恩送り

2018年

初めて癌の診断

2019年

2度目の手術から

余命宣告6ヶ月を受けたが…

今日

36回の抗がん治療を受け延命している　

そしてこれからも生きてる限り治療は続く。

余命6ヶ月と宣告されたのに…

何かの理由があって

私は今日まで生かされていると思うようになった。

癌になるまでの私は

自分のことしか見えなくて

辛いこと苦しい事があると

「死にたい」なんて軽く口にしてた。

ひとつしかない心の中は常に何かに対する

執着心

猜疑心

後悔

拘り…

許せない事

許せない人

うまく言えないけど、そんなドロドロしたもので身体と心を支配されていた気がする。

私の身体の大切な細胞たちをそうやって虐めて来たのだと思う。ごめん！

今思えば

死ぬことに比べたら

そんな事本当に本当にどうでもよくて

そんなドロドロしたもので

明日なくなってしまうかもしれない

尊い時間を無駄に過ごしたくない…

そう思うようになったというか

自然にそうなっていた。

不思議なことに

自分のことで泣かなくなった。

以前、聴いたら即泣きしてバラードも

思い出や執着や拘りから

目を閉じると泣いていて…

最近同じ曲を聴いても

心揺さぶられず…涙も出ず…笑

全ての執着や拘りから解き放たれ

「今を生きる」とこうなるんだな…

全ての事は良き思い出となり

過去を悔やまず未来を恐れず

今を生きることただそれだけ。

毎日を大切な人と笑顔で過ごすことが

どれほど尊くて大切なことなのか

癌になったおかげで

当たり前だと思っていた日常が

周りの優しさや想いによって

私は生かされていたんだと気がついた。

「ありがとう」を口にする事が増えた

手を合わせ心からの感謝をするようになった

「感動」や喜びで涙する事が増えた

花が好きになった。

空を眺めるようになった。

私が生かされている理由の一つは

神様からの最後のご褒美で

これまで花に目を止める事なく

がむしゃらに生き急いで

自分を雑に扱って来た私に

見落としていたこと

忘れていたこと

尊いこと

に気づかせ、たくさんの笑顔で

悔いのない最後を心穏やかに迎えるようにしてくれているのだと勝手に思っている。

そしてもう一つは

これまでたくさんの人から受けてきた恩を愛をたくさんの人に贈り返す恩送りをするためだと思っている。

だから

やりたいと思った事は、直ぐに行動する。

心のページにやり残した事は残したくない。

そんな心境だ。心のエンディングノートに書いては消していく恩送り