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天体のメソッド 第9話「さよならの意味」 感想

2014-12-03 | 天体のメソッド
                              
きみがなみだをながすのは。











汐音が涙を流したのは何故なんだろう
それにはきっと色々な理由が含まれてたんだろうけど、
でも確かに断言出来ることは、汐音は乃々香を憎んじゃいない
嫌ってもいない
本当は大好きで、大好きだからこそ今の自分の選択肢が辛くのしかかって来て・・・
願いが叶ったら、みんなの想いが成就したら、きっとノエルはまた違う願いを叶えにこの街から消えるだろう、でも
ノエルを「ここで」生かしたい、離れたくない、みんなの元から去らせたくない、何よりも
円盤及び円盤そのものなノエルはきっと汐音と乃々香の絆の象徴のようなもので・・・だから汐音は言えないし決断も出来ない
幼い頃に自分の“信じること”を一緒に信じてくれた乃々香は汐音にとっては多分誰よりも大切な友人なんだと思う
だって、両親は引っ越したのに自分だけここに残る事を決めたのはきっと乃々香とまた約束を果たす為だもの
乃々香を悲しませたくない、ずっと「みんな」で一緒にいたい、だから私は行く事が出来ない―

でも、乃々香の強い想いと汐音への呼びかけは容赦なく汐音を揺さぶって来る
そりゃそうだ、本心では乃々香の事が大好きなんだし、気持ちとしては嬉しいに決まってる
だけど、自分が行けば「ノエルのいる日常」を壊してしまう、彼女からノエルを(結果的に)奪ってしまう
乃々香の為に、大好きな親友の為に、一番辛い道を選んだはずなのに、自分を犠牲にしてまでも幸せを願ったはずなのに
そんな自分の気持ちなど露知らず乃々香は「一緒に星を見たい。」と真剣な感情をぶつけて来る
それがなまじ本当に嬉しいからこそ、本心では行きたいからこそ、
汐音の決して大きくはない心の器が揺さぶられてしまった
それがあの大粒の涙だったんでしょうね

本当は汐音だって行きたい
また乃々香と、みんなと、そしてノエルと星を見たいんだ
だけど、それを選んでしまったら二度とノエルには会えなくなってしまう
だから自分を殺して感情を抑えてその選択を我慢してしまいたかった
それでも、乃々香の存在は理屈では抑え切れないくらい汐音にとっては大切で心の中ではいとおしく思ってるからこそ
そんな思いの狭間で訳が分からなくなって、抑えてた気持ちが吹き出してしまって、彼女の“本当の気持ち”が涙として具現化された
それだけで観てる方としては痛いくらいに汐音の本心が伝わって来て涙線に来てしまったんですけど
その様子が切ないくらいにドラマチックで正直観ていて未曾有の面白さを感じていましたね
もう一度、心から笑い合える時は来るのか
何もかもを捨てて乃々香と汐音は手を取り合えるのか・・・
ふとした瞬間に汐音が乃々香に対して見せた笑顔、それが汐音の“素顔”であり
また「あの頃」とホントは何一つ汐音は変わってないんだ。という確かな証拠でもある
ここまでこのアニメを観て来たファンとしてもはや願いは一つに絞られてるので、
“その扉”を勇気を出して開けて、また新しい「何か」を掴んでくれるのを期待しています

凄く観ていて胸が締め付けられるような話数でもありましたが、
皮肉な事にだからこそ両人の想いがダイレクトに何のためらいもなく伝わって来るという・・・
汐音もヒールを演じてますがまだ思春期の女の子にとってはかなりの重圧を背負わされてますよね
でも、ここまで報われなかった、本当は大好きなのに悲しいかな素直になれない、不器用ながらも想いの片鱗を感じさせてきた汐音だからこそ
本当に彼女が笑顔で、そして素顔で乃々香と微笑みあうカットを拝みたいですしまた強固な絆を結んで欲しいなって思います






にしても、決してストレートなやり方でないのに
ここまで乃々香への愛情が伝わって来るっつーのも凄いですよね(笑
それもまた先週語った“そらメソのメソッド”の一つだったのか
ヒール気取って本心を隠してるからこそ余計に汐音のいじらしさだったり乃々香への強い想いが感じられるという
本当は上記のカットみたいに接したいし、やっぱり誰よりも彼女の事を好いているのは間違いない
だからこそ「その瞬間」が観たくて早く続きを視聴したくなってしまうという
ああいう過去があったからこそ今が愛おしく思えるメソッドに続いて
障害があるからこそ、その想いの強さが露わになるメソッド
本当に面白いアニメだなあ、と思いつつ
やっぱり、どんな結末になっても、ノエルの想いの通りに「みんなでニッコリ」して欲しいなと。
今のままじゃ本末転倒だと思うし、それにきっとその方がノエルも心からニッコリ出来ると思いますから。

