ロシア日記

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~サンクトペテルブルグ~
雪の上の足跡

ねずみ

2013年11月09日 | 日記
 小屋に引っ越した次の日の朝、朝ごはんを食べていたらゴミ箱がカサコソいいます。
何気なく近づいて見て、ごみ箱を少しずらしたらシュッシュッと黒いものが目の前をよぎりました。
さっそくゴキブリが出たなと思い、古い小屋だったので仕方ないだろうと驚きもしませんでした。
 
 その日の夜、ユーリャと二人で仕事後の一杯をしているとまたゴミ箱がカサコソいいます。
「なんかいるね」といい、またゴミ箱に近づき、少しずらした途端、ゴキブリよりも大きい黒い塊が飛び出してきました。思わずキャーと悲鳴をあげ、ユーリャと二人でソファーの上にのぼり抱き合っていました。
 今のは明らかにネズミです。

 上司に言ったら「ジェリーだね」と喜んでいました。
違う同僚に言ったら「ネズミは放っておくとどんどん増殖し大きくなり仕舞には洋服も食べられてしまう」といいました。
 さっそくお世話係の丸々太ったスベータがネズミ取り用の強力接着剤をざくざく切った段ボールにぬりつけてあらゆる四隅におきました。

 その日の夜、仕事から帰りいつもの日課のお疲れ様会をしていると、洗面所からキーッというネズミのなき声が聞こえました。見ると罠にかかって動けなくなっているのです。ディズニーのアニメに出てくるような小っちゃくて可愛いネズミが動けなくなっていす姿は不憫で仕方がありません。
 外へ行きお箸でどうにかはがし逃がしました。
 もう毎晩こんなことはしたくない、とユーリャも私も思案顔でした。

 次の日の夜、またネズミが現れました。昨日のジェリーとは違うネズミです。
だけど今度のジェリーは罠にはかかりませんでした。ユーリャも私も安堵しました。

 どうやら洗面所の穴から出はいりしているらしいと推し量り、ユーリャは粘土を買ってきました。穴を埋める作戦です。掃除婦のヴェーラに言ったら「猫を飼ったらいい」との真面目なアドバイスです。

 さっそくルドミーラ校長先生からの猫を飼ってもいい許可をもらい、一度はロシアで猫を飼うことを本気で思い舞い上がった私たちですが、これも日本に連れて帰るときなどいろいろと問題があることが浮上ししばし棚上げです。それにあの最後のジェリーが現れて以来、パタッとネズミは出現しなくなったのです。

 今でもカサコソと音がするとドキッとしますが、ジェリーたちもこの家には対していいものがないばかりか異国育ちの変な二人がいるということがわかって無駄な足労は控えたのかもしれません。





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