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ぶろぐ猫の目

笑う門には福来る・・

実験中

護られなかった者たちへ 中山七里

2023-01-10 10:10:29 | 読んだ本の紹介

護られなかった者たちへ 中山七里



この人の小説初めて読みました

まずはあらすじから



東日本震災から4年後、仙台市内のアパートで

両手を拘束され、餓死した遺体が発見された。

被害者は、福祉事務所の三雲であった。

その4日後、県会議員の城之内が同様の状態で死体となって

見つかった。

同一犯の仕業とにらんだ、県警の笘篠刑事が2人の共通点を探る

2人の過去を追ううち、2人が同じ時期に福祉事務所で働いていたことを

突き止める。

当時2人は、福祉事務所で生活保護受給の業務についていた

当時の対応で、2人は受給決定について、法律を振りかざし

弱者であろうと、書類不備などで申請を却下するなど

恨まれていた事実をつかむ。



当時、恨みを抱いていたであろう人間を追ううちに

利根という人物が捜査線上に浮かんできた

利根は、かつての暴力事件で服役していたが、三雲失踪の1週間前に

出所していた。



過去の利根の暴力事件を調べると、当時利根の親代わりであった

遠島けいという人物にたどり着く

遠島は、当時貧困にあえいでおり、電気ガス止められ切羽詰まったため

利根が生活保護の需給をするように勧めたのであったが

福祉事務所の三雲、その上司城之内が、

「生活が困窮状態であることを証明しろ」という無理難題を理由に

申請を却下していた。

申請を却下された遠島けいは、その後餓死してしまいます

怒った、利根が三雲と城之内を暴行し役所に放火したため

服役していたのであった



笘篠は、利根が犯人だとにらみ利根を追う。

その捜査の過程で、当時三雲と城之内の上司であった上崎を狙っている

ことを突き止める。



海外から帰ってくる上崎を狙う利根を確保すべく

空港に張りこむ笘篠。

そこへ現れた利根。利根を確保した笘篠に利根は意外なことを口にした。

「俺は上崎を護ろうとしているのだ」と





とまあこんな感じでした

まあまあ良くできた小説です、

最後のどんでん返しは、まあ面白かったですが

全体としては・・・





それはさておき

作者の方が書きたかったのは、「生活保護制度」の矛盾と

その実態についての「怒り」、「あきらめ」とでもいいましょうか



役所側の企業倫理で弱者を振り分けることの是非

厚生労働官僚からは生活保護の受給率の高い県は、無能呼ばわりされるそう

出世を望む公務員は、勢い受給申請に厳しく当たってしまう

真に助けが必要な弱者が切り捨てられ

どこぞのクソ芸人の母親のように不正受給をして

のうのうと暮らしているやつもいる

そういう実態に、いまさらながら気づかされますね

あの、クズ芸人がのうのうとテレビに出てるのを見ると
虫酸が走ります



















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連鎖 黒川博行

2023-01-06 09:13:21 | 読んだ本の紹介



連鎖 黒川博行



正月一気読みしました



食品卸会社シノハラの篠原社長が行方不明になったと

妻の真須美が大阪京橋署に届け出してきた。

刑事の上坂と礒野に捜査が命じられる。



篠原の足取りを追ううちに、手形がらみで街金の斎藤商事、けつもちのやくざ筏組が

捜査対象に上がってきた。



そんな中、阪和道の避難場所で篠原の死体が見つかる。

青酸ソーダを含んだ服毒死であった。

自殺と他殺の両面で捜査が進む。



小太りの映画好きの上坂と麻雀すきの礒野のコンビが

悪のたくらみを足で暴いていく。



ネタバレになるのでここまで



2人の捜査員の会話の端々に映画の話題と、大阪のグルメの店が差し込まれたり

麻雀のシーンも面白い一服の息抜きとなっています。



かつて失敗して左遷された上坂は、出世は望めないのを自覚しながら

刑事としての使命を全うするんですよね

足を延ばして聞き込みをして、一つ一つ疑問を解いていく

おだてたりすかしたり脅したりして、真実に近づいていくのは、

小気味良いです。

疫病神シリーズのように、派手な立ち回りはありませんが

その分、リアリティーがあってよかったです。



ラストは言えませんが、黒川ドラマには珍しく感動するシーンがありました

ちょっとジンときました。



年末、紀伊国屋書店にふらっと立ち寄ったら

新刊売り場に、「サイン本」が積まれてました

思わず買いましたよ。待ちに待った新刊がサイン本でした。

なんだかうれしいっす。















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ジェノサイド 面白かった

2022-12-01 06:50:23 | 読んだ本の紹介
