nekomitu日記

ポンコツ日記

ホスピタリティ

2015-11-11 13:22:34 | 日記
唐突ですが「三献の茶」という逸話をご存じだろうか…
私は「ホスピタリティマインド」=「おもてなしの心」について語るうえで一番わかりやすい逸話だと思っている。

戦国時代、14~16歳という年齢でありながら、将来の天下人なる豊臣秀吉を心酔させた人物がいる。佐吉という少年、
後の石田三成である。あるとき、秀吉は鷹狩で出かけたその帰り道に喉が渇いたため、観音寺に立ち寄った。

その際、秀吉を相手に接客したのが佐吉少年だった。秀吉は佐吉にお茶を所望した。
佐吉は茶碗にぬるめのお茶を8分目程度入れ、秀吉に飲ませた。ぐっと一気に飲み干した秀吉は、さらにもう一杯所望し、
佐吉は先程よりも少し熱めのお茶を同じ茶碗の半分程度に入れ、秀吉に飲ませて再びもう一杯所望された。

佐吉は、今度は小さめの湯のみに熱いお茶を少量入れて秀吉に飲ませたところ、秀吉は大いに満足したという。
まずは、ぬるめのお茶で秀吉の喉の渇きを潤し、その後に熱いお茶の味を堪能させようとした佐吉の気働きに感心した秀吉は、
お寺の住職に頼み込み、自らの家臣として佐吉を抱えたのである。これが秀吉と三成との初めての出会いのことである。
体を動かしたら、水分が欲しくなるのは人間として当たり前の欲求である。(一部文献より抜粋引用)

この人間心理を上手く読んだ石田三成の感動のなおもてなしこそ「ホスピタリティ」の基本だと思う。

つまり「期待を超えたところに感動がある」という事だ。

以前私が、秘書の職務に就いて最初のころこんな事があった…

社長から「水を一杯ちょうだい..」と言われ、私は何も聞かずに「ぬるま湯」を出した事がある。

それを口にした社長が「おぉ…さすがだね…些細なことだけどなかなかできる事じゃない。こうゆう気配りが何より大切なんだよ…いい女とはこうゆう事がさりげなくできる人だよ・・」
と褒められとても嬉しかった経験がある。それはかなり嬉しくて有頂天になり社長室を出た瞬間にガッッポーズをした自分を覚えている・・(笑)

私が敢えてぬるま湯を出した背景は、その数時間前社長が「少し歯が痛いな..」と漏らして
いたのを覚えていて「水を頂戴」=「薬を飲む」と察した私は、歯が痛いなら水はしみるのではないか?と思いぬるま湯を出したのだ。

ただこれは、自分も歯が痛くて薬を飲むときはぬるま湯で飲んでいたから、単純にそうしただけの話である。

相手動向をよく観察して、相手の立場になり何を求めているかを察知する
そして行動する..という事だと思う。

少し話が逸れるが、私はこの当時、バリバリの亭主関白だった主人に心から感謝した。なぜならば家庭でも同様の事を普通にやっていたので、
「背景を読み、察して動く」という習慣が何となく付いていた。教えられなくても出来たことが多々あったからだ。

今思えば公私ともに、毎日が緊張感の連続….私が、当時よく冗談で言っていた言葉「私は仕事場にも家庭にも社長がいる」と…我ながらよく頑張ったと思う…(笑)
だが実は、亭主関白の主人に滅私奉公みたいな感覚は一切なかった。

単純に「機嫌が悪いと私が、めんどくさい」と思い「何をやったら機嫌がいいか?」を日々観察し「機嫌よくいてくれるためのポイント戦略」をやっていただけ..
結局は、自分のためにやっていたのだ。極端な話、それさえ出来ていれば喧嘩したり、機嫌が悪くなる事もなくとても平和だったから..(笑)

そう思えば、相手に心からのおもてなしをする事で、「感動した!」とか「有難う!」という言葉が返ってきて何より気持ちがいいのは自分自身という事だ。
そして何より「喜んでもらった」という経験が更に「もっと喜んでもらうためには?」と考えるようになる。

それ以降、私はホスピタリティを語る時「相手も自分も幸せになる為のスキル」と思うようになった。
そして、その当時社長から教えていただいた思いやりホスピタリティの基本「自分の目の前にいる人を一番大切な人と思って接しなさい」という事。。対お客様に限らず全ての人に対してそれができるようになれば心地よい人間関係が築ける。。この教えが

カウンセラーとなった私の中に今も残っている。
そして、私もたまにはおもてなしを受けたい。。とぼやく…(笑)