うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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ブラジルW杯アジア3次予選の組み合わせが決まる

2011年08月02日 | サッカー(全般)
◆サッカー・2014 FIFAワールドカップブラジル大会アジア3次予選の組み合わせ(本大会のアジアの出場枠は4.5)

A組:中国(73)、ヨルダン(91)、イラク(108)、シンガポール(131)
B組:韓国(28)、クウェート(95)、UAE(109)、レバノン(159)
C組:日本(16)、ウズベキスタン(83)、シリア(104) タジキスタン(142)、北朝鮮(115)
D組:豪州(23)、サウジアラビア(92)、オマーン(107)、タイ(119)
E組:イラン(54)、カタール(90)、バーレーン(100)、インドネシア(137)
(カッコ内は2011年7月27日発表のFIFAランキング。 各組とも左側から第1~第4ポットの順)

※8月19日、シリアがタジキスタンと戦ったW杯2次予選の2試合で無資格の選手を出場させていたことが判明した為、国際サッカー連盟(FIFA)はシリアを規約違反により失格処分とし、代わりにタジキスタンがC組に入ることを発表しました(なお、2試合ともタジキスタンの3-0の勝利扱いとなり、2戦合計もタジキスタンの6-0となりました)。


C組の日程 (左側のチームがホーム、他の試合会場はまだ未定)
第1節(2011年 9月 2日・金) : 日本 vs 北朝鮮(@埼玉)、タジキスタン vs ウズベキスタン
第2節(2011年 9月 6日・火) : ウズベキスタン vs 日本、北朝鮮 vs タジキスタン
第3節(2011年10月11日・火) : 日本 vs タジキスタン(@長居)、北朝鮮 vs ウズベキスタン
第4節(2011年11月11日・金) : タジキスタン vs 日本、ウズベキスタン vs 北朝鮮
第5節(2011年11月15日・火) : ウズベキスタン vs タジキスタン、北朝鮮 vs 日本
第6節(2012年 2月29日・水) : 日本 vs ウズベキスタン(@豊田)、タジキスタン vs 北朝鮮

※3次予選は20チームを4チーム×5組に分けてH&A方式で対戦。各組2位までが最終予選に進出。


・最終予選
 2012年6月3日~2013年6月18日まで実施
 ※10チームを5チーム×2組に分けてH&A方式で対戦し、各組上位2位までが本大会の出場権を獲得。
  各組3位チーム同士がアジアプレーオフへ。

・アジアプレーオフ
 第1戦:2013年9月6日(金)、第2戦:2013年9月10日(火)
 ※最終予選の各組3位同士がH&A方式で対戦し、勝者が大陸間プレーオフへ。

・大陸間プレーオフ
 第1戦:2013年11月13日(水)、第2戦:2013年11月20日(水)
 ※南米5位とH&A方式で対戦し、勝者が本大会の出場権を獲得。


ブラジルW杯アジア予選の詳細はこちら
国際サッカー連盟が定めた2010~2014年までの国際試合日(IMD)


                           *  *  *  *  *


決して侮ることなかれ、されど恐れることなかれ

7月30日(日本時間31日未明)に、ブラジルW杯大陸別予選の抽選会がリオデジャネイロで行われました。今回のW杯アジア予選には43ヶ国が参加。前回南アフリカW杯に出場した日本・韓国・豪州・北朝鮮と、大陸間プレーオフに進出したバーレーンの5ヶ国が予めシードされて、1次予選と2次予選を免除。シード国を除いた38ヶ国のうち、前回南アW杯の成績に基づくランキング下位16ヶ国が1次予選に参加し、勝者8ヶ国が2次予選に進出。2次予選は、同ランキング順の6~27位の22ヶ国に1次予選勝者を加えた合計30ヶ国が参加し、勝者15ヶ国が3次予選に進出(なお、1~2次予選ともH&A方式)。3次予選は、シード国5ヶ国と2次予選勝者15ヶ国の合計20ヶ国が参加し、4ヶ国ずつ5組に分かれてH&A方式で行い、各組2位に入った合計10チームが最終予選に進出となります。ただ、今回の3次予選の抽選では大いに首を傾げたくなることがあります。それは、実力に応じて5チームごとに4つのカテゴリーに振り分ける「ポット」の選定基準です。というのも、アジアサッカー連盟(AFC)が、ポットを分ける基準に直近のFIFAランキングを適用したことです。シード国を決める基準とは異なるだけに、実に不可解な決定でした。