高野和明「ジェノサイド」

2011年発行の小説ですが、なかなか面白かったです



あらすじ

元グリーンベレーの軍人イエーガーは、難病の子供がおり

その治療費のために、高額な傭兵仕事を請け負う。

それは4人のチームで、内戦下のコンゴへ潜入し「ある仕事」を

遂行することであった。



日本では、薬学部で研究している古賀研人が父親の葬儀を行っていた

ウイルスの研究者であった父親から、メールが届く。

死んだ父親からのメール。それは死を予見した父から息子に

自分がやり残した仕事を引き継ぐためのメールであった。

父親から託されたのは、2台のパソコンと高額な現金。

そして、秘密のアパートの鍵。

「携帯電話やメールは盗聴されていると考え用心しろ」

「お願いは、パソコンの指示に従い新薬の創薬だ。期日は1か月」

とのメッセージ



イエーガーに「ある仕事」を依頼したのは、アメリカのホワイトハウス。

ホワイトハウスはアメリカの将来に禍根を残すであろう元凶を断とうとしていた

それは、ピグミー族と「見たことの無い生き物」の抹殺であった。

コンゴに乗り込んだイエーガーたちの前に現れたのは

「見たことの無い生き物」とそれを守る生物学者ピアーズ。

ピアーズと対峙するイエーガー。



わけのわからないまま、パソコンを開く研人。

なぜか、警察に追われる羽目に。

危機に会うたびに謎の男から連絡があり危機を脱し

隠れ家のアパートで友人の韓国人李とともに、

パソコンの指示に従い創薬に取り組むのだが・・



遠くコンゴにいるアメリカ人イエーガー

日本の古賀研人

アメリカのホワイトハウスの3者が各々の思惑で動き出す。

いったい誰が、研人を導いているのか?

イエーガーは未知の生き物を抹殺できるのか

ホワイトハウスは万能の力をもってその意志を押し通すことができるのか



怒涛の展開が巻き起こりますぞ



まあ、おもしろい

上質の映画を見ているようです

架空の難病への創薬のプロセス。

アフリカコンゴの戦争の状況

ホワイトハウスの持つ情報機関の恐ろしさ

そしてなにより、人類はどこから来てどこへ行くのか

人類の存続は是か非かの哲学

作者の緻密な取材が効いてます。

創薬の下りからちょっとやりすぎ感があるくらい

まるで大学の講義を受けてるような感じになることも。

しかし、コンゴでの脱出劇が始まると一気に物語がすすみ

もう読むのをやめれませんよ

秋の夜長に一気読みしてみては










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13階段 死刑制度は有効か

2022-11-08 05:55:06 | 読んだ本の紹介

13階段 高野和明著



高野さんのこの本は、てっきり読んだと思ってました。



古本屋で何気に手に取って、あらすじを読んだら

あれ?こんなの読んでないやって思って

買ってみました

乱歩賞を選考委員全員一致で獲得したという本です。

面白くないわけがない。





主人公、三上は、2年前佐村恭介という男を酒場での喧嘩で殺害します。

しかし、喧嘩を売ってきたのは佐村ということもあり

三上は情状酌量もあり2年の服役で仮釈放となりました。



しゃばに戻った三上をまちうけていたのは

被害者の佐村恭介の両親への賠償金でした

両親が、家財を売り、切り詰め支払っている状況ですが

もうそれも限界でした



一方、四国の刑務所に死刑囚として収監されている樹原亮

数年前、千葉勝浦の保護司、宇津木耕平一家を惨殺した罪で死刑を宣告されています。



しかし樹原は事件当日、オートバイの事故でけがをしており

当日の記憶をまったくなくしていました。

事故で意識を失った樹原のカバンの中に宇津木氏のキャッシュカードや

凶器を埋めたであろうスコップなどが見つかったため

本人の記憶がないまま審判が進み、死刑を宣告されました。



4度の再審請求もむなしく却下され

このままでは、樹原の死刑が執行を待つばかりの中

樹原が、一つの記憶を呼び覚まします

「事件当日、俺は階段を上っていた」

5度目の再審請求に向け事態が動き出します。



樹原の無実を信じる、刑務官の南郷。退官間近の南郷に

弁護士の杉浦が、仕事を持ち掛けます

樹原の無実を晴らすために働いてみませんか?

高額の報酬を出すという、秘密の篤志家の依頼で

樹原の無実を証明しようとします。



刑務所で三上の事をよく知っている南郷は

三上が賠償金で金に困っているのを知り

三上を助手にして高額報酬を分け与えようと画策します。

そして南郷は三上を助手に、樹原の無実を証明するため

「階段を上っていた」という証言の真実を暴くため

動き始めました。





とまあこんな感じです

無駄のない精緻な筆跡で読みやすいです

死刑制度の是非を問いかける問題作

哲学的な視点からも考えさせられる。

死刑というのは本当に必要なのか?

絶対悪の人間には死刑あってしかるべきなのか

人間は改心するのか?

