ロシア日記

~ペルミより愛を込めて~
日本語教師と雪のダローガと足跡

~サンクトペテルブルグ~
雪の上の足跡

カエル油の効用🐸

2017年11月26日 | 日記
煌びやかに見えるロンドンも住宅事情はあまり褒められたものではなく、ほとんどの学生、若手の社会人、時には夫婦でさえ、シェアハウスに住んでいます。バス、トイレ、キッチン付きの丸ごと一人のフラットはよっぽどの高級取りではないと叶わぬ夢です。私もzone1のロンドン中心地とはいえ、家賃10万出して、猫の額ほどの部屋にシェアメイトと暮らしています。

そんなある日、油のボトルごと私のキッチン棚からなくなっていました。捨てた覚えもないので、絶対あの人だ、と思いました。あの人とは、料理好きのエジプト人で彼は仕事から帰るといつも台所で料理をします。一度おすそ分けしてもらったこもありその時は風邪も引いていたので彼の作ってくれた料理が骨身に染みて美味しく感じられました。
けれど彼が私のオイルを勝手に使うのは話が別で、前々からオイルが少しずつなくなっているのも薄々感じていました。シェアメイトは一緒に住んでいると行動パターンや性格も徐々にわかってきて、私が油泥棒を彼だと断定したのも彼の行動様式や毎回、料理後、大量の油がフライパンにあるのを見つけてのことです。

翌朝、私の油を使った?と彼に畳みかけました。使ってない、としらを切りとおすので、あれはとっても高い frog oilで日本からわざわざ取り寄せたvery expensive なものなの。Frogって知ってるでしょ?グルグルグルグルと鳴きまねをしてみせて、とても貴重なものなんだから、と念を押しました。
その後、キッチンで新しく購入された大量のオイル・ボトルを見つけました。
カエル油が効いたかな、と一人ほくそ笑みました。🐸

ロシア映画祭 in London

2017年11月26日 | 日記
ロンドンのRegent Cinema館で行われるロシア・シネマ祭に行ってきました。あの煌びやかなRegent streetにある映画館で学校の帰り道に偶然見つけました。それもロシア映画が上映されているということで、どうにか最後の日のみ行くことができました。それまではレポートに追われ、それから体調も崩して最後の日から二日目の上演に行くか行かないか迷って結局体力に自信がなかったので止めました。最後の日に体調もぐっと良くなったので行くことができました。由緒正しい素敵な映画館で、映画が始まるまで人々はバーでお酒を楽しんでいました。来ているのはほとんどロシア人らくしロシア語があちこちから聞こえてきました。

今夜上演されたのは、Nearest Dearestというものでした。家族の格闘と再生を描いたもので、予告をみた時点でロシアの侘しさ満載な感じがして体調も万全ではなかったし今後の学校の課題に対するブルーさもあり、もっと心が暗くなったらどうしようと一抹の不安もなくはなかったのですが、良作で見終わった後、監督さんのトークショーイベントもありいい気分で映画館を後にしました。

帰り道のOxford Streetの人気のない道のイルミネーションが綺麗でした。

Broadway Market

2017年11月26日 | 日記
 急に思い立って、Broadway Marketに行ってきました。
 毎週土曜日に開催されるほんの250メートルぐらいの小さな市場で、野菜や肉やチーズ、古着、キャンドル、アクセサリーが小さなブースに次々に並べられています。朝九時から五時まで開催されているらしいのですが、着いた時にはすでに午後三時半近くロンドンの初冬の空は微かに藍色がかってきていました。

 あの市場に一歩足を踏み入れるときのワクワク感、童心の頃のお祭りの夜店の赤提灯を見た瞬間みたいです。4.5ポンドもする高い赤いホットワインを買っちゃって、飲んでみたらあまり美味しくありませんでした。砂糖の入れすぎだと思いました。店内は別料金だというので、ベンチに腰掛けて飲んでいたら、隣に仕事帰りらしい綺麗な女の人がハンバーガーを一人で頬張っていました。そのまた隣のベンチの男の人が、いい靴だね、とか言って声をかけていました。女の人も笑顔になり、ありがとう、と返していました。しばらくしてまた男の人が、調子はどうだい、みたいなことを言っていて、それにも女の人は機嫌よく対応していました。その後しばらくしてまた男の人が声をかけました。私はいつあの女の人は男の人を煙たく思い始めるだろうと観察していたら、すでに女の人の声音は少し愛想がなくなりました。それから、あの男の人は何をしたかったのだろう、と考えました。淋しくて話し相手が欲しかったのか、それともその後の展開も訪れると思ったのか、どういう心境で声をかけるのだろうと暮れ行くロンドンの空を見ながら赤ワインを飲んで考えました。
 一番嬉しかったのは、エストニア産蜂蜜を手に入れたことです。純度の高い正真正銘のロシアの蜂蜜の味がしました。

London

2017年11月09日 | 日記
 夏の盛りにロンドンに足を踏み入れ、季節は秋になりました。今はオレンジや黄色や茶色に染まった木の葉が地面を埋め、木々の多いロンドンの街は落ち着いた黄昏色です。私はせっせと毎日必死で大学院へ通い言語学を勉強しています。余裕がなくてずっと下ばかり向いて歩いていました。今ようやくゆったりした気持ちになれるのは、この一週間はReading weekと銘打った秋休みです。授業のない分、今までの遅れを取り戻しなさいよ、という名目らしいのですが、ひたすら日本語の小説を読み耽りました。それもとびきり日本風なものを選りすぐって和の世界に心行くまでひたりました。幸せ、と思いました。

 数日この状態を続けた後、ようやく専門分野の本を開きました。なかなか読み進める決心がつかずにお茶を飲んでみたり、急に思い立って白いご飯をレンジでチンしたり、野菜炒めを添えてみたりしました。長丁場になりそうだから腹ごしらえをしたのか、ただ単に目の前にあるものから逃げたかったからご飯をたらふく食べたい気持ちになったのか、わかりません:)