実は3次予選のポットを分ける際に使用される基準は、本来なら南アW杯の成績のはずでした(→詳細はこちら)。ところが、国際サッカー連盟(FIFA)が6月になって、直近のFIFAランキングの使用を各大陸連盟に通達(→詳細はこちら)。どうやら3次予選だけでなく、最終予選でもFIFAランキングを使用する予定らしいです。現時点だと、日本はどの基準を使用するにせよ、アジア1位になるのは変わらないです。しかし、基準の変更によって各国の序列が大幅に変動。なんと、「カンフーサッカーの母国」の中国が第1ポットとなりました。たしかに、直近のFIFAランキングは現時点での実力を計る一つの目安です。しかし、問題なのは親善試合の成績まで含んでいることです。なにせ現在の中国は、W杯予選では2大会連続で最終予選進出に失敗し、アジア杯でも2大会連続で1次リーグ敗退と低迷し、お世辞にもアジアの強豪国とは呼べません。つまり、中国は親善試合を多く組んで順位を水増ししたので、本当の実力を反映しているとは言い難いです。さすが、外国の技術を平気でパクって、安全性を無視したハリボテ新幹線を作る国だけあるね(笑)。ただ、現在のAFC会長代行は中国人なので、今後も奴らの動向には要注意です。

抽選の結果、日本は、ウズベキスタン(83位)・シリア(104位)・北朝鮮(115位)と同じC組に入りました。今回の抽選結果の率直な感想を申し上げると、「3次予選にしては厳しい組み合わせ」だと思います。さすがに3次予選は20ヶ国しか残ってないので、極端に弱い国は無く、全5組とも概ねバランスが取れてます。この3ヶ国との過去の通算対戦成績は、ウズベキスタンとは7戦5勝2分、シリアとは8戦7勝1分、北朝鮮とは15戦6勝5敗4分と全て日本が上回ってます。また、3ヶ国とも若手の育成にはかなりの力を入れているのも特徴です(ただし、年齢詐称をしてなければの話ですけど(笑))。ただ、ウズベキスタンは1月のアジア杯で4位入賞した躍進中の国ですし、シリアは同大会の1次リーグで2-1と苦戦したので、決して侮れません。そして、実力とは不釣合いに第4ポットに組み込まれた前回南アW杯出場国の北朝鮮と同組になったのは、最大の誤算でした。しかも、北朝鮮とはアウェーでは1989年以来対戦しておらず、会場の使用が予定されている金日成競技場人工芝なので、日本は慣れてないから不利です。ちなみに、22年前にイタリアW杯アジア1次予選で対戦した時は天然芝の羊角島競技場を使用し、金日成競技場はその4年前のメキシコW杯1次予選で使用。なお、日本は北朝鮮と敵地での対戦成績は3戦1敗2分と未勝利です。

とはいえ、3次予選は2位までに入れば通過出来るので、アジア王者の日本の実力を考慮すれば、多少苦戦することはあっても、最終予選進出は決して困難な目標ではないです。ウズベキスタンとは南アW杯最終予選でH&Aで対戦しているので、ある程度の敵情を分かっているのが強みです。北朝鮮には、梁勇基(仙台)と安英学(柏)ら在日のJリーグ選手がおり、ブンデスリーガ2部のボーフムに在籍する鄭大世(昨年まで川崎に所属)も擁してます。しかし、同国は南アW杯で惨敗して、アジア杯でも2敗1分で無得点に終わるなど、近年は成績が下降気味です。更には、GKが経験不足なのが弱点です。また、移動・時差・気象条件などで調整が困難な中東勢がシリアだけなのも、日本にとっては朗報です。地中海に面したシリアは湾岸諸国に比べれば気候は穏やかですし、11月なのでそれほど暑くはないです。たしかに、同国とはフル代表では28年ぶりに敵地での対戦となるが、北京五輪世代が中心の現在の日本は4年前の五輪1次予選でダマスカスで対戦しているので免疫があります。それに、シリアは監督を頻繁に変えすぎですから。とはいえ、現在のシリア国内は政情不安なので、同国で無事に開催可能なのか不安ですね。実際に、6月のロンドン五輪2次予選とW杯2次予選は、いずれも中立地のヨルダンでの開催を余儀なくされたので、今回も同様の措置を取る可能性があります。

