家ではなかったのかな。って感じちゃいますね(笑
また俺自身も自信ゼロで自分のことゴミクズだと思っていて常に生きる価値のない人間だと思ってるので、
今すぐに自殺するべき人間だと感じながら生きてるのでこの漫画のキャラたちの気持ちが分かる部分も強いですね
そういう・・・
「自分なんか」って感情を抱えて生きている人にとっては物凄く響く漫画なんじゃないでしょうか
不慣れでも臆病でも、懸命に応援団をやり切った二葉と太一、格好良かった。











しかし、個人的にネットで漫画を読むことに耐え切れなくなって(やっぱり雑誌や本で読む方が圧倒的に好き)、
結局単行本派に切り替えてしまったんですけど、最後のオチは正直衝撃的でしたね・・・
またウジウジ案件が増えてしまった・・・!と憂鬱な気分にもなりましたが(笑
やっぱり素晴らしい漫画で、最高に先が気になる物語だと思いました
単行本派になったので感想のペースは落ちると思いますけど、それでもしっかり自分なりに紡いでいくつもりなので
最後まで当ブログの感想も是非よろしくお願いします。次は秋に出るとのことで楽しみ。
個人的にはいつか雑誌に復帰して欲しいんですけどね笑
その前に青フラ楽しみ切らなくちゃ。