真のラスボスは汐音ではなく、
「踏み切れない心の弱さ」なのかもしれませんね
でもEDの歌詞が象徴しているようにいつか終わりの日は来る、
その扉を開ける日は絶対に訪れる。それを選択出来るようになった時こそ
また一つみんなが大人になれる時なんじゃないか・・・と個人的に思っています
この先どんなことがあっても、いくつになっても、決して消えない“絆”を手に入れる為に。
物語も恐らくラストスパートだと思うのでここから数話は特に要注目、ですね。
徐々に徐々に歩み寄って明らかになるみんなの想いの結晶、
すっごく面白いし感動するなあ、って思いました。















本当は全体的に俯瞰しつつ感想を書くつもりでしたが
あの汐音の涙こそこの話数のすべてを物語っているなあ、と深く深く感じたので
そこから色々と掘り下げていくような感想に相成りました
でも気休めだとしてもさり気に乃々香を励ましてくれる柚季だったり、
そんな柚季と湊太のこしょばゆい思春期っぽいやりとりにニヤニヤ出来たり
こはるはこはるで相変わらずお母さん的でかつ天使だったりそういう細かな部分もまた良かったです
乃々香と汐音の衝突のワンシーンは公園の、水が流れてる壁の近くが舞台だったんですけどあの背景もまた良くて
ある意味水のように自然な想い~っていうシンボリックな主張も感じ取れてすこぶる面白かったですね

「きっと来るって」、
そんな柚季の言葉が実現する時が楽しみです
同時にそれは“別れ”も生むとは思いますけど、それでも―




しかしこはるは母性強いのにカラダ付きも良くて色々と反則的なキャラですね(笑
ノエルの水瀬いのりさんボイスもほんっとうにクセになってきてやばいです。最早代表作ですな。


SHIROBAKO 第8話「責めてるんじゃないからね」 感想

2014-12-03 | SHIROBAKO
                              
やっぱり「真剣」と「深刻」は違う。









絵麻は神経質になって自分を追い込む事で「なんとかしよう」と思っているように見えた
だけど、「深刻」なのは危機意識はあれど、決して「真剣」とは違う、似て非なるものだと思います
「深刻」って言葉自体はパッと聞いて苦悩してるんだなあ、って思うけれど裏を返せば正直“無策”だし
自身を追い込んでる事自体が「自分はこんなに頑張っているんだから」という“驕り”や“甘え”に繋がりやすい
勿論当人にそんな思いなんてないものだし、元々生真面目な分生じる問題だけれど、だからこそ無意識下で現実逃避のスポットと化している
ある種の袋小路として作用してしまうのが「深刻」の最も厄介な点なんだと思います。

ただ、「真剣」っていうのはそんな不健全なものではないですよね
もっと高い意識だったり明確な目標の元で行われるのが「真剣」であり、ただただ無策で自分を追い込むのは「真剣」とは呼ばない
色々な方法論を試したり、常に自分が全力を出せる環境を意識したり、時には他の誰かの手を借りてでも自分を高めようと頑張るのが「真剣」
井口さんが話していたように絵麻は“自分を追い込む事”に終始し過ぎで様々な視点から自らを成長させるという事を怠っていたんです
もっと他人に頼っていいし、煮詰まってると感じたら刺激を求めるべきだし、やり方なんて一つに固執するべきでもない
そうやって自分の力量を自覚して「今何をするべきか」を把握して自分なりに“考えて”行動する事こそ「真剣」と呼べるんじゃないか
この話数を観ていて個人的にそんな事を考えましたし、確かなメッセージとして伝わって来て正直ありがたかったです
アニメ好き、アニメの裏側を観たい人ならずとも今を生きてる、今に悩んでる人にも観て欲しい内容のアニメに仕上がっており
しっかりと観た分得られる教訓だったり糧が存在している良作も良作だなあとこの話数でも変わらず感じたのでした

