うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
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女子チームパシュートに秘かにキ・タ・イ

2010年02月25日 | 五輪&パラリンピック
穂積雅子が5000mで7位入賞を果たしました。本人にとってはタイムが納得できなかったこともあり、不満があるようです。ただ、穂積は3000mの6位入賞と合わせて長距離2種目で入賞したのはとても立派だと思います。長年女子長距離界を支えた田畑真紀の後継者として、今後は穂積が日本を牽引することでしょう。

今回の日本女子スピードスケート陣は個人種目ではメダル獲得が出来ませんでしたが、全5種目で入賞者を輩出しました。これはカルガリー五輪以来の出来事です。中でも、近年苦手にしていた1500mで23歳の小平奈緒が5位入賞したのは特筆すべきです。前回は500mで岡崎朋美(4位)と大菅小百合(8位)の2つだけでしたから、スケート陣全体としても大きな前進です。ちなみにカルガリー五輪では、橋本聖子が全種目入賞をやってのけたのだから、今考えても本当に凄すぎです。

そして、今大会の女子スピードスケートで最も日本が期待される種目が日本時間の27日から行われます。それはチームパシュート(団体追い抜き)です。チームパシュートは前回トリノ五輪から新採用された種目で、8チームによるトーナメント方式の勝ち抜き戦で、2日間で3レースを戦います。ホームストレートとバックストレートに別れた2チームが3人ずつ同時に滑り、男子8周、女子は6周します。そして、3人目の選手がゴールしたタイムがチームの成績となり勝敗を決めます。もちろん、1人でも転倒したら命取りです。また、相手チームに抜かれた時点で敗退します。

この種目は3人が闇雲に速く滑ればよいのではありません。先頭は空気抵抗があり体力の消耗が激しい為、ペース配分やチーム内の隊列を入れ替えるタイミングが重要です。そして、レースごとに選手の入れ替えも認められてますので、人選も重要です。現在世界ランキング3位の日本は、田畑真紀、穂積雅子、小平奈緒、高木美帆の4選手が代表に選ばれています。この4人の中から3人を選んでチームを組むことになります。現在の実力からしてオールラウンダーの田畑と長距離選手の穂積は絶対に不可欠です。

そして、日本がメダル獲得する為には3人目の起用が鍵となります。日本は初戦で世界ランキング5位のオランダか、6位の韓国と対戦することが決まってます。トーナメント方式なので初戦は絶対に突破しなくてはいけないので、スプリンターの小平の起用は間違いないでしょう。問題なのは準決勝です。日本は幸運にも優勝候補筆頭の世界ランキング1位のカナダとは、決勝まで当たらない予定です。なので、準決勝の対戦相手によっては、小平か短・中距離に強い高木の起用で迷う可能性があります。

準決勝で勝負を賭けて一気にメダルを狙うのであれば、尻上がりに調子を上げている小平の起用もありでしょう。しかし、小平は2400mの滑りに慣れているのか不安です。それに、小平を起用して準決勝で敗退した場合、3位決定戦に向けて疲労が心配されます。一方、端から銅メダル狙いの場合は、3位決定戦の為に小平を温存して、あまり調子が良くない中学生の高木を“捨て試合”の準決勝で戦わせる戦略も考えられます。なので、準決勝の対戦相手が日本の戦略に大きく影響すると思います。地元カナダは別格ですが、日本の当面のライバルは2位ロシア、4位ドイツ、5位オランダあたりでしょうか。

日本女子は前回のトリノ五輪では3位決定戦でロシアと対戦。4周目までリードを奪ってましたが、残り500mで転倒してしまい、掴みかけていた銅メダルを逃した苦い経験があります。この時のメンバーには田畑が名を連ねてました。おそらく、田畑にとって今大会が最後の五輪となる可能性があるだけに、長年の功労に報いる為にも有終の美を飾ってほしいです。そして、全員一丸となってメダルに向かって頑張ってほしいです。


〔追記〕
日本時間の2月26日の午前に行われた抽選の結果、現在世界ランキング6位の男子は米国(世界4位)、女子は韓国(世界6位)とそれぞれ1回戦で対戦することになりました。
なお、国際スケート連盟によるとメダルは実際にレースに出た選手にのみ授与されるそうです。

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