日本としてはこの3次予選は、自陣に人垣を築いて堅守速攻で戦う彼らをどのように攻略するのかが問われます。もちろん、最終予選の進出を逃すことは絶対にあってはならないですし、前回南ア大会に続いて5戦目で3次予選突破を決めて、年内で決着をするのが理想です。ただ、本当に心配なのは民主党政権の対応です。なにせ、この無能で有害な素人集団は、昨年2月に東京で開催された東アジア選手権に参加するはずだった北朝鮮女子代表チームを政治的な理由で入国拒否を実行しようとして、FIFAから「各国協会への政府介入」だと見なされて、あわや厳罰処分(=協会の資格停止&国際試合の禁止)を喰らいそうになったことがあるからです(→詳細はこちら)。もし今回開催されれば、2006年10月の核実験以降、制裁措置を発動している北朝鮮と日本国内で初のスポーツの試合となります。入国には政府の特例での許可を必要としますが、敵性国家を我が国に受け入れる以上、試合を安全かつ無事に挙行する責務があります。ましてや、国交の無い国と敵地で戦うからこそ、政府の協力は絶対に不可欠です。自国開催の国際試合でトラブルが発生すると、日本は海外から危険な国だと見なされて、今後の国際大会の招致競争で大きなマイナス材料となります。当たり前の認識が著しく欠落した外交音痴の連中が、余計なことをして足を引っ張らないのか本当に不安です。

なお、他の組を見渡すと、D組は豪州が圧倒的に優位です。豪州の代表選手は欧州組が多いので、移動距離が近い中東での試合はそれほど苦ではないのかもしれません。おそらく、近年凋落しているサウジアラビアとオマーンが残りの1枠を争う展開だと思われるので、タイに勝ち点を落としたチームが厳しくなります。B組は3チームがW杯出場経験がありますが、やはり国際的な実績と経験が豊富な韓国が優位です。ただ、ロンドン五輪最終予選に続いて中東包囲網に組み込まれたのが難点です。また、根が深いKリーグの八百長問題の影響も気になります。E組は強豪のイランを軸に、2022年W杯開催国のカタール、過去2大会連続で大陸間プレーオフに進出したバーレーンの3ヶ国が最後まで激しく争うことが予想されるので、インドネシアに勝ち点を落としたチームが苦境に陥るでしょう。A組は中国が第1ポットとして扱われてますが、実際は第3ポットのイラクが勝ち抜きの本命です。対抗馬は、アジア杯で日本と引き分ける大健闘をしてベスト8に進出したヨルダンが続くと思われます。状況次第では、中国を交えた三つ巴の展開になることも十分に予想されますが、他の組と比較するとやや力が劣る組だと思います。


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2 コメント

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その言葉がピッタリですね (こーじ)
2011-08-05 23:45:19
 たしかに3次予選にしては厳しい組み合わせになりましたけど、やはり2位までOKというレギュレーションは ありがたいですね。

 ウズベキスタンやシリアに北朝鮮はホームで戦えば負けることのない相手ですし、そもそも
W杯でベスト8以上という目標を立てているチームが これぐらいのグループを2位突破できないのならW杯に出る資格はないと思います。

 まぁマスゴミは必要以上に危機感を煽るか、
楽観論に支配されるかですので楽観論に支配されて緩いムードで臨むよりも危機感を持って戦える今回の組み合わせは悪くないでしょう。

 ちなみにAFCの会長代行を排出しているパッチもの国家が いくら策を弄してもW杯予選ではごまかしは効きませんので、それを思い知る予選になると考えます。
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コメントありがとうございます (猫なべ)
2011-08-06 17:40:29
こんばんは、こーじさん

「カンフーサッカーの母国」は第1ポッドに入って勝手に喜んでいるようですけど、彼ら以上に大いに喜んでいるのはA組の他の3ヶ国の方ですね。
なにせ、21世紀以降低迷しているあの国は、「眠れる獅子」どころか、もはや昏睡状態ですから(笑)。

前回の南アW杯3次予選では、日本は2戦目で敵地でバーレーンに苦杯を喫しましたが、5戦目の敵地のタイ戦で3-0でキッチリと勝利して最終予選に進出しました。
今回も多少手こずることはあっても、H&A方式の長丁場の戦いだから、選手層の厚さと地力で上回る日本が優位に立つはずです。

だからこそ、初戦の北朝鮮に勝利してスタートダッシュに成功したいのですが、一番厄介なのはマスゴミですね。
6年前のドイツW杯最終予選の時と同じように、相手が敵性国家の北朝鮮だから政治的な関心や興味本位で不必要に世間に煽ることが容易に予想されます。

まあ、海外組が多い今の代表選手達は経験があって大人ですし、ザッケローニ監督だって今までイタリアで何度も修羅場を潜り抜けた指揮官なので、煽り報道には慣れているから惑わされないとは思いますけどね。
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