被害者の親族の心情は・・

難しい問題です



南郷と三上が過去の事件を洗いなおすのですが

被害者家族の抵抗が大きく、捜査は進みません。

また、三上が起こした殺人事件も後を引きます

2年の服役では何も終わっていなかった。



そして場面は変わり、

死刑執行に際し13の手続きがあるそうです

こちらも13階段です

その手続きが、順々に進んでいきます。

刑事局から矯正局、保護局の決裁をへて「死刑執行命令書」が作成され

官房長、法務事務次官の決裁がすすみ

あとは、法務大臣の決裁だけとなります



もう時間がない

法務大臣が、サインをすれば樹原の死刑は執行されるのです

南郷と三上は、はたして樹原を救うことができるのでしょうか



一気に読ませますぞ







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俗物図鑑 やばい

2022-10-29 09:36:05 | 読んだ本の紹介



俗物図鑑



ブックオフで見かけたので、懐かしくて買ってしまいました

1972年発刊の筒井康隆の長編小説です。



筒井康隆は、中学の時に読んでその世界観に没頭したもんです

にぎやかな未来、アフリカの爆弾、アルファルファ作戦、日本以外全部沈没

日本列島七曲り、農協月へ行く、メタモルフォセス群島、宇宙衛生博覧会、

短編、ドタバタ、スプラッタ、エログロのオンパレード

中坊の心をわしづかみにしてましたね

かと思えば、時をかける少女でメジャーとして一世を風靡しました



わたしの読書遍歴の原点と言っても過言ではないですね

一番最初に読んだ文庫本は、眉村卓のC席の客でした

そこから始まってショートショートが好きで、星新一へ

そして行きついたのが、筒井康隆w



中学の教室で、わしに似たような連中が話してて

「世界汚いもの食べる選手権があってん。誰が優勝したと思う」

「痰ツボ飲んだやつが優勝するとおもったんやけど」

「げー」

「じつは、その痰ツボ飲んだしたやつがあまりの汚さに吐いてしまってんけどな

その吐いたゲロを食ったやつが優勝してん」

「なんやねんその話ww」



とかいう話をきいててめっちゃ笑ってたんですが

その元ネタを聞いたら

筒井康隆の俗物図鑑でした



あらすじ

一般企業の営業課長の雷門が「接待のプロ」でその愛人の礼子が「贈答品のプロ」

礼子の兄が、出版業で2人に評論本を執筆するように依頼します

すると瞬く間にベストセラーに

ことのほか世間はそういった専門的な評論家に飢えているということから

雷門は、いろんな専門家をあつめて本を執筆させていきます

部下の小口が「口臭評論家」

社長の風巻が「盗聴評論家」

社長の友達の西城が「パーティー評論家」

続々と評論家をスカウトしていきます

月経評論家

覗き評論家

横領評論家

放火評論家

自殺評論家

反吐評論家

性病評論家

麻薬評論家

皮膚病評論家

汚物評論家

カンニング評論家



雷門は、これらの俗物評論家を一か所のマンションに集めて「梁山泊」と銘打って

各々評論家をテレビ局に送り込み

勝手気ままに評論させます



反吐評論家に至っては、人の吐いたゲロを観察して

そのゲロを吐いた人物を特定できます



自殺評論家は、自殺したいがために飛行機に乗るたび

爆弾を抱えて乗り込んだり



放火評論家は、放火するのが三度の飯より好き



汚物評論家は、当時どこにでもあった痰ツボを飲むのが好きだとか

もうむちゃくちゃ

読んでて気分が悪くなりました。



極めつけは皮膚病評論家は、ありとあらゆる皮膚病を自分の体に

植えこんで、体中から膿やただれた皮膚をまき散らします



こんな連中がテレビに出て、好き勝手やるもんで

PTAなど世の中の良識派たちが排斥運動を巻き起こします



梁山泊に、良識派たちが押し寄せてきて

雷門たちは、梁山泊に立てこもります。

そんな中、放火評論家の放火犯を逮捕しに来た刑事を人質にとったことから

警察や機動隊が押し寄せてきます

迎え撃つ、梁山泊の面々は汚物や、皮膚病の菌をまき散らして応戦します

やがて戦いはどんどんエスカレートし

最後は自衛隊まで出てくる始末

はてさて最後はどうなることか



もう50年も昔の小説で、当時の風物が描かれてますが

痰ツボとか知らんでしょうねえ

だいたい水滸伝とか梁山泊ってのも知らんでしょうねえ

興味のある方は読んでみてください















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正義の申し子 染井為人

2022-10-18 10:23:22 | 読んだ本の紹介



正義の申し子 染井為人



なかなか面白かったです

あらすじから



大阪でフィッシング詐欺をやってる、暴走族上がりの栗山鉄平の電話に

ユーチューバーのジョンが電話をしてきます。

ジョンは、フィッシング詐欺犯とわかってて、それをおちょくる動画を

ユーチューブに配信して人気を博してます。



ジョンの本名は佐藤純。東京の片隅に暮らす4人家族

友達のいない引きこもりの純は、イケイケの妹から馬鹿にされ

ネットの世界に逃避しています。

ネットの中では、素顔を隠すためタイガーマスクをかぶり

万能の神として詐欺犯と対決するのですが

マンネリを打破するために、栗山鉄平を執拗にからかったため

鉄平は激怒。ジョンがちょっと油断した際に佐藤純という本名が

ばれてしまいます。

それを知った鉄平は、ネットを通じて佐藤純に迫ります



東京に向かった鉄平、あとを追う舎弟の樋口を引き連れてジョンを探すのですが

樋口は、詐欺の親玉の西野の金を盗んできてました

ジョンを追う鉄平、鉄平と樋口を追う西野が東京で交差します



また、時を同じくして、純の妹萌花が友達と不良大学生に襲われる事件が発生

ジョンと鉄平と西野のバトルに萌花のピンチ!!

