ロシア日記

~ペルミより愛を込めて~
日本語教師と雪のダローガと足跡

~サンクトペテルブルグ~
雪の上の足跡

アカデミック

2018年09月01日 | 日記
 修士論文を書くことや、そもそも修士課程や、博士課程やもっと言えばアカデミックの世界は、中に入って体験した人以外わかりにくい世界かもしれません。私自身もこの一年、何がなんだかわからずにとにかく言われるままに必死にこなしてきたというのが実情です。学者間で交わされる難解な言い回しの小難しい言葉と議論の連続は必ずしもすべてが社会に通用され還元されるかというとそうではありません。徐々にわかってきたことが、あくまで自分のための論文でありアカデミックの世界なのだ、ということです。高尚な究極の趣味とも言えます。自分の興味のあるテーマをとことん追求する、社会に認められた地位とお金を使って、という感じでしょうか。理系はそれがもう少し実際的な結果に結びつき人の命を救ったり環境改善に役立つこともあるのでしょうが、文系の研究とはあくまで自分ありきの自分の探求欲を満たすためのそしてそれが結果として社会に飛び出て役立つ可能性も無きにしも非ずといったところでしょうか。というのも、例えば私が勉強している言語学なんかも、ある学者は北アフリカのマイナーな言語の研究をしています。その成果発表を聴くのは同じく様々な言語を研究している学者や学生です。それは常に大学の一室で行われそこにはほぼアカデミックの関係者以外いません。

 日本について何十年も研究している学者もたくさんいます。それは御巣鷹山の研究であったり、ある漢学者がテーマであったり、明治維新で活躍したある商家の家族の物語であったりと一般の日本人が知らないことを外国人である彼らが自分の人生の何十年もの時間をかけ解明している姿を目の当たりにすることは感動すら覚えます。

 級友に言わせると、何のために誰のためにしているかということを考えてはいけないのがアカデミックの世界、だそうです。以前、政治学の生徒の論文を訳したのですが、一般人にはさっぱりの専門の政治用語と難解な文章の連続で訳すのに随分骨が折れました。アカデミックのさらに政治学を専攻している人にしか理解できない内容でした。書いた張本人もそれでいいと思って書いている節があり、私自身はこれまた一歩アカデミックの世界を理解したような気がしました。


写真は近くの公園のマリア像。

留学生活

2018年09月01日 | 日記
 一年、ロンドンに住んだとはいえ、どこに何があるかの観光スポットはもとよりあまり何も街を把握していないのが実情です。なぜかというと答えは簡単で、クラスメイトのシャンシャンも言っていたように、日々寮と大学を往復していたに過ぎない日々だったからです。今でもそれは変わらず最後の山場の修士論文を必死で書いているだけです。

 他の級友が、留学ってもっと楽しいかと思った、と呟いたように、シャンシャンはある日ストレスから顔面神経麻痺にかかり一か月の療養生活を強要されました。(昨日、会った時はまたいつものおしとやかなシャンシャンに戻っていて安心しました。)
私も先日、右足が突然痛み出し、歩けなくなるという事態に陥りました。幸い一日で回復し、おそらく神経の関係だったのではないかと思っていますが、そんなことが多々起こります。

 また、あまりにも溜息が止まらず溜息をつき続けるのでネットで調べたら、溜息は身体が大きく空気を吸い込もうとしていることなのでいいことだ、とポジティブなことが書いてありました(*'ω'*)
 頭痛と吐き気が続いた後、こんなんでは修論が書けない!と心機一転を心掛けたらストップしました。すべては未知数の不安と自分に課したプレッシャーから来るものなのは確かなので、そのネガティブな心模様をコントロールしManageするのもまた自分だと思い直しました。留学生活はそんなことの繰り返しです(*'ω'*)

2018年09月01日 | 日記
 宗教画より、印象派、モネとかゴッホとかルノワール、フェルメール、ロートレック、モディリアーニ等の画家の絵に親しみを覚えていたのですが、ある日、用事があって行った先で Courtauld Gallery の前を通りかかりました。以前にも来たことのある小さな美術館で小一時間もあれば見て回れます。入口のすぐ右側の部屋に続くコーナーは宗教画が展示されており、いつもはここを一番後回しにするのですが、その日はそこに真っ先に入りました。

 その中に魅かれる絵を見つけました。一人の聖人に対し、空からの金色の光、そしてまた白い鳩からの幾筋もの金色の光が降り注がれています。その絵の椅子の前に座り、長い間、その絵に見入りました。何か力がもらえるような癒されるようなもうじき希望が降って湧いてくるようなそんな気持ちにさせられました。

 

ステキなコーナー

2018年09月01日 | 日記
 これは寮の机の前。記念にぴしゃり。がんばって勉強した証です。笑
修士論文を書く学生にとって休日はありません。今日も土曜日ですが変わらず机の前に座ります。けれどさすがに疲れ、少し休息です。

フラットメイトが作ってくれた人参ケーキ。こんもり盛られた白い山が美しいです。