「帰らない」中国人旅行者が急増。沖縄の現状は日本の未来か?
2017年6月28日 0時16分
まぐまぐニュース
梅雨明けのタイミングで最高の季節を迎えた沖縄。そこへ友人たちとともに出向いたというクリエイターの高城剛さんは、自身のメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』で、祖国に「帰らない」中国人観光客が増加し続けている沖縄の現状と、この光景は「すぐ先の日本の未来」だと持論を展開。世界情勢の裏側に詳しい高城剛さんは、どのような点から「未来」を予測したのでしょうか?
沖縄で見た、日本のすぐ先の未来
今週は、那覇にいます。仕事と私事で香港、台湾を回る必要があったのですが、なかなか時間が取れず、それだったら梅雨明けになって気持ちが良い沖縄に、皆で集合しよう!と相成りまして、急遽那覇にやって来ました。
日中の最高気温は30度を超え、最低気温も28度と、すでに夏真っ盛り。ですが、街の様相は古き琉球王国の首都というより、広東省の一都市に思えます。市場に出向いても、モールに行っても、深夜の屋台に行っても、僕が共に行動する友人たちも、皆、中国系です。この近未来感は、他では得られません。
10年後の東京を考えざるを得ませんが、EUの首都でもある古き良き街だったベルギーのブリュッセルが、20年も経たないうちにイスラム移民の街になり、「ベルギスタン」と呼ばれるようになったのを想起せずにはいられません。那覇も中国系の中期滞在者が驚くほどに増えており、その問題のひとつが、クルーズ船で那覇にきて、なぜか入港前の人数と出港時の人数に違いが出ている現状にあります。つまり、船に帰って来ない「観光客」が、想像以上に多くいるのです。
いまから二年ほど前のこのコーナーでも、那覇のクルーズ船着港が手一杯になって問題が起きることについてお話ししましたが、地元観光業に従事する人たちからは、那覇港に第2クルーズバースの早期整備を求める意見が多く上がっています。現在は、貨物専用バースでの受け入れをテンポラリーに行ってますが、大型船が着港できないことや、既に運用サービス等の問題が多く噴出しています。
このあたりは、エアアジアがはじめて那覇線を飛ばした際、まだLCCへの対応ができずに、貨物ポートをそのまま活用し、大問題になったのと似ています。サービス面では、悪い意味での「沖縄らしさ」が、いつまでも拭えません。今後は、軍港を解放するなど、大きな整備に迫られることになると思われますが、どちらにしろ海外からの観光客はさらに増加すると考えられます。
また、中国の免許証で日本国内を運転することはできない法制度になっているにも関わらず(ジュネーブ条約違反)、実は中国人観光客の20%近くが沖縄本島でレンタカーを運転しており、事実上、無法状態が続いています。このあたりにも、「スロー」な「沖縄らしさ」が見え隠れしていますし、厳しい中国本土から来る人たちにとっては、これほど「ユルい」沖縄は天国に見えるようです。
中国人にとって沖縄観光の魅力は、気候や美しい海、そして買い物や食事より、どうやらこの「ユルい」点にあるようです。安価に訪れることができて、無免許で運転し、戻らなければならない船に乗らなくても「なんくるないさー」と言えば、滞在できる素晴らしい場所。
そんな街は、世界で唯一那覇だけのように思う今週です。
2017年6月28日 0時16分
まぐまぐニュース
梅雨明けのタイミングで最高の季節を迎えた沖縄。そこへ友人たちとともに出向いたというクリエイターの高城剛さんは、自身のメルマガ『高城未来研究所「Future Report」』で、祖国に「帰らない」中国人観光客が増加し続けている沖縄の現状と、この光景は「すぐ先の日本の未来」だと持論を展開。世界情勢の裏側に詳しい高城剛さんは、どのような点から「未来」を予測したのでしょうか?
沖縄で見た、日本のすぐ先の未来
今週は、那覇にいます。仕事と私事で香港、台湾を回る必要があったのですが、なかなか時間が取れず、それだったら梅雨明けになって気持ちが良い沖縄に、皆で集合しよう!と相成りまして、急遽那覇にやって来ました。
日中の最高気温は30度を超え、最低気温も28度と、すでに夏真っ盛り。ですが、街の様相は古き琉球王国の首都というより、広東省の一都市に思えます。市場に出向いても、モールに行っても、深夜の屋台に行っても、僕が共に行動する友人たちも、皆、中国系です。この近未来感は、他では得られません。
10年後の東京を考えざるを得ませんが、EUの首都でもある古き良き街だったベルギーのブリュッセルが、20年も経たないうちにイスラム移民の街になり、「ベルギスタン」と呼ばれるようになったのを想起せずにはいられません。那覇も中国系の中期滞在者が驚くほどに増えており、その問題のひとつが、クルーズ船で那覇にきて、なぜか入港前の人数と出港時の人数に違いが出ている現状にあります。つまり、船に帰って来ない「観光客」が、想像以上に多くいるのです。
いまから二年ほど前のこのコーナーでも、那覇のクルーズ船着港が手一杯になって問題が起きることについてお話ししましたが、地元観光業に従事する人たちからは、那覇港に第2クルーズバースの早期整備を求める意見が多く上がっています。現在は、貨物専用バースでの受け入れをテンポラリーに行ってますが、大型船が着港できないことや、既に運用サービス等の問題が多く噴出しています。
このあたりは、エアアジアがはじめて那覇線を飛ばした際、まだLCCへの対応ができずに、貨物ポートをそのまま活用し、大問題になったのと似ています。サービス面では、悪い意味での「沖縄らしさ」が、いつまでも拭えません。今後は、軍港を解放するなど、大きな整備に迫られることになると思われますが、どちらにしろ海外からの観光客はさらに増加すると考えられます。
また、中国の免許証で日本国内を運転することはできない法制度になっているにも関わらず(ジュネーブ条約違反)、実は中国人観光客の20%近くが沖縄本島でレンタカーを運転しており、事実上、無法状態が続いています。このあたりにも、「スロー」な「沖縄らしさ」が見え隠れしていますし、厳しい中国本土から来る人たちにとっては、これほど「ユルい」沖縄は天国に見えるようです。
中国人にとって沖縄観光の魅力は、気候や美しい海、そして買い物や食事より、どうやらこの「ユルい」点にあるようです。安価に訪れることができて、無免許で運転し、戻らなければならない船に乗らなくても「なんくるないさー」と言えば、滞在できる素晴らしい場所。
そんな街は、世界で唯一那覇だけのように思う今週です。
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