いったいこのドタバタがどう展開するのか目が離せませんぞ



とまあこんな感じ

前回読んだ正体や震える天秤とは一転かわった

軽い感じのストーリー展開

大阪弁の鉄平がめっちゃ格好いいんです

友達のいない引きこもりの純がタイガーマスクをかぶることにより

ジョンに変身し、人格が変わるのもありがちですが面白い

本人はつらそうですがw



ラスト数ページのエピローグでちょっとぐっときます

秋の夜長に軽く読んでみてはどうですか



























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震える天秤 なかなか面白かったですよ

2022-10-08 09:57:40 | 読んだ本の紹介

震える天秤  染井為人



まずはストーリーから

北陸のコンビニで高齢ドライバーによる死亡事故が発生した。

86歳男性の運転するトラックがコンビニに突っ込み、店長を轢き殺したのだ。

アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者は認知症を疑われている。



フリーのライターの俊藤律は、高齢者の運転問題についてのレポートを作成するため

愛車のベスパで取材に向かう。

現場を訪れた律は、被害者の身内から取材を開始するのだが

被害者は、店長とは名ばかりでぼんぼんのチンピラであった。

その親はコンビニのオーナーで息子の死より、

いかにして息子の死を金にしようかと画策するような人間であった。



律は取材として加害者の村を訪ねるが、村人の過剰な緊張に迎えられる

村でコンビニのアルバイト店員であった少女を見かけ

取材をしようとするが、村人が必死で少女から律を遠ざけます。

「この村はおかしい。必死で何かを隠している」



ジャーナリスト宿命か、

事故に疑問を持って取材に乗り出した律は、

少女をきっかけに、続々と予想外の事実を知ることに…。

事故か事件か?



調べるうちに、被害者のろくでもない実態が明らかに

あわせて過去の事件が浮かび上がってくる

殺されても仕方がない人間が、事故で死ぬ

事故を起こしたのは、認知症の老人

老人と被害者の間にはなんの接点もないが

そこには、村の人間との隠された事実があった。





はじめ、田舎の村の隠された因習のような

おどろおどろしい物語を想像してましたが

全く違いました。



フリーのジャーナリストの律が、疑問に思ったことを

一つ一つ丹念につぶしていく様は

ジャーナリストの使命というよりも

真実を求める律の正義感を強く描いてます。



そしてたどり着く真実。

そこには正義と人間としてのありかたとでも言いましょうか

決して人間は正義だけでは生きていけない

律は悩みます

正義をとるのか人間としての在り方をとるのか

まさに「震える天秤」です

ラストの30ページは、途中でやめられない

ラストまで突き進みます



そして最後、律は天秤をどちらに傾けるのか?

