nekomitu日記

ポンコツ日記

ゲノムと2つの奇跡

2019-12-22 22:17:00 | 日記

12月14日
9月の開腹手術前にWOMAN'S VALUE AWARD 2019に
私達の取り組みをエントリーしていた。
そして
全国の総合職を目指す女子学生
就活美人に登録しているキャリア志向の女子学生、約1万人による投票が行われた

ICT部門:優秀賞               
授賞の連絡が来た!

「やった!」

熊本オフィスオープンから
手術までの5ヶ月
とにかく
葛藤しながらやってきた取り組みが
やっと「スタートライン」に立てた!

そう思った。


生きる気力が湧く…
これからまだやれることがある
ほのかな希望を持てた…一日だった。
支えてくれた仲間の顔が浮かんだ。

そして、
12月20日
IRIS+アバスチン療法3回目の点滴の日

身内から「ゲノム🧬治療ゲノム創薬」について可能性があるなら
紹介状を書いてもらったほうが良いのでは?と資料を渡されていたので、点滴前の受診で主治医に聞いた

そもそも…
ゲノム医療、ゲノム創薬というものは、基本的に今治療している
「標準治療化学療法」が効かない効果が期待できない人に対してするもので

今は、まだ
標準治療3回目なので
その段階ではないとおもいます… 

もしも、この「標準治療」で残された可能性のある治療で効果が 
得られない場合は、ゲノム治療について大学病院にセカンドオピニオン
紹介状を書くのは全然OK…
それは患者様の権利なので。

しかしながら
あなたのBRAF遺伝子変異は
肺癌では良く見られるが
大腸癌では
非常に少なく珍しい
大腸癌全体の8%の異変。
急速に癌が進行するタイプ


ゲノム医療も最先端だが
未だ一般的ではないのが現実

言いにくいが、あなたの
「大腸癌のBRAF遺伝子変異」
に効果を発揮する抗がん剤は
残念ながら未だ開発すらされていない。


治験などでほんのわずかされる事もある程度だろう。


主治医はいつもの
静かで優しい口調でストレートに
凹む現実を説明してくれた…

そして、ニコニコと 
「今日も血液検査したら、点滴できそうなので頑張ってやりましょうね〜」と続けた。

あぁ…
わかっちゃいるけどせつないわー
と、看護師さんに励まされながら
いざ…3回目点滴開始





が…。

その2時間後
抗がん剤を点滴中

いつも小走りで移動している
主治医が

息を切らして
小走りで私のベットにかけよってきた。

「腫瘍マーカーの数値!二つとも下がってましたよぉ…やぁ〜ひとまず良かった!」
と満面の笑みでデータを見せてくれた。




わぁ…ホントだ‼️‼️
涙が溢れて号泣した…
ただ涙が溢れて止まらなくて…

ベットで
ありがとうございます…
よかった…よかった…
と何度も手を合わせ泣いた。

あんまり泣くので、主治医は
「うん。うん。」と言い残しそそくさと、再び小走りで消えていった←いつものこと笑

付き添ってくれていた看護士さんが
一緒に喜んでくれて…
励ましてくれた。

次の瞬間

いつも支えてくれる
家族や友達
会社の仲間

いつも誰かのために
陰徳を積んでいる
私にとって大切な人達は
実は…
人の姿をした

「神様」で


そして
その
Powerに守られ、支えられ
本当に奇跡を起こそうとしてくれているのではないか…そう思った。


いつも支えてくれる皆んなの顔が浮かんだ。
抱きしめてくれる温かい人達の顔が浮かんだ


直ぐに伝えたい…
もうベッドの上で
癌が完治したくらいの喜びだった。



4月オフィス開設から3ヶ月後

7月14日の人間ドックで
まだしても腫瘍マーカーの数値が跳ね上がっていた…
しかも去年の手術前の数値より高い…
嫌な予感を持ったまま
仕事への気持ちだけが焦っていた。

8月14日
癌の術後一年目の検査で
一年前の横行結腸癌の取り残しが見つかった。既に多発肝転移しており
既にステージⅣ

9月12日入院、開腹手術で
原発の横行結腸と多発肝転移5箇所を切除

10月13日
術後組織検査からのBRAF遺伝子変異発覚。急速に癌が進行する癌であることが判明

10月29日抗がん剤Xerox療法開始するが3日後脱水症状と低血糖、嘔吐症など副作用酷く緊急入院しばらくの休薬期間を過ごす。

11月21日入院にて様子見ながら
IRIS+アバスチン療法開始
11月25日多発肝転移の再発告知
余命6ヶ月告知

緩和療法として
IRIS+アバスチンを続ける

現在に至る

この次から次に来る
心休まらない現実に
心身共に疲れて…どこか諦めていった…

だけど今は
違う。

私のように完治の見込みがない
手術の対象とならない
進行再発大腸がんの化学療法の目標は、副作用を抑えて治療を続け、
よりよい生活をできるだけ長く送ること。
つまり延命のための治療ではあるが

副作用は我慢しなくて良い
どの副作用がどのようにつらいか、
生活上のイベントのために投薬の時期をずらせるかなど、
主治医に副作用対策や休薬・減薬をよく相談のうえ、化学療法を気長に続けられるということ…

