深夜特急 余談
ギリシャのどこかの観光地での話
写真を撮る業者のおじいさんが、暇を持て余してます
暇にあかせて、野良猫に餌をやってます
それを見た、アメリカ人旅行者の老夫婦が
「ここで寝るのかしら」とつぶやいてます
おじいさんの事を言ってるのかと
びっくりした沢木が真意を訪ねると
猫の事だそうで
老夫婦いわく、
餌も満足にもらえないし、こんな寒いところで寝るなんて
可哀想だと
うちのねこちゃんは、ホテルに入ってるわと
それを聞いた沢木氏は
どっちが幸せなのかねとつぶやきます
猫は、神殿の日の当たる場所で日向ぼっこしてます
うちのねこも、子猫のころから
ひとりぽっち
たぶん、自分のことも人間だと思ってるんでしょうな
もしくはわしらの事を猫だと思ってるのか
なんかつるつるの顔をした連中だと思ってるのでしょう
家の中から出たことも無く
雌猫とじゃれ合ったことも無い
童貞のまま死んでいくのか
可哀想である
外に出て、自動車に轢かれたりカラスにつつかれたり
ねこ狩りにあったりするような危険はないものの
草いきれの中で寝たり
暖かい日差しを浴びたり
バッタを追いかけまわしたりする
自由はないよね
餌と安全とを引き換えに自由を奪ってるのか
かえってくるなら外へ出してやりたいけどね
奴にはなにが幸せなんだろう
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