批評が分かれるところですが

私は律の判断が正しいと思います

あなたはどう感じますか














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正体 染井為人 面白かったです

2022-10-06 06:20:18 | 読んだ本の紹介

正体 染井為人



康太郎さんのおすすめもあって、染井為人著「正体」よんでみました

600ページの大作ですが、1週間もかからんくらいに読めました

物語がオムニバス形式になっていてさくさく読めます。



ストーリーから

高校生鏑木が、一家殺人犯として捕まります。

鏑木は当初無実を主張しますが、認められず強引に自供させられ

死刑判決を受けることに。

病気を装い、脱獄することに成功した鏑木。

東京オリンピックで沸く日本のどこかに潜伏します。



まずは、オリンピックの施設工事現場

名前を遠藤と名乗り、工事現場の劣悪な労働環境を少しづつ

改善していきます。

しかし、仲間内から脱獄犯かと怪しまれ現場を去ります



次は、在宅ライター那須として、編集者の安藤と同棲し

身を隠すのですが、安藤の元カレが那須の身元を怪しみ

安藤の元を離れます



冬になり、人里離れたスキー場で住み込みで大学生

袴田として働きます。

そこで、痴漢冤罪で悩む弁護士、渡辺と知りあいます。

しかし民宿での盗難騒ぎをきっかけに、怪しまれその場を去ることに



山形の新興宗教「救心会」の信者として、久間と名乗りパート主婦近野と知り合いま


近野は家庭内に悩みを抱えており「救心会」に救いを求めるのですが

その救心会は、実は詐欺グループで信者の個人情報をもとに詐欺をおこない

金に換えていました

近野の同僚、笹原は、鏑木が犯人とされる一家殺人事件の唯一の生き残り、伊尾由子
の姉でした

鏑木は笹原から伊尾由子の居場所を探り当てます





伊尾由子は若年性アルツハイマーを患っており、記憶がはっきりしません

そこで老人ホームに入っています。

鏑木は、桜井と名前と顔を変え、老人ホームの介護士として働きます

桜井は優秀な介護士として認められています。

同僚の酒井舞から慕われるようになりますが、桜井は伊尾由子に接近し

伊尾から自分の無実の証拠を引き出そうとするのですが

記憶があいまいな伊尾では、なかなかうまくいきません。



そんな中、酒井舞は桜井が鏑木ではないかと疑い始めます

そして、警察の手がついに鏑木に襲い掛かります



ここから先はネタバレになるので書きません

が、

ラストは、それってどうなのっていう終わり方をします

エピローグで取返しを図るのですが・・

作者もあとがきで、悩んだと書いてました

終わり方次第で、もう少しよくなったのではないかと思いますが

こういう終わりを作者が選んだというのもうなづける気もします。



冤罪がテーマの作品ですね

冤罪の恐ろしさは想像するに難くないですね

恐ろしい話です




















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悪い夏 恐ろしい小説です

2022-09-20 11:12:48 | 読んだ本の紹介

悪い夏



康太郎氏のおすすめであった、染井為人の「悪い夏」ようやく読めました

一気に読んでしまいました。



ストーリーから



夏の暑い日の話

社会福祉事務所のケースワーカー佐々木は、生活保護を受けている人を訪問し

生活保護を受ける資格があるかどうか、働けないのかどうかを確認するという仕事をしていた。

同僚の高野は、生活保護を受けている愛美に受給打ち切りをネタに脅し

肉体関係を結んでいた。

ヤクザの金本とその情婦の莉華は、愛美と高野の関係を知り

それをネタに高野を脅し、生活保護不正受給ビジネスをしのぎにしようとたくらむ

ところが、同僚の宮田が高野の悪事に気づき

先手を打って、高野を退職に追い込みます

予定の狂った金本は愛美を脅し色仕掛けで佐々木を落とすように仕向ける

女性に免疫のない佐々木は、コロッと騙され金本の餌食にされる

佐々木にとって最悪の夏が訪れた。



とまあこんな感じ

まあ、読んでてぞっとする話でした

旦那を事故で失い、幼い子供を抱えたシングルマザー

保険金も頼る身寄りもない場合、すぐそこに破綻が訪れる

電気ガス水道のライフラインがとまり、食うものもない

つい出来心で万引きをしてしまい、世間からつまはじきにされる

その先には、一家心中することしか残されていない

そんなことにならないように生活保護という仕組みがあるのだが

それを悪用する人間もいる

本当に必要な人に生活保護が認められず

腰が痛いと正業に就かず、怠けてパチンコに明け暮れる人間

身内から金をもらいながら、生活保護をせしめる

河本の親、みたいな人間

こずるい腐った、世の中の最底辺にうごめく人を描いてます

人間、歯車が一つ狂えばそうなる可能性はありますね

うちの実家も相当の貧乏でした。生活保護もらえばいいのにとか

思ってましたが、本当の底辺はそんなレベルではないのですね



佐々木のなんとか回っていた生活が、歯車が一つ狂ったせいで

怒涛の如く悪い方へ悪い方へ転回していきます

その様子は、ある意味滑稽ですらあります

いったい佐々木はどこまで落ちていくのか?

佐々木に救いはあるのか?



非常に恐ろしい小説でした





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あの日君は何をした しらんわ

2022-09-13 06:22:11 | 読んだ本の紹介

あの日、君は何をした まさきとしか著  





古本屋のおすすめの棚に置いてあったので

手に取ったら、帯に批評家が絶賛してたので

読んでみました



全く知らない作者で、男か女かもしりませんでした



まずはあらすじから



北関東の前林市で平凡な主婦として幸せに暮らしていた水野いづみの生活は、

息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。

深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていた大樹は、何をしようとしていたのか――。



15年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。

無関心に見える妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は、必死で辰彦を探し出そうとする。

刑事の三ッ矢と田所が捜査を進めるうちに、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵が明らかになる。