何より、杉江さんから小笠原さん、小笠原さんから井口さん、井口さんから絵麻・・・っていう風に
正しく先輩から後輩へと教えだったりメッセージが受け継がれている“系譜”みたいなものが凄く「いいなあ。」と思えて。
今では仕事の出来る女性風の井口さんも若いころは色々と初々しくてはしゃぎ気味だったんだなあ、とか
絵麻と同じような悩みや迷いを抱えてここまで来たんだなあ、とか
若き日の井口さん純すぎて可愛いな、とか(笑
元々は杉江さんからの「頼み」ではありましたが、彼女もまたそういう先輩たちからの優しさやアドバイスを絵麻に誠実に伝えてくれた
そんなに張り詰めなくても良いし、深刻にならなくても良い。最初から完璧を目指さなくても良いし、むしろ最初から完璧に理想通りにいく人なんていない
それは「今すぐ」ではなく「この先」手に入れるべきもので、誰かを頼りながら誰かの真似をしながら成長してその後“自分らしさ”を掴めればそれでいい
井口さんなりの伝え方で話し方で絵麻を快方に導いてくれた“先輩としての頼もしさ”が実に素敵だと感じられましたね
武蔵野アニメーションは決して完璧とは言えない会社だけども、確かに誇れるべき先人達が存在している
ある意味そんな事も観ていて伝わって来る話数にも仕上がっていたと思います。
また、絵麻が“真剣に”作業出来るようになって本当に良かったです!





一方でみゃーもりはみゃーもりでやっぱり独特の可愛さを披露していました
このカットなんかはちょっとプリプリした感じやジト目が個人的に堪らないんですけど(笑
俺もみゃーもりにジト目で責められたい・・・いや、まあ、それは置いといて
ねいちゃんに翻弄されつつも
本当はねいちゃんがなんでこのタイミングでここへ来たのか知っていた
最初の内は自分も余裕がなくて対応出来なかったけど、冷静になるに連れてそんなねいちゃんを心配する気持ちも生まれた
その辺りは正に姉妹だなあ・・・と思いつつ、言葉にせずとも伝わる二人の絆や想いなんかを感じ取れたりもしました
みゃーもりは本心では多分「辛いならまだここに居て良いよ。」って言いたかったんでしょうけど
ねいちゃんはそんなみゃーもりに対して元気良く「がんばっぺ!」と東北弁で返した
そんな二人のやりとりも些細だけど確実に感動したワンシーンでありました
色々と辛い事もあるけれど、
ねいちゃんなりのやり方で頑張っている
行きたくもない誘いに聞きたくもない愚痴に例え先輩が間違ってても“謝らない”どう考えてもおかし過ぎる暗黙の決まり・・・
(余談ですが人によっちゃ本当に謝らないですよ。しかも高圧的な空気を出すので言い返す事も難しいし。だから相当リアルに感じました)
ねいちゃんは社会経験が長い分「深刻にならない術」を彼女なりに身につけているんでしょうね
そして、そんな“拠り所”があるからこそ、また希望を持って今を生きれる
後半の同級生なじみが集まっての飲み会のシーンも、
ただ遊んでるだけじゃなくそんな厳しく理不尽な世の中を生き抜く為の確かな術なのかもしれません
そしてそんな風に頑張っている“みんな”の姿を観て胸が熱くなるのもまたこのアニメのストロングポイントの一つですね
悩んだ分、傷付いた分、報われなかった分後々その頑張りが身を結べばいいなあ・・・と思いながら観ています

ただ、みゃーもり自身は「夢と現実」の境でちょっと揺れ動いてる様子ですね
まあ夢って曖昧なものですし最初から選択肢の中にない人がいてもおかしくはありませんが
どうもみゃーもり自身「夢」ってやつをリアルにイメージする事が出来ない人のように思えます
元々目標もなく高校時代の部活の延長線上で入った会社ですからある種目標を先延ばしにしているようなもの
周りの人間が嬉々として夢を語る中でみゃーもりだけ置き去りになっている感覚が視聴者としてもありますけれど
いつかはそんなみゃーもりが一皮向けて“自分の夢”を意識して動く瞬間を楽しみにしています
本当に「あの面子」で一つのアニメを作れる時が来ればいいなあ・・・と思いつつ
ここからの宮森あおいの成長にも大いに期待しています。


ところで、そんなねいちゃんに振り回されているみゃーもりはみゃーもりで可愛かったですね(笑
最後の寝巻パジャマなカットの数々も良かったですし相変わらず木村さんの声も似合ってて素敵でした。
ねいちゃんが朝早々と帰るってなった時にふてくされたような子供みたいな声出してましたがああいうのなんかツボでしたねえ。
本当自分好みなキャラクターですよ。つくづく!

















あと個性の強いキャラが多いからか、会話のシーンの面白さが格別ですね
それぞれがイジりあったり、イジったり、なんかそういう雰囲気が観ててすっごく楽しいです(笑
矢野エリカさんはツッコミ役、怒り役かと思ってましたが何気に本田さんに向けて強烈なボケを振ってたり中々いいですねえ
あんなこと言われたら本田さんも流石に前のめりに突っ込んできますわ。監督の会話も相変わらず面白かったしそういう部分でも手ごたえありましたね。
みゃーもりの殻を破る、成長フラグも着々と進行している感がありますしその点でも良かった話数でした。頑張れっ!




ある意味サービスカット(何)