うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
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アイススレッジホッケーで日本が銀メダル獲得

2010年03月22日 | 五輪&パラリンピック
障害者スポーツの祭典、バンクーバー冬季パラリンピックで20日(日本時間21日)、アイススレッジホッケー決勝に臨んだ日本は0-2で米国に敗れ、銀メダルだった。
 過去3大会連続で5位の日本は、準決勝でカナダを破る金星を挙げて決勝に進み、初のメダルが確定。米国には1次リーグで0-6と大敗を喫したが、この日の決勝は熱戦を演じた。
 今大会の日本選手団のメダル総数は9個となり、2006年の前回のトリノ大会に並んだ。

〔共同通信 2010年3月21日の記事より・写真は時事通信〕


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パラリンピックで初めて決勝進出を決めた日本。金メダルを賭けて戦った相手は昨年の世界王者の米国。下馬評では国際的な実績だけでなく、体格に勝る相手との戦いだったこともあり日本が不利でした。素人目に見ても、試合は序盤から出足の鋭い米国に押される展開。初の決勝進出だったせいなのか、やや動きが堅かった日本はゴール前に釘付けにされます。開始まもなくしてゴール前の混戦から米国が先制点。その後も米国が優勢に展開します。

第2ピリオド、日本がようやく持ち直し、徐々に米国ゴール前に近づきます。日本がシュート体勢の時に米国が倒す反則を犯し、日本にPSのチャンスが巡ってきます。ところが、この絶好のチャンスを米国のGKに阻まれてしまい、日本は同点機を逸します。これが結局大きく響きました。更に日本は、この試合で3度のパワープレーのチャンスを得点に結び付けなかったことも圧し掛かりました。

第3ピリオド、米国が鋭いチェックとスピードで優勢に展開。一方、日本はカウンターを狙う展開。日本は再三体を張った守備で決定機を阻止。だが、試合終盤に今度は日本に退場者が出ます。相手の好機を阻止する為の止むを得ないプレーだったとはいえ、日本は試合終了までに残り1人少ない状況でリードを追い駆けなければならず、結果的に痛恨でした。そして、米国はパワープレーからパスを受けた前線の選手が技ありのシュート。決定的な失点を喰らいました。

日本はGKまで前線に上げる全員攻撃を敢行しますが、結局0-2のまま試合終了。米国は5戦全勝(しかも無失点)で2大会ぶりの優勝を果たしました。一方、日本の金メダルの夢は潰えました。だが、日本は過去3大会連続で5位だったことを考慮すれば、今回の銀メダル獲得は間違いなく大健闘です。日本は欧米勢よりも体格とパワーで不利を強いられてますが、激しい練習で克服したのが躍進の要因だったみたいです。ただ、今回より更にレベルアップをして、世界の頂点を狙う為には競技環境の改善こそが必要な気がしました。

今回の決勝戦は、パラリンピックでは史上初めてNHKが競技の生中継を急遽実施しました。不可能を可能にしたのも、偏にアイススレッジホッケー日本代表が重かった世界の扉を自力で抉じ開けたからに他ならないです。ひょっとすると、彼らの今回の奮闘が切っ掛けで、次回以降のパラリンピックのメディアの取り扱い方が、少しは変わる可能性も無きにしも非ずです。

選手やスタッフの皆さんに心から御礼を申し上げます。
どうぞ、この銀メダルに誇りを持って、胸を張って帰国して下さい。

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