『完璧な母親』で最注目の著者が放つ、慟哭のミステリー。



ですって



一部と二部に分かれてて、1部は、平和な家庭の高校生の息子が

事故死するまでの話。

2部はその15年後の殺人事件が、15年前の事件につながるという話。



読み始めて、これは違うなと思いました

感性が違うというか、女の感性というか、

男と女は感性が違うんでしょうね

私は、よく女の腐ったような奴と言われますので

どちらかというと、女よりの感性の持ちぬしだと思いますが

この本を読んでて、気持ち悪くなってきました

この本は、ほんものの女の腐ったのの感性とでも言いましょうか

とにかく読んでて気持ち悪い



それに、筋書きが安直でトリックもクソっていうか

トリックって言えるのかね

面白くともなんともない、ひねりの一つもない

こんなひねりのないミステリー初めて読んだわ

ミステリーとは言えるのかね

女の腐ったのの描写を延々してるだけ



これからミステリー作家としてシリーズものを書くつもりか知らんけど

三ツ矢とかいう刑事を登場させてますが

キャラにまったく魅力を感じない、薄っぺらい人間で

ペラペラです。これから肉付けするつもりかしりませんがねえ

次の本を読む気にならないので失敗ですね。

シリーズもののキャラなら読んだ瞬間に、顔かたち体格まで

心の中で映像化されるんですけど

この作品の中では、まったくそんなことは起こりませんでしたね



ブックオフで買っといて申し訳ないんですけど

私には時間の無駄でした



























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鉄の骨 池井戸潤

2022-09-07 13:49:17 | 読んだ本の紹介

「鉄の骨」池井戸潤



昔、読んだような記憶はあるんですが、内容を忘れてるので

読み直してみたのですが

ことのほか面白かったです



あらすじ

中堅ゼネコン・一松組に入社して4年目の富島平太はある日突然、業務課への異動を命じられる。

大学の建築学科を卒業し、入社以来現場を担当してきた平太にとって、

営業を担当する業務課は正に畑違いの部署だった。



着任早々、区役所への挨拶を命じられた平太は、

公共工事の最低入札価格や指名入札業者の数に探りを入れる上司と役人とのやり取りにはらはらする。

その日の夜の飲み会で平太は、業務課が通称「談合課」と呼ばれる部署であること、

談合がなければ建設業界は立ち行かないため談合は「必要悪」であることを聞かされる。



談合は本当に悪なのか、平太の苦悩の日々が始まる。

時を同じくして、2000億円規模の地下鉄敷設という大型公共事業の情報が入る。

地下鉄工事に関して豊富な知識やノウハウを誇る一松組は独自技術によりコスト的優位に立つが、

社内外のしがらみから、一松組そして平太も談合に関わらざるを得なくなる。

平太は、上司の尾形の命令で、談合を仕切るフィクサーと呼ばれる三橋の元に送られる

三橋自身も談合に対して、懐疑的ではあるが義理の兄の代議士城山の代理人として

その手腕を発揮せざるを得ない状況となっていた。



平太の彼女である萌は、銀行員で平太が談合にかかわることを嫌っていた

上司の園田から求愛され平太を裏切るのだが、平太のことを忘れられずにいる。



そんな中、東京地検特捜部が水面下で捜査を進める中、萌の勤める銀行に調査が入り

危険を察知した萌は平太に談合から手を引くように言うが、

平太は、談合が悪だとわかりつつも会社の1社員としての立場を貫くことを決意していた。



この大型公共事業の入札が始まる。

入札の結果は、そして一松組と平太の運命は。







この小説が出されたのが2009年とのことで10年以上前の小説ですが

当時の建築業界は、談合ありきの体質から抜け出そうと業界が取り組んでいた時期にあたるのか

しかし、談合は業界のバランスを保つための必要悪との考えも間違いとは言えないきがします。

大手ゼネコンは、抱える下請けも含めると何十万人もの人間を支えています

工事を受注できないと、係る人々の生活が脅かされる。

中堅ゼネコンも同様の構図。しかしコスト面では仕入れ力で優位に立つ

大手ゼネコンに太刀打ちするのは難しい。

大手で独占すると、業界内のバランスが崩れる

そこで、談合という方式で全体バランスを図るのですが

そこには、フィクサーと呼ばれる黒幕が談合を仕切り、今回はA社、次回はB社と

割り振るのが通例でした

当然、談合で入札額が恣意的に操作されるので

発注額が高騰し、公共工事であれば税金が余計に費やされます

また、入札額の何パーセントかはフィクサーの懐に入り

それが、公共工事を発注する側の政治家に還元されるという構図

そんなことがまかり通ってた時代。



この小説では、ラストで談合は悪だと断罪するわけですが

その後のことは書かれてません。

談合やぶりで、受注したとして

次回以降、談合やぶりの汚名は消えず業界から干された場合どうなるのか

そんなことを考えさせられます

いまでは、業界もジョイントベンチャーを組むなど、自助努力により