誰にも会えず、家に引きこもり
ぐちゃぐちゃの感情で過ごした日々だったが

現実を、ここに来てどうにか受け入れることができた。


私には
自分らしさを忘れたとき
思い出させてくれる大切な家族がいる
 
笑い方を忘れたとき
笑わせてくれる大切な友達がいる
 
ダメになりそうなとき、
そっと支えてくれる仲間がいる
 
いろいろな人たちのお陰で
今の自分がいる。
  
大切な人たちに「ありがとう」と
感謝を伝えよう。

そう思った。

皆んなが口々に言ってくれた
「奇跡」が本当に起こるかもしれない…皆んなのPowerのおかげで…

未だ油断できない状況ではあろうが
心は穏やかで温かい

これから2週間はS1飲用抗がん剤
を飲みながら年を越す…。


ガッツリ脱毛も始まる。
髪の毛も眉毛もまつ毛も無くなる…

変わりゆく外見にどう向き合っていくのだろう…
でも大丈夫そう思えるまでになった。

















【再発】

2019-12-01 22:49:00 | 日記
11月25日18時〜
入院前のMRIの結果を、
娘同席で外科担当医と血液腫瘍内科担当医から説明を受けた。


結論から言うと…

9月に切除した5箇所の肝臓癌
とは別なところに… 

既に目視できるだけでも
3、4箇所更に癌が出来ていた
再発だ。


いくら進行が早いと言っても…
手術から僅か2ヶ月だ。

早すぎる…
こんなスピードなんだ

私の肝臓はいつまで頑張れるんだろう。


主治医
「言いにくいけれど、この状態だと外科的切除はまず難しい…
この抗がん剤でどこまで抑えられるか…というところです。

幸いにも
この、TS-1内服+イリノテカン点滴+アバスチン分子標的治療薬で
今のところ
大きな副作用も現在出てないので、
この薬でしばらく様子を見ましょう…」

TS-1内服+イリノテカン点滴+アバスチン分子標的治療薬 療法の副作用


「但し、2ヶ月目位に脱毛は確実にありますし、後半に倦怠感や骨髄抑制からの感染症他の副作用も出てくる可能性はありますので注意は必要です。なるべく人混みには行かないように。」

ということで

わかっていたけど

切除不能癌確定

「腫瘍マーカーの数値は血液検査で
毎月診ていき、CTを2ヶ月毎に診ていきます。」

「それで効果が見られない場合は
また薬を変えて…となります。」

「患者さんの中には
この抗がん剤で1年とか2年とか
延命されてる方もいらっしゃいますから希望は持ちましょうね…。我々も最善を尽くします…」


「年末年始くらいは
ご家族でゆっくり過ごせるように
お薬をお休みしましょうか?」と気遣ってくれた

前のblogのとおり
この癌が、奇跡的に消えて無くならない限り、死ぬまで癌と向き合っていくことになった。

出来るだけQOLを下げることなく、いつまで延命できるかってところだ。


あと年内にはツルツル頭確定かな。

私も娘もある程度覚悟できていたので
心静かに話が聞けた。

とは言え…2人深いため息をついた。
部屋を出て「お腹すいたね…」って

話をそらした。


※写真は退院した日に見た病院の前の銀杏

今日で入院から一週間
前回のように懸念された重い
副作用も出なかったので

自宅療養と外来で引き続き治療することになった。<span">

しかし…
入院前と今とで大きく心境の変化があった

入院前は「不安」「諦め」「絶望」
の感情だった。

「頑張ってくださいね!」と言われたら
「頑張ります!」って明るく言っていたが

本音を言うと

次から次に
心休まることない予想外の展開に…
心身共に疲れてしまって…もう頑張る気力を失っていた。

だけど、
今回の入院で、いろんな事を冷静に受け止める事ができるようになって…

些細なことにも
当たり前な事なんて何一つないんだって
感謝するようになって…

天気が気持ちいい!
ご飯の味がわかるー美味しい!
ちゃんと眠れた!
今日は外出も出来た!
って小さな幸せを感じる事ができて…

そして

「生きる意欲が湧いてきた」


これは、もしかすると奇跡が起こせそうな気がすると…笑

私の🧬遺伝子や細胞は
私が「笑って」「食べて」幸せを感じていたら元気になるんじゃないかって思うようになった。

NK細胞頑張れ

そうして気持ちも上がりつつあった

がっ

一つ大事な事に気がついた。

当初は「術後科学的補助療法」の予定だったので6ヶ月の治療が終わったら
髪の毛は生えてくるし〜と思っていたが

「緩和的化学療法」となったので
抗がん剤治療で奇跡的に癌が消えない限り
endlessな訳だ…

となると…一度抜け落ちた髪の毛、眉毛は生えないのね…

何故か急に焦った…

髪の毛があるうちに←多分あと2週間くらい?

オシャレして会いたい人に
会いに行かなきゃ…
そうだ…会いに行こう。

いっぱい笑おう

美味しいと感じるものを食べよう。

こんなふうに前向きに考えられるようになったのも、今回の入院のおかげだし

何より…

支えてくれた
大切な人達のおかげなんだと思う。

ありがとう
ありがとう
何度もベットの中で手を合わせた。