談合体質からの脱却を図っているようですが

本当のところはわかりませんね



 似たような話でオリンピックがありますね

オリンピックに巣くう電通のような腐れ企業が、フィクサーとして

森喜朗みたいなくされを使って、便宜を図らせた企業から

金をすいあげる、吸い上げるだけではなく、水増しした費用から

中抜きするわけですから、談合より質が悪い。



こういった連中を取り締まるのが検察ですからね

しっかりやってもらわないとですね





















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悪の五輪 月村了衛

2022-08-23 11:40:05 | 読んだ本の紹介
悪の五輪 月村了衛著



先日、先の東京オリンピックにからんで、腐れ電通の元重役とAOKIの重役が

贈収賄で逮捕されました。

こんなもの、オリンピック利権の氷山の一角でしかないでしょうね



皆さんもご覧になったと思いますが、なんですかあの開会式

3流芸人がちょこまか動くだけ。

あれが全世界に配信されたと思うと、恥ずかしさで身がよじれそうです

あれほどの金をかけて、なんであんな結果になったか

全部、電通に金が流れて、電通からいろんな黒幕に金が流れてるんでしょうね

オリンピックなんか、フィクサーの集金マシンでしかないってのが

よくわかりました



そんなことどうでもええんですけど

あほな国民はもうそんなこと忘れてますからね



そんなことを思いながら読んだこの作品

前回1964年の東京オリンピックを題材にしてます

あらすじは

1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、

公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板したことから物語が始まる。



博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、

中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。

人見は、やくざには珍しく映画フリークで映画の評論には一家言持っていた。



公式映画の監督になるには

オリンピック組織委員会の中の記録映画小委員会が決定権を持っており

そこには政治家、財界関係者が名を連ねていた。

人見は、決定権者の裏を探り、弱みを握り、女をあてがい、いうことを聞かせる



しかし、オリンピックという途方もない利権に絡む

魑魅魍魎たちが、人見の動きを察知し、妨害し利権を奪おうと人見に襲い掛かります。



人見は、知恵と度胸でその危機を回避すべく、

伝説のヤクザ・花形敬や、映画界の大物・永田雅一、ひいては同和団体の大立者まで

まきこみ、一介のチンピラやくざが命を懸けて、映画界での地位を築こうとあがきます。



東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、

現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。



あらすじはここまで

実在の人物、黒澤明、映画界の永田雅一、伝説やくざ花形、若手監督若松、

そして、戦後最大のフィクサー児玉誉士夫が登場し

人見に絡んでいきます

まるで、実際のノンフィクションのように描かれています

一場面ですが、田宮二郎、野中広務も登場します。



実際の東京オリンピックは、市川崑が監督をしました

この本の中では錦田として描かれている3流監督が市川崑のモチーフになってます

市川崑は、当時の名女優有馬稲子に執着し

中絶を強いたり、不倫関係の継続を要求したり好き放題してそうですね

この悪の五輪の最後では、市川崑が監督に抜擢されていますが

それは、作者の皮肉でもあったのですね。



1964年、映画がエンタメの最前線。

肩で風を切る、映画村の面々の活気を描いてます

しかしじつは、この年を境に映画は斜陽の道をたどるのです

そう、テレビという魔の手が現れたのです。



そして今、テレビという最強のエンタメであったものが

ネット動画という新手のコンテンツにとってかわられようとしている

歴史は繰り返すってやつですね。



そんなことはどうでもええんです

この本、面白かったですよ。ぜひどうぞ



























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145gの孤独 おくちにあいませんでした

2022-08-11 08:20:19 | 読んだ本の紹介

145gの孤独 伊岡瞬



あらすじ



145グラムは硬球の重さ。

倉沢修介はプロで活躍中、死球事故で西野の選手生命を奪い、自らも投げられなくなり引退。

今は野球のできなくなった、西野とその妹と便利屋を営んでいる。

ふしぎな依頼が舞い込んでくる。子供のサッカー観戦に付き合ってほしい

それだけ。大枚の料金を払っての謎の依頼、依頼者の思惑は?

またフィリピン人の姉妹の帰国にまつわるどたばた。

老女大学教授の謎の依頼。みんな訳あり。



こんな感じのあらすじで

おもしろそうと思ったんですけどねえ

ダメでした

途中で何度読むのをやめようかと思ったか

主人公の倉沢のキャラはまあまあいいのですが

会話が異常に軽く、まったくそぐわない

反面、ヒロイン役の西野の妹が、異常に態度が悪い

その理由があるのは、あとからわかるのですが

理由がわかるまで、常に不機嫌な態度を読まされるストレスは半端ない

キャラの設定に問題あるから、感情移入できないし

そもそものストーリーもまったく行けてない

かろうじて、子供のサッカー観戦にまつわるエピソードは

読めましたが

フィリピン人姉妹の帰国騒動は、なにが言いたいのか

まったく理解できませんでした

この辺で読むのをやめとけばよかった

我慢して読み続けたら

老女大学教授のエピソードでどんでん返しがあって

まあそんなこともあるかなと

最後の親会社の社長とその娘のエピソードに至っては

蛇足感満載

わけのわからん頭のおかしい娘の奇行に終始して

まったくまとまりない

むちゃくちゃな展開。なんやねん。

ほんま時間の無駄でした



あらすじにだまされたパターンですね

しかしネットで読書感想を読むと、褒めてる人もいるもんね

ほんまかいな

まあ私の口に合わなかっただけです

たぶん

読むか読まないかはあなた次第ですw



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ゴールデンカムイ大団円

2022-08-05 06:20:50 | 読んだ本の紹介
このブログでも何回かご紹介しましたが

くそ面白い漫画「ゴールデンカムイ」がこの度31巻で大団円を迎えました



2014年からヤンジャンで連載開始、8年にわたっての長期連載で

累計部数は2100万部を突破しているとか

アニメ化されており、実写化も進められているという話。



あらすじを簡単に言うと

時は日露戦争終結後の1907年ころの話

アイヌの独立を目的にアイヌに指導者たちが集めた金塊をめぐり

その首謀者であるウィルクの娘アシリパさんは父親の遺志をつぐべく

金塊を探す旅に出る。

アシリパさんの志に同調した不死身の兵士杉本と脱獄王白石が

行動を共にする。

金塊の情報を知った、陸軍第7師団鶴見中尉は、師団員による

北海道制服を目論んでおり、その軍資金に金塊を追っていた。

また、網走監獄にとらわれていた新選組の生き残り土方歳三も

かつての盟友永倉新八らとともに蝦夷共和国を設立すべく

金塊を追っていた。

金塊のありかを示すのは、網走監獄に入ってた囚人の体に彫られた

刺青であった。

その刺青をめぐって3者が囚人を探し求めるのであったが

さすが、網走刑務所に入ってる囚人たちは

強烈な個性を強く発揮している連中ばかり

化け物のような囚人たちをと戦いながら

囚人たちを倒し刺青の描かれた皮をはぎ取られます。

アシリパ杉本チーム、第七師団、土方チームで

刺青の争奪戦が始まりました

そんな中、アシリパさんが第7師団の鶴見中尉に誘拐され

シベリアへ連れていかれるなど混乱を極め

アシリパ奪還に向け杉本チームと土方が手を結びます

なんとかアシリパさんを奪還し、集めた刺青で

アシリパさんが金塊のありかを読み解きました。

金塊は、五稜郭に隠されている!

時を同じく、鶴見中尉も解読に成功

先に五稜郭に到達した杉本一行。

金塊が埋まってるはずの場所には金ではなく

なんと北海道の原生林の広大な土地の権利書であった

アシリパさんの父ウィルクは、明治政府と交渉し

多大な金塊と北海道の土地を交換したのでした。

それは、アイヌ民族の行く末を保障するものだったのです。

さらに刺青を読み解き、残りの金塊も埋められていることを発見しますが

鶴見中尉率いる第7師団の強襲をうけます

ウィルクとかつての仲間であった、ロシアパルチザンの残党を率いるソフィアが

アシリパさんを守るべく戦闘に加わり

壮絶な戦いが始まります。

杉本、土方、鶴見そしてそれらを取り巻く屈強な戦士たち

血で血を洗う壮絶な戦いは、必読の価値がありますぞ

不死身の杉本の鬼気迫る姿

立ちはだかる鶴見中尉の威容

そして結末が・・・

果たして、権利書を手に入れたのは?

金塊の行方は?



30巻から31巻には五稜郭での戦いから、最後の鶴見との戦いまで

描いてあります

この熱量たるや、一気に読ませますぞ

30巻読んだ後で31巻が出るまでの間のもどかしかったことw

まだ29巻以降読んでない方は

幸せ者です。一気に読めるのですから。

そして、最後の最後の10ページは

この物語の結末にふさわしいものでした。

なかなかこんな面白い漫画は無いですぞ

ぜひお読みください

































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楽園の真下 荻原浩著

2022-08-01 13:27:49 | 読んだ本の紹介

楽園の真下  荻原浩著

このブログの数少ない読者の康太郎さんがお読みになられたというこの本

なかなか面白いということで読んでみました



あらすじから

天国に近い島といわれる「志手島」は本土からは船で19時間、

船でしかアクセスできず、それも週に1便しかありません。

コーラルブルーの海に囲まれ、亜熱帯の緑深い森に包まれている楽園です。

この楽園で、17センチの巨大カマキリが発見されました。

フリーライターの藤間は編集者に頼まれ、巨大カマキリの取材のため現地を訪れます。

実は志手島には楽園とは別の姿がありました。

2年間で12人が自殺と思しき水死体で発見されていてネットでは「死出島」とも呼ばれていたのです。

かつて妻を自殺で失った藤間はなぜ人間は自殺をするのかについて考えていました。

なぜ志手島には自殺が多いのか?

やがて島で取材を続ける藤間の身の回りでも自殺者が発生。

農家の飼い猫が無残な姿でころされていました

野生生物研究センターの女准教授・秋村と共に、

カマキリを探しに島の原生林に分け入るとそこには、信じられない光景が。



とまあこんな感じです

ここから先はネタバレ注意

カマキリといえば、このブログでも紹介しましたが

腹の中にハリガネムシっていう寄生虫を飼ってます

このハリガネムシが、カマキリを操って水辺に導き

カマキリを水没させ、尻から出てきて

水中で繁殖するというサイクルを形成してます。

この本にもいろいろな例が書いてありましたが

カタツムリに寄生するやつは、カタツムリの目に潜りこみ

芋虫のように動いて、カタツムリを鳥に食べさせます

食べた鳥の中で寄生虫は成長し産卵し

その糞からまたカタツムリに寄生するというサイクル

これくらいの知識はあったもんで

この本を読んだとき

ははーん、ハリガネムシが出てくるなとは思ったのですが

想像以上の展開にびっくりですw



カマキリは、むかし子供のころよく捕まえました

放課後、すすきの生えた原っぱにいって

ススキをかき分けると、三角形の頭で大きな鎌を持った

カマキリがいました

首元をつかむと、鎌も届かないので

上手く捕れます

獲ったカマキリを観察すると、目がきれいなんですよね

きらきら光った目の中に黒い点が見えてねえ

バッタを捕まえてきて、食べさせると

鎌で抱えて、小さな口でスイカを食うように

右から左へ顔を動かして食ってました

自分の指の皮を食べさせたこともあります。



そんなことを思い出しながら読みましたが

展開が早くて一気に読んでしまいました

主人公のキャラがなかなか良くて、ヒロイン秋村との関係も

良かったです

映画化出来たら面白いでしょうねえ

ラストの展開も面白